大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する前に考える大切なこと

大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する その前に大切なこと

大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する前に考える大切なこと

本記事では、学習支援塾ビーンズ塾長の長澤から、大学入試に向けた日本史の勉強方法についてお伝えします。

もちろん、単なる科目勉強のやりかただけではなく、「勉強する前に考えるべき大切なこと」についてもお話しします。

長澤啓(Nagasawa kei)
学年ビリから二浪し東京大学へ​入学。ビーンズの活動が楽しすぎ、留年。経済学部経営学科卒。
副代表として、講師の採用育成プランの策定・外部協力者との渉外・経営企画までマルチにこなしながら、日々「ビーンズメソッド」を洗練させている。
さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者さまと月100件以上やりとりを実施。趣味はビールを飲みながら出汁巻き卵をつくること。

■インタビュー/詳しい自己紹介
学校の勉強についていけなかった僕が東大に合格するまでと親と対立した日々について
勉強へのやる気が出ない中学生を変えるために親ができることを学習支援のプロに聞きました
プロに聞きたい!不登校や勉強嫌いな中学生・高校生が進路を選ぶタイミングで、親に何ができるの?

最初にやるのは日本史のレベルのチェック

チェックには二つあって「インセイチェック」と、「日本史の時期ごとの概要を言わせる」というものがあります。

「インセイチェック」で語彙力をチェック

日本史に「院政」という、天皇が上皇となってからも実際の政治の実権を天皇を差し置いて行うという用語があります。

この「院政」は一般語彙になっていて、週刊誌とかでも時折、以下のように書かれていたりします。

例文:○○社長は引退されたと思いきや、会長として院政している

インセイチェック」とは、子どもに「インセイってなんだっけ?」と聞いてみることです。

そこで、子どもが、パっと「院政」に脳内変換しているようなら、かなりの日本史の素地と語彙力があります。

もし、「大学院生?」などと答える場合、語彙はあるけど、日本史はやりこんでいない可能性が高いと思います。

また、「病院のなにか?」と言ってきたら、語彙力も日本史も基礎レベルからやりたい感じです。

ある程度の語彙力がないと日本史(ひろく社会科目)は自学自習できません。

もし、教科書を読んでみても、あまりイメージが浮かばない・理解できていないときは語彙力アップを狙いましょう。
具体的には後述のSTEP1、2からスタートするのをお勧めしています。

日本史の時期ごとの概要を言わせる

もう一つの「日本史の時期ごとの概要を言わせる」とは、言葉の通りで、

「弥生時代って何が特徴やったっけ?」
「室町時代の大まかな流れってどんなんだっけ?」

と子ども(生徒)に聞いて、それでどこまで答えられるかです。

例えば、室町時代ってなに?と聞いたときに

「室町時代のはじめは〇〇っていう事件からで~~、初代将軍の○○が×××をやって、その結果、~~になって~~ 〇〇という事件で幕府の屋台骨が崩れちゃったんだよね」

このくらい一つの時代を5分くらいで話せるのが理想です。

まず、この二つのチェック次第で、使う教材を決めていくとよいと思います。

日本史の勉強の仕方の例

上の二つのチェックで、レベル感が分かったら、次は勉強をスタートです。

日本史の勉強のSTEP

生徒のレベルに合わせてSTEP1~5どこからやるかを決めてスタートしていきます。

STEP1:「絵本」で、日本史の流れの超ざっくりイメージをつかむ・語彙力アップ

STEP2:「日本史漫画」で、ストーリーと一緒に重要事項と有名人を覚える・語彙力アップ

STEP3:「中学校の教科書」を全部読みこんで、日本史の大まかな流れと最重要事項を覚える

STEP4:「高校の日本史教科書」or「通史を学べる参考書」を読み込んで通史をザクッと学ぶ/b>

STEP5:「高校の日本史教科書」を辞書にしながら過去問を解く

使う教材 絵本から過去問まで使う

上記のSTEP1、2、4、5について教材を紹介します。

STEP1日本史おすすめの「絵本」
はじめての 日本のれきし えほん」(Amazonのリンクです)
解説:日本史の教科書を読んだとき、用語の一つ一つにイメージがつかない子どもには、まず絵本で言葉とイメージをつなぎ合わせるのがよいです。
「寝殿造り」とか「渡殿」と言葉でいわれても、何のことかイメージわかないですよね……。
そういう「何のことイメージわかない」というストレスがなくなることで、はじめて教科書を読めるようになるのです。
また、68ページという参考書などに比べると短いページなのもGOOD。

STEP2「日本史の漫画」
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」(Amazonのリンクです)
※シリーズものですので、まず一冊買ってみて、子どもが読むかどうかチェックするのがよいと思います。

STEP4参考書で通史をザクッと学ぶ
参考書は本屋で何冊も立ち読みして、子どもが「これなら読める(かも)」と思ったものを選ぶことをお勧めします。

もし……

「参考書を選ぶ時間がない!でも、読みづらい参考書はいや!」

というのであれば……以下のテキストをお勧めしておきます。
超速!最新日本史の流れ―原始から大政奉還まで、2時間で流れをつかむ! (大学受験合格請負シリーズ)
かつて受験界で一世を風靡した参考書です。

クセのある講師がクセのある語り口で解説をしているので、飽きずに読めます。
ところどころ入ってくる中二的なノリも勉強感を薄めてくれるので好感です。

STEP5大学入学共通テスト過去問
大学入学共通テストの過去問はネットで見れます。
一旦解いてみて、何問くらいとけるかチェックしてみてから、時間をかけて解答・解説を読み解きます。

①問題を解きます。

②解答・解説を読みます。
解答・解説:「2023 年大学入学共通テスト 解説〈日本史B〉」(「東進ハイスクール」さんのページのリンクです)

③問題周辺の内容を、うえで紹介した通史を説明してくれる参考書で読みこむ。
その際、高校の日本史の教科書を辞書として手元に置いておき、不明な点や分からなかった人名や用語を調べます。
分からなかった人名や用語は、パソコン上で記録していくとよいと思います。
ノートに書くよりキー入力のほうが慣れている子どもが多く、なにより後で知識量が増えた際に編集しやすいからです。

勉強する前に「どうしてもやらなければならない」と深く納得する

ここまで、大学受験へ向けた日本史勉強の王道をお伝えしてきました。

しかし、王道を知っているだけでは点数は上がりません。王道は実践しなければ結果には結びつかないのです。

まず、一般論ですが偏差値の大学を一般受験で受験する場合に必要な日本史のレベルはかなり高いです。細かい用語や人名を覚えていく必要があります。

これは日本史に限らずどんな勉強でも同じですが…本気の勉強とは、(例えるなら)憲法を全て暗記し、法律の条文を一つずつ覚え、似たような法律との意味の違いを確認していく……そんな地道で根気が必要な作業です。

人間が、そのような地道で根気が必要な作業をやるときとはどんなときでしょうか。

それは「どうしてもやらなければならない」と自分で深く納得している状態だと思います。

本章では、その納得はどこから生まれるかについてお話ししていきます。

そもそも論として、大学受験にその科目を使うのか?

まず「そもそも論として、大学受験でその科目を本当に使うか」ということは時間をかけて考えていただきたいです。

戦いの原理原則として、「戦略や大方針が間違っている場合、戦術レベルや個々の戦闘でどれだけ頑張ったとしてもいい結果は出ない」というものがあります。

もし大学受験をある種の戦いだとすれば…

戦略レベルにあたるのが、大学選びや、受験方式選びに

戦術レベルにあたるのが、科目選び

戦闘レベルにあたるのが、科目ごとの勉強のやり方

となるでしょう。

戦略レベルの話をしっかり考えていない・おろそかにしたまま、先に(戦術レベルや個々の戦闘レベルの話である)「どの科目として受験科目として選ぶのか」や「日本史の勉強をどうするのか」というという話をしても効果はありません。

なぜなら、「日本史」を勉強するにあたっては以下のようなことを考慮しておかないといけないからです。

・特に私立文系は推薦入試(総合型選抜+公募推薦など)の割合が高まっている
推薦入試であれば日本史は使わない。それよりも自己分析国語力アップに時間を使いたい。

・一般的に科目の中では特に英語ができれば、大学受験は(一般受験であっても推薦入試でも)有利に運ぶ。
できるなら日本史よりも英語に時間を割きたい。

・一方で、それなりの偏差値の大学を一般受験で受験する場合に必要な日本史のレベルはかなり高い。
細かい用語や人名を覚えていく必要があるので時間がかかる。その分、自己分析や国語力、英語に充てる時間が減る。

このような戦略レベルの話を先におこない、本当に日本史などの科目を大学受験で使うかを検討する必要があります。

「どうしてもやらなければならない」の想いが生まれる背景

その科目の勉強を「どうしてもやらなければならない」という想いが生まれるのは、
「どうしても〇〇大学に行きたい」という子どもの中の思いと、
「どうしても一般入試でないと受験できない」「どうしてもその科目(ここでは日本史)を使わざるを得ない」という現実の掛け算からです。

①戦略レベルの話:大学でやりたいことが何であるか

②戦略レベルの話:「大学でやりたいこと」から逆算して、どういう大学に行きたいのか

③戦術レベルの話:その大学の入試形態はどういうものがあるのか
どうしても、その大学に入りたけど、評定などが足りず推薦入試は使えない。だから一般入試でなければならない。

④戦術レベルの話:一般入試では社会科目を使わないといけない。社会科目の中では日本史が一番、頑張れそう。
ここまで考えて初めて入試の形態は一般入試で、「どうしても日本史をやらなければならない」という必然性が生まれ、上の日本史の勉強方法に意味が出てきます。

逆にここまで考えてみて、何か抜けがあるなら、

「どうしても〇〇大学」
「どうしても一般入試」

という状態に子どもがなっていない可能性が高いと思います。
もしそうであれば、司法試験のように細かい用語や人名をひたすら覚えていく勉強を、子どもが「どうしてもやらなければならない」ことに肚落ちしていない可能性も高くなります。

その段階で戦術レベルの「どのテキストがよいか」「効率的な勉強方法はなにか」などと言っても始まりません。

まずは、戦略レベルでの大学受験の大学選びや、受験方式選び、そこからの科目選びを徹底的にやって、「どうしても〇〇大学」「どうしても〇〇受験方式」ということを決めて、「どうしてもやらなければならない」ことに子ども自身が納得感を得る必要があります。

「どうしても〇〇大学」「どうしても〇〇受験」に納得感を得てもらうには、自己分析に時間をつかっていくことが必要です。

大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する前に大切なこと まとめ

本記事では、大学受験に向けた日本史の勉強方法について、最初にやるべき2つの日本史レベルチェック、具体的な勉強方法、おすすめの教材についてお伝えしました。

大学入試において求められる日本史のレベルに達する勉強を継続するには「その勉強をやらなければならない」と、子どもが納得感をもっている状態であることが大切です。

ですから、まずは「どうしてその大学に行きたいのか」「一般入試で日本史を使う必要があるのか」など、自己分析や進路研究といった地盤となる方針から考えることをおすすめします。

「どのテキストを使ったら良いのか」「どんなステップで勉強を進めれば良いのか」といった話は大きな方針が固まった上で、考えるべきことです。

ビーンズでは、生徒の科目勉強の戦略・方針となる「大学選び」「受験方式選び」を行う際、「成績UPに必要な4階構造」という考え方に沿って、生徒のサポートをしています。
詳しくは、「シリーズ「なんで子どもが勉強しないのか」勉強する条件「成績UPに必要な4階構造」」の記事でお話ししています。

学習支援塾ビーンズの「科目勉強の考えたかた・コツ」の記事です……!

✔ ビーンズへご相談

相談フォーム

ご相談だけでも承ります。状況改善へ向け一緒に考えていきましょう


授業・料金のご案内はこちら

\ ビーンズのことをもっと知りたい方へ /
大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する前に考える大切なこと

大学入試に向けた日本史の勉強方法/勉強する前に考える大切なこと