BFS特別企画 クリスマスパーティー編 ~クリスマスでしかできない青春を生徒に~
もくじ
BFS特別企画クリスマスパーティー編~クリスマスでしかできない青春の場を生徒に~
今回は、普段とはちょっと違ったBFS(ビーンズフリースペース)の様子についてお話していきます!
ビーンズの活動に興味をもってくれた方、保護者さま、「BFSではどんなことやってるのー?」となっていらっしゃる方にぜひ読んでいただきたいです!
BFSとは
BFS(ビーンズフリースペース)とは、ひらたくいえばビーンズ生徒の居場所です。
・生徒がゲームしたり
・生徒が企画したり
しながら、無理なく青春の一歩目を踏み出す時間をつくっています。
BFSについての詳しい内容はコチラの記事もご覧ください!
クリスマスパーティー企画始動!
クリスマスパーティー企画を行った背景は、大きく2つ!
①「クリパをやりたい!」の声
フルーツポンチづくりの様子
ビーンズでは、BFSに参加してくれている生徒からさまざまな声があがって、そこから企画が生まれるという伝統があります。
「夏は花火でしょ!」という声があがれば、手持ち花火企画が実現し…
「お団子食べたい!」という声があがれば、お団子たくさんのフルーツポンチづくり…
コロナ前には「青春といえば、BBQで肉を食べることでしょ!」という声があがって、BBQをやり…
そして、今回生徒から「クリスマスパーティーをやりたい!」という声があがったのです。
②青春経験と4階構造
まず、青春経験というものを説明するうえで伝えなければいけない概念としてビーンズメソッドの4階構造 というものがあります。
青春経験とは、この中の3階に位置しています。(詳しい説明はコチラ!)
「4階構造」では、1階から順に構築していくことで、子どもたちが挑戦する一歩を踏み出せるようになります。
そして大事なのが3階の「青春経験」です。
子どもたちが青春経験を得るには……
その子どもにとって居場所があること
その居場所に自分が困ったときに相談できる・助けてくれるだろう仲間がいること
という条件を満たすことが必要です。
その条件を満たせば、子どもたちの自己肯定感は上がり、将来へ希望を持って挑戦をして、さらには社会貢献をしようとする……そんなデータもあります。
(詳しくは世田谷区議 原田竜馬さんとの記事もどうぞ)
しかし、一般論として少なくない割合の子ども・若者は(様々な事情から)充分に青春経験を得られていません。
その中で、BFSに参加してくれているビーンズの生徒は、BFSという居場所を通して、日頃から青春経験を積んでいます。
その青春経験をより「熱く」そして「深く」するために、普段のBFSとはひと味違う季節ならではのイベントを企画することにしました!
熟議と個性とプロジェクト
企画づくりで意識した4つのこと
ルールもしっかり決めました
ビーンズでは、BFSを運営するにあたって、毎週ミーティングを行っています。
ミーティングでは、インターンやボランティアが集まり、BFSをより良くしていくためのアイデアを出し合ったり、生徒と接する際のコツや意識の共有を図ったりしています。
そのミーティングの中で、クリスマスパーティーの企画開催を決め、準備を進めていきました。
今回、クリスマスパーティーを企画をする上で意識したことは4つあります。
①生徒が自由に平等に楽しめるようにすること
ビーンズの生徒は繊細で自分のやりたいことへのこだわりが強い子が多いです。
そんな子どもたちが、無理なく共同作業ができて、かつ自分の自由に楽しめるようにできる……そんな企画内容にしました。
具体的には…
・生徒の共同作業のケーキ作り
・生徒一人一人が自分のペースでつくれるピザ作り
この2つのタイプの違う「やること」を用意しました。
②時間内に達成できること
ビーンズには「完璧主義」な生徒も多くいます。
そういう生徒にとっては、「時間内に料理が完成しない~。バタバタするぅ~」という事態は、(大人が思うよりもはるかに)失敗体験だと感じてしまう可能性も……。
それを避けるために、時間内に達成できるようなタイムテーブルの設定に細心の注意を払いました。
③衛生面
どんなに楽しいイベントであっても、後日具合が悪くなったとなれば生徒にとって一大事です。
そこで、マスク手袋の徹底、調理器具は全て煮沸消毒するなど、衛生面には細心の注意を払いました。
④生徒同士の協力と創意工夫が必要なもの
クリスマスパーティーの企画内容には、「生徒みんなで協力し、創意工夫する内容」という方向性にしました。
つまり、ボードゲームのような自分の力で勝負し、自分が勝ったり負けたりするものではなく、
・仲間と協力しないと、そもそも達成できない内容
・仲間と創意工夫するとより良いものができる内容
……このような内容をクリスマスパーティーで行おうと決めました。
では、「生徒みんなで協力し、創意工夫する内容」とは具体的には何か……
生徒たちにも意見を聞いたところ
「クリパ(クリスマスパーティー)といえば、ピザとケーキっしょ(意訳)」
という、ご意見を多数いただき、「クリパといえば、ピザとケーキ」という方針で決定しました。
その後も、BFS運営チームたちの手によって、予算計画・当日のロジ(タイムスケジュール)詰め・保護者さまへの連絡をおこないました。
こうしてクリスマスパーティー当日を迎えることになるのです。
白熱の熟議!ピザの具材決め
中には奇抜な具材を選ぶ生徒も!?
生徒の自主性を育むため、ピザの具材を生徒に決めてもらうことにしました。
8種類ほどの選択肢の中からそれぞれが乗せたい具材について話し合い、5種類まで絞ります。
自分の好みの食材を選ぶために生徒みんなが本気のプレゼンをしました……!
「たかがピザの食材で…」と思うなかれ。
小さいことであっても「皆で熟議し、自分も意見し、そして皆で決めた」という経験の積み重ねから生徒たちの自主性が育まれていくのです。
とはいえ……プレゼン・熟議を完全に生徒たちにだけ任せてしまうのも、生徒たちにとっては大きすぎるステップです。
生徒の中には自分の意見を主張するのが苦手な子もいます。
議論にヒートアップしすぎてしまう子もいます。
これは、
意見を言うのが苦手な子には、ボランティアやインターンたちが寄り添いながら話しやすい環境を作り、
ヒートアップしてしまう子には、司会役が生徒の話を受け止めつつ、伝えたい内容を端的に伝えるサポートをしました。
こうすること……
「自分が意見表明した会議で決まった!」
「このイベントは皆で熟議して、決めた!」
という達成感や納得感を得ることができるのです。
そして、この「自分の意見を表明し、仲間と熟議して何かを決めて実行した」…この時間こそ「熱い青春」の入口でもあるんです!
白熱の熟議の末、ピザの具材はマシュマロ・チョコ・生ハム・ツナ・スモークサーモンに決定!
個性が光るピザ作り
個性が光る、ピザづくり!
ピザ作りチームでは、生徒たちが具材を組み合わせて、思い思いのピザを作っていきます。
好きな具材を載せたら、後は焼くだけ…。
……と、ここで事件発生!
定番以外にも、マシュマロ・チョコなど変わり種も!
IHではなかなか火が通らず、ピザの焼き待ちの行列が出来てしまいました。
そこで、お菓子作りが趣味の生徒が「アルミホイルをかぶせると焦げ防止になります!」と教えてくれ、課題解決!
やったぜ!
「ケーキづくり」プロジェクト
ケーキづくりチームの面々(一部)
「ケーキづくり」…それは子どもたちにとってプロジェクト。
「ケーキづくり」…それは「青春経験」…
「ケーキづくり」という(子どもたちにとって)巨大プロジェクトに、最初は緊張気味だった生徒もいました。
生徒は…(というか、人間は)皆、それぞれ得意なことが違います。
そして、それまでに経験してきたことの差もあります…
ケーキづくりをやったことのある生徒もいれば、そうではない生徒もいます。
でも大丈夫。
「ケーキづくり」という一つのプロジェクトでも、いちごを切ったり、生クリームを泡立てたり、デコレーションしたり…と、やることはたくさん!
その中で、(生徒自身も気づいていない場合もある)生徒の"好き"な分野が見つかります。
そして、いつしか「泡立ては、俺に任せろ……!」のような、チームの中で分担が決まっていきます。
そうしてチームの中で全員が活躍し、協力しあっていくのです。
ショートケーキ 班
チョコレートケーキ 班
「ケーキづくりプロジェクト」は一人では絶対に達成できません。それなりの負荷がかかります。
負荷のあるプロジェクトゆえに、達成には仲間との協力と創意工夫が絶対に必要です。
高負荷・協力・創意工夫…これらをビーンズでは「熱い青春3条件」と呼んでいます。
熱い青春3条件
【高負荷】高いプレッシャー・膨大なタスク量
【協力】経験の共有(意義・作業・時間・視界・感情)・かけがえのない貢献の相互承認
【創意工夫】目的と目標の創意工夫・手段の創意工夫
ピザづくりと同じく、ケーキづくりも波乱つづきでした。
しかし、生徒たちはピザづくりと同じく協力し、創意工夫してその難局を乗り切っていきます(…実際は笑い声たえない感じでしたが!)
そうして、ショートケーキとチョコケーキ、チーズケーキの3種類のケーキが完成しました!!
いただきます!から片付けまで
わいわいしてる卓に行く子も、静かめの卓に行く子もいて自分のペースで楽しんでいました!
特に、(最初は)マスクを外すことに抵抗があった生徒も、自分で卓を自由に選べる仕組みがあり、パーテーションで区切られた個別のスペースもあるので、 緊張感がやわらぎ無理なく楽しむことができていました。
さて。楽しんだ後はお片付け。
ビーンズのおきては「片付けまでがパーティー」。
……ということで、最後にはみんなで協力してお片付けもしました!
もちろん、片付けも一人では絶対に達成できません。
子どもたちは最後まで仲間との協力し、創意工夫しながら、数々のトラブルを乗り越えて教室をきれいにしていました!
クリスマスパーティーを振り返る
生徒に一言インタビュー!
実際にクリスマスパーティーに参加してみた生徒にインタビューしてみたところこんな声がもらえました~。
もらった声の一部を紹介します。
・色々な人がいて、普段、話さない人とも、話せてうれしかったし、皆とワイワイしながらピザをつくれて楽しかった。
・参加する前はマスクを外すのが嫌だな~と思っていたけど、実際は少人数で話しやすいグループができていたから緊張せず食べられた!
・ピザづくりでは、美味しそうなのをつくったり、具材全部乗せにしたりみんなの個性がでてて面白かった。
インターン・ボランティアの感想
クリスマスパーティーを運営したスタッフにもインタビューをしてみました!
その一部を紹介しますね~
◆みかるん
・何を担当してた?
企画の全体統括です!
・大変だったことは?
ペットボトルで生クリームを作ろうとしたんですが、なかなか思うように固まらなくて…!
3つのケーキを生徒皆で協力して作るのもタイムアタック的で大変でした(笑)
・嬉しかったことは?
生徒が自主的に活動し、最後には生徒の笑顔が見れたことです!
◆つくみん
・何を担当してた?
ケーキづくりチーム(チョコレート班)
・大変だったことは?
ケーキとピザのそれぞれの進捗を見ながら進めていくことが難しかった…!
・嬉しかったことは?
生徒が喜んで参加して協力していたこと。
生徒たちが意外な実力を発揮していたり、その実力に生徒自身が気づくことができていたりしたこと。
あと、シンプルに生徒から「美味しかったー!」という声が聞けたのも、嬉しかったですね!
まとめ 子どもたちと青春
いかがだったでしょうか。
ビーンズが子どもたちの青春経験を大切にしている理由、クリスマスパーティー企画の舞台裏の一端が伝わったら嬉しいです!
ただ、まだまだビーンズが青春経験を大切にしている理由や、生徒たちがビーンズで繰り広げる「青春経験」について説明しきれていません!!
興味がある方は、以下の記事もご覧ください。