【高校選び・大学選び】ご家庭でできる! 無気力な中学生・高校生に進路を考えてもらうコツ

中学生・高校生の子どもたちは 「社会」を 知らない。知っているのは、ゴシップやネガティブな情報ばかり 「仕事の楽しさ」「やりがい」「目を瞠るスキル」「いつも頼りにしてる、気持ちのよい仕事仲間」 こういう情報こそ、伝えよう
今回の記事では、不登校・勉強嫌いな中学生・高校生たちが進路を考えていくためには「ご家庭で職業観を“楽しく!”育むことが大事」という内容で、
ビーンズメソッド』に基づいた中学生・高校生たちの進路観、そしてお子さまに進路を考えてもらうための、ご家庭での声掛けのコツを代表の塚﨑がお話しします。

不登校・学校嫌い、でも進路を決めないといけない…そんな「悩める10代」のお子さまを持つ保護者さまへ、ぜひお読みいただきたいです。

※なお、本記事は2021年に公開した内容を加筆し再公開しています。

ビーンズメソッドってなに?」という方は…まずはこの動画をご覧ください。

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん

このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演しました。

おおたさんには「ガラスの十代のトリセツ/ビーンズメソッドに学ぶ」と題し、ビーンズメソッドの基本的な考え方についてお話しいただいています。
そして、ビーンズでの取材内容を『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)に掲載いただきました。
また、講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドの内容を端的にまとめていただいています。こちらもぜひご覧ください。

10代の心をフリーズさせるもの…不登校専門塾が教える「大人がやってはいけない」こと
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生きる重荷を軽くしたい…不登校専門塾が提案する“子どもを幸せにするための法則”

塚﨑 康弘(Tsukazaki Yasuhiro

大分県中津市出身。学校嫌い・科目勉強嫌いを乗り越え大学進学するものの大学1年次で不登校。
大学卒業後、約2年間のニート期間を経た後、塾講師・家庭教師として活動しながら「学習支援塾ビーンズ」を設立。2015年に法人化し代表を務める。
好奇心旺盛だけど無趣味。こだわり多いけど毎日白Tシャツ。早稲田大学 人間科学部卒。

■インタビュー/詳しい自己紹介
『東京都創業NETインタビュー』に代表・塚﨑が掲載されました!
オデッセイ コミュニケーションズさまに学習支援塾ビーンズ代表・塚﨑がインタビューされました!

ご家庭でできる! 無気力な中学生・高校生に進路を考えてもらうコツ

…「子どもが進路について全く考えようともしないんです」

…「進路の話をしようとすると、いつも部屋にこもってしまいます」

…「これから、本人はどうするつもりなのか? 子どもの気持が分からないんです」

夏が過ぎて、ツクツクボウシの声も少しずつ遠くになっていくころ、保護者さまから このようなお声が多くなります。

そこから何カ月か経つと、今度は中学生~高校生の生徒たちからも

「もう、僕の将来は終わっているんです」

「社会に出るのが怖い。どう考えても生きている気がしない」

「勉強して、ちゃんとした人生にならないといけないのに、できない」

そういう声を聞くようになります。

進路については、保護者さまも、子ども自身も焦ります。

そして、焦りからくる恐怖と不安でいっぱいなのです。

2022年8月追記:教育ジャーナリスト おおたとしまささんに本記事に関連する内容を取材され、講談社FRaUさんにて掲載されました。ぜひご覧ください。

「少子化、格差問題、非正規雇用、ブラック企業、環境問題……などという怖い話ばかりを聞かされて、いまの子どもたちは未来に対してまるで希望をもてていません。

親世代の想像を超えたレベルで彼らは絶望しています。同時に語られる親世代の"ふつう"と"偏差値"が"べき論"を構成し、彼らを縛っています。

だからものすごく保守的な価値観をもっている子どもが多い。それは、高校生のなりたい職業の一位が公務員であることからもわかると思います。

それなのに他方では、勉強ができるだけでなくてもっと主体的に協働的にそして創造的にならないとこれからの先行き不透明な時代には生きていけないぞと脅されて、始める前から『もう無理だよ』と思ってしまうわけです。『落合陽一にはなれないよ……』みたいな」

じゃあどうすればいいか。

「僕らは『雑な話』をしてくださいって言っています。

保護者が自分のリアルな仕事の話をするのはオッケーです。

たとえばこのまえ大型案件の受注が決まったんだよねと。でね、相手の会社の担当者も喜んでくれて、いっしょに飲んだんだよ。ビールをね。銀座でね。そのビールがサイコーだった!って。

子どもでも手触りが感じられるように、大人の世界の楽しさを語ってあげてほしいんです。競争社会の厳しさとか、仕事の社会的意義とか、意識高い話は要らないんです」
引用元:「雑な話」で子どもたちを勇気づけよう


私がまだ家庭教師をやっていた頃、以下のようなことをおっしゃる保護者さまと、よくお会いしました。

と……。

最近、お話しする保護者さまには、上記のような内容をおっしゃる方はいらっしゃらないのですが…
もし、上記のような内容をお話しいただいた場合は以下のことを大切にしながらお話ししています。

・保護者さまの言葉を鵜呑みにはしないこと。

・まずは先入観を抜き、子どもから話を聞いてみて判断すること。

・そして、あらためて保護者さまとお話すること。

なぜなら、

保護者さまは保護者さま自身の将来の希望を子どもへ無意識に伝えている場合が多く、

子どもも親の期待に応えようと、無意識に親の期待の方向を目指そうとしている可能性があるからです。

不登校・ひきこもり・勉強嫌いになってしまっている中学生・高校生の子どもたちは、

「自分は親の希望する将来をを実現できない」と感じると

「自分はダメなやつ=今後も何をやっても、お先真っ暗」

と、自尊心が下がり、自身の進路について諦めてしまい、にっちもさっちもいかなくなってしまう…といったパターンにはまってしまうのです。

多くの中学生・高校生は「進路のことを考えるのが不安」

まず前提となるお話をします。

中学生・高校生の子どもたちは、不登校であるなしに関わらず、社会の明るい面ではなく、暗い面を多く見ています。

不登校であるかどうかにかかわらず、そもそも中学生・高校生たちは進路のことを考えると不安になります

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ・一般社団法人全国高等学校PTA連合会合同調査「第8回高校生と保護者の進路に関する意識調査2017年報告書」によると……

高校生のうち、「進路を考えると不安」と答えたのは70%を越え、

逆に「進路を考えると楽しい」と答えた割合は約20%でした。

保護者さまのなかには「若者が将来のことを考えるのはいつの時代だって不安じゃないか!」と思われる方もいらっしゃると思います。

しかし!

私が高校生だった2003年の調査(「高校生と保護者の 進路に関する意識調査」)では…

進路を考えると不安が44%
進路を考えると楽しいが34.5%

とほぼ拮抗していることが分かります。

<保護者さまへお願い 昔の若者像をあてはめないで>

同じ「高校生」でも、保護者さまが高校生だったころと、今の高校生は、進路や、職業観へのマインドは大きく変化しています。

以下のデータをご覧ください。

私たちが高校生のころに比べ、明らかに現在の高校生の方が進路のことを考えることについての不安感が増しています

保護者さまが「自分が高校生だったころ」を思い返して当てはめようとしてはダメなのです。

●なりたい職業がある
2003年の調査「約70%がある」

2017年の調査「55%」(なお男子は50%以下)

●進路を考えると不安
2003年の調査「約44%」

2017年の調査「72%」(約1.6倍)

●進路を考えると楽しい
2003年の調査「約34.5%」

2017年の調査「23%」(約4割減)

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ・一般社団法人全国高等学校PTA連合会合同調査
「高校生と保護者の 進路に関する意識調査」 (2003)
「第8回高校生と保護者の進路に関する意識調査2017年報告書」より作成

不登校の中学生・高校生が進路に絶望しやすい理由

不登校の中学生・高校生たちは

「自分以外のみんなは普通に学校に行って勉強している」

「それができない自分に明るい将来はない。お先真っ暗だ」

というような、悲観的な考えにとらわれている場合が多くあります。

(この子どもたちがとらわれている「普通」の中身について詳しくは「不登校の子どもたちが信じる「人生の先入観」 を外す!「普通を外すワーク」」をご覧ください)

保護者さまに面談でよくお話しする、ビーンズで有名な小咄(こばなし)にこういうものがあります。

あるとき、大学一般受験で「とりあえずMARCH」(ビーンズでは「とりマ」と呼んでいます)を目指している高校三年生男子が参考書を机の上に出したまま、真っ青な顔で硬直していました。

彼に話を聞くと「勉強がつらくてつらくて、でも自分はMARCHに行かないといけない」と言うんですね。

以下は実際にあった講師と生徒とのやりとりです。

[コラム]勉強した先に暗い将来しか見ていない例「大手広告代理店エピソード」

講 師:どこらへんで、MARCH選ぼう!ってなったんだっけな

生 徒:MARCHに行かないと大企業へ行けないんです。

講 師:ほうほう。大企業って、例えばどこよ?

生 徒:(真っ青な顔で)D…(大手広告代理店)

講 師:念のため聞くけど、どのD…なの?

生 徒:あの…… 過労死の……。

講 師:その大手広告代理店って何してる会社か知ってる?

生 徒:知らない。ただ、お金はありそうだなって。

講 師:なるほどね。その大手広告代理店に代表される大企業に行けなかったら、君はどうなるの?

生 徒:負け組になって、職を転々して、最終的にホームレスになると思う。

講 師:生活保護は?

生 徒:それは無理。どうやったらいいか分かんないし、恥。ホームレスになったら餓死。

つまり、その生徒のキャリア観は、MARCHに行けなければ大企業に行けず、大企業に行けなければホームレスになって餓死。

さりとてMARCHに入学し大手企業に入ったとしても、最後は過労死する(まで追い込まれる)という救いのない真っ暗なものなのです。

そして「ホームレス餓死コース」と比較して、ややマシな「 大企業過労死コース」に入るためにMARCHへ向けて頑張って勉強しようという筋書なのです。

勉強した先にも真っ暗な将来が待っている中で、「恐怖と不安」で自分を駆り立てて、好きでもない勉強を続けるのは、常人だと耐えられないですよね。

なぜ、このような悲観的な考えにとらわれているのでしょうか。

なぜなら、子どもたちは社会の明るい面ではなく、社会の暗い面の情報を多く集めてくるからです。

なぜか。それは子どもたちの周りにあり、子どもたちが摂取する情報には、圧倒的に暗い話題が多いからです。

例えば、ニュースは新聞もTVも暗ーい話題が多いですよね。

またネットでも、SNSやネットニュース、まとめサイトなども暗い話題や誰かの失敗談が目白押しですよね。

政治経済の話題が好きな子どもにも、YouTuberが好きな子どもにも、それぞれの子どもの、それぞれの嗜好に応じた暗ーいニュースがネットにはたっぷり用意されています

特に不登校の中学生・高校生はTwitterなど各種SNSで暗いニュースばかりを摂取しています。

そして、SNSでは“不登校” “(学校の)勉強ができない”ことへの「恐怖と不安」を煽り立ててきます。

ネット上に跋扈する暗ーい世界観の例

・出身大学(校)から勝ち負けに二分される。

・負けたら社会からトコトン食い物にされる。(不登校は学校に行っていないので負けており、食い物にされる)

・勝つためには、覚悟をもって朝から晩まで徹底的に頑張らないといけない。

・勝ち組になると、デカくてホワイトな会社に入り、高給で余裕のある生活。

・なお勝っても負けても自分の好きなことはできない。会社の指示に従うのみ。主体性は求められない。

どこの「タワマン小説だ!?」と思う方もいらっしゃると思います。
が、こういった世界観をつくりあげるに充分な情報を中高生たちは大量に摂取しているのです。

上記の「暗ーい世界観の例」の中には確かに“正論”の部分もあります。しかし、かなり極端(グロテスク)な世界観ですよね。

(当たり前ですが)社会の中で活躍している不登校経験者も少なくありません。(私自身もそうです)

また、不登校に限らず、世の中で活躍している殆どの人が、なんらかの挫折を経験しているはずです。

ただ、中学生・高校生の子どもたちには、そういった挫折経験があって活躍している人たちと生活の中で出会うことがありません。

また「4つの時期」の「挑戦期」でない子どもたちだと、仮に挫折経験があっても活躍している人のストーリーを知ったとしても「その人は特別。僕はそんな努力はできない」と、そのストーリーを受容しづらいのです。

この「子どもたちが社会について正確なことを知らずに、ただただ不安を掻き立てられている」現象を、私は「子どもたちがすりガラス越しに暗闇を見る」と呼んでいます。

子どもたちは社会についての正確な情報を持てないまま、タワマン小説的な、グロテスクなほど悲観的な情報を摂取し続け、(すりガラスの越しの先にぼうっと映る虚像を見て)「社会は暗闇なんだ」と断じてしまうのです。

この「子ども達がグロテスクな世界観を摂取している」という現象は、保護者さまの努力だけでは解決できません……。

仮に保護者さまが

・保護者さまは上記のようなキャリア観は持っていない

・保護者さまが上記のようなキャリア観とは真逆の生き方をしている
例:偏差値にとらわれないで学校を選んだ
例:自分の好きなことでしっかり稼いでる

といった場合でも油断は禁物です。

思春期の子どもは一人の時間が多くなります。そしてスマホを持っています

まして、不登校の中学生・高校生には、あまりある時間があります。

その時間で上記のタワマン小説的・悲観的・グロテスクな内容のキャリア観を摂取し、染まってしまう可能性があるのです。

中学生・高校生たちの社会は狭い/学校教育でも社会を知る機会は少ない

なぜ、可能性がたくさんある中学生・高校生たちがこのようなタワマン小説的・悲観的・グロテスクな内容の考えにとらわれているのでしょうか。

それは中学生・高校生たちの世界・社会が狭いからです。

中学生・高校生たちにとっては、家庭と学校が世界・社会のすべてであることも少なくありません。

そのため、学校で何か挫折経験があると、子どもたちにとっては世界・社会から拒絶されたと感じられるのです。

ここでのポイントは、「学校を不登校になった・学校の勉強をしない……」そんな子どもたちも、

本心では「学校に戻らないといけない」「受験勉強しないといけない」という「恐怖と不安ベース」の気持ちを抱えています

この「~しないといけない」という気持ちが、子どもたちのエネルギーを奪ってしまうです。

そんなエネルギーが枯渇しかけている中学生・高校生の子どもたちへ、保護者さまが

「(普通に)学校に行って、勉強して!」

「このくらいのレベルの進学先に行って!」

恐怖・不安ベースで要請すればするほど、

世界・社会から拒絶されたと感じてる子どもたちにとって「絶対安心の場」であるべきご家庭で、お子さんは追い詰められていきます。

中には「恐怖と不安」で自分自身を駆り立てて頑張ろうとするお子さんもいます。

ただビーンズにくるお子さんの多くは「恐怖と不安」で頑張ろうとしても続きません。

そして保護者さまの視界からフェイドアウトして(自室に引きこもって)しまうのです。

さて、ここまで読んで、「うちの子は、学校へ通っているから大丈夫」「学校で職業観の授業があるから大丈夫」と思っている保護者さまもいらっしゃるかもしれません。

残念ですが、それは違います。

●公立中学では98%の学校で職場体験が実施されているが、その実施日は3日までが80%を越えている

●公立普通科高校の約80%が職場体験を実施しているが、生徒の参加率は20%

参照:国立教育政策研究所「平成29年度職場体験・インターンシップ実施状況等結果(概要)

わずか3日の職業体験

これが多くの中学生・高校生たちに与えられた「職業観を育む時間」です。

また、その職場体験の内容についても、中学生・高校生たちの職業観が育つのか疑わしいものも多いのが現状です。

公立中学校での職場体験 ビーンズの子どもたちの実例

●スーパーマーケットの惣菜コーナーで弁当をひたすら並べ続けた

●区役所に赴き、放置自転車を回収する班に配属され、放置自転車の回収で職場体験が終わった

●運送会社で軽作業を行う職場体験に参加。最終日に生徒がどのようなスキルを身につけたら昇給するか総務部長に質問したところ、後に中学校教諭から「なぜあの場でお金のことについて質問したのか」と詰問された

学校に通っているとしても、そもそも中学生・高校生たちが「社会を知り、職業観を育てる機会は圧倒的に不足」しているのです。

さきほど「中学生・高校生の子どもたちにとって、家庭と学校が世界のすべて」と申し上げました。

学校教育は、中学生・高校生の子どもたちに、社会を知る機会を充分に与えていない」と言い切ってしまっていいと思います。

つまり、お子さんに社会のなんたるかを知らせ、職業観を育てるためには、ご家庭での取り組みが非常に大切になってくるのです。

ご家庭で、中学生・高校生のお子さんに“社会”を知らせるコツは「他人事・遠い将来」

学習支援塾ビーンズ『遠い将来・近い将来×他人事・自分事マトリクス』

中学生・高校生のお子さんを「恐怖と不安」で駆り立てようとしない

お子さんが「将来、お先真っ暗だ」と思っているうちは、「お子さんが自分の進路を自分で考えていくこと」はスタートすることができません。

お子さんが自分の進路のことを考え、その進路に向けて準備をしだすのは

「社会には面白いことがある」と信じられてからです。

ここを踏まえず、将来を考えるのが不安になっているお子さんへ

「社会に出ると厳しいんだぞ!」とか

「もうすぐシンギュラリティ(少子高齢化・産業構造の変化・グローバル化……なんでも代替可能)がくるんだぞ!」と

恐怖と不安で駆り立てる」のはやめていただきたいのです。

このブログを読まれている保護者さまのお子さまには効果はありません。
(効果があるなら、すでに動き始めているはずです)

そもそも将来を考えるのが不安になっている中学生・高校生の子どもたちに“自分事”として、

「厳しい社会に出ること」「シンギュラリティや少子高齢化に挑んでいく」という将来のリスクを想像させ、

そのリスクを回避するために「恐怖と不安」を原動力とし“近い将来”をどうするか考えさせるのは、現実的ではありません。

お子さんへ社会を知らせるコツは「他人事・遠い将来」です。

学習支援塾ビーンズの進路指導は「他人事」からスタートしていきます。

「他人事」であれば、子どもたちはイキイキとアイデアを出してくるのです。

そして、お子さんとって「他人事・遠い将来」の一番身近な体現者は保護者さまです

他人事・遠い将来として保護者さまがお子さんに仕事の魅力をプレゼンをする

保護者さまがお子さんに公務員になって欲しいと思っていた場合を想定してみます。

先ほど申し上げた通り、

「将来、社会は不安定になるから公務員になりなさい!」

「将来の不安を回避するには公務員が一番だ!」

「公務員になるために学校に行って勉強しろ!」

というように「恐怖と不安」で子どもたちを駆り立てようとしても、子どもたちの心が動くことはありません。

そして、お子さんの心が動かなければ、行動は変わりません。

次に「学校教育で中学生・高校生の子どもが社会を知る機会は少ない」ので、中学生・高校生のお子さんは「公務員の魅力的なイメージ」を具体的に想像できません。

人間は、具体的に想像できないものに心は動かず、行動も変わりません。

私はこれを「子どもは、子ども自身が見たものしか信じられない」と保護者さまへ伝えています。

「子どもが見たこともない職業へ、実際にその職業に就くために将来へむけて準備させる」…… そもそも無理なことをやらせてますよね。

だからといって、いきなりお子さんを市役所や霞ヶ関へ引きずっていって、公務員の仕事のすばらしさを伝えようとするのはおすすめしません。

そもそも市役所に行く前に、お子さんが抵抗するかもしれません。ですので、保護者さまがお子さんに公務員になってほしいとするのならば、

まずは保護者さまがお子さんへ「どうして公務員が良い仕事なのか」というプレゼンテーションをして、「公務員になる」魅力を伝えるようにしましょう。

ここで間違ってほしくないのが「説明や、ましてや命令ではなく、プレゼンテーション」だということです。

お子さんの心を動かし、お子さんが行動を変え、お子さんが公務員へ向けて準備をしたくなるようなプレゼンテーションをする必要があります。

子どもへ仕事の魅力をプレゼンするコツは「他人事」「遠い将来」「楽しい」

いいプレゼンテーションを実施するコツはなにか。

欠かせない要素は「他人事」「遠い将来」「楽しい」です。

他人事」なので、保護者さまご自身や、保護者さまのお友達の話などをするのが大切です。

遠い将来」なので、(将来から逆算して大切な)来週のテストをどうするか!?という話はダメです(笑)

ビーンズだと……中学生には敢えて大学での研究内容や面白いサークル活動の内容を伝えます。

高校生には、もう少し具体的な職業、面白い大人の生きざまを伝えます。

そうすると、子どもたちが興味をもってくれるのです。

繰り返しますが「恐怖と不安」では子どもは動きません。

なので、逆張りをしていきましょう。

プレゼンテーションの最後のコツは、子どもにとって「楽しい」情報をプレゼンテーションの内容に盛り込むことです。

私の周りにも、小さい頃の「楽しい」「面白い」体験を動機として、今の仕事を決めた方はたくさんいらっしゃいます。

【小さい頃の「楽しい」「面白い」体験を動機に、仕事を選んだ例】

・好きな先生がいて、話すのがいつも楽しかったから自分も学校の先生を目指した
・工作が大好きで大工を目指した
・カッコイイ建物にあこがれて、実際に有名建築に行ってみて感激し、設計の道を目指した
・カッコイイ車を見て、実際に乗せてもらって、気づいたらメーカーを目指してた
・食べたケーキのおいしさに感動し、パティシエを目指した

見逃せない共通点は、過去の楽しい・面白い体験が仕事選びの原点」になっているという点です。

ですので「公務員プレゼンテーション」では

お子さんにとって「他人事
お父さま、お母さまが公務員なら、お二人の話
お二人のお友達が公務員なら、その人の話

お子さんにとって「遠い将来
公務員になるために必要な学力や、学歴の話ではなく、公務員の仕事内容の話

お子さんにとって「楽しい
「社会が不安定。だから公務員に!」ではなく、
「公務員の仕事の面白さ!」や「公務員の仕事のやりがい」の話

ご家庭でできる! 無気力な中学生・高校生に進路を考えてもらうコツ まとめ

不登校・勉強嫌いを改善するためには、保護者さまが「社会の魅力」「仕事の面白さ」を中学生・高校生のお子さんに楽しく伝えることが大切です。

将来に希望を持つことで、子どもたちは状況を改善しようとするエネルギーを得て、自分の進路を主体的に考え始めることができます。

続きの記事で、保護者さまから「どのように中学生・高校生のお子さんへ仕事の内容をプレゼンテーションすればいいか」より具体的なコツをお伝えします。

「そんなこといっても、親の言うことに、子どもがちっとも耳を貸してくれない……」という場合、お子さんにとって「ご家庭を絶対安心の場」にすることが優先です!

ご家庭を絶対安心の場」にする方法については、こちらの記事をご覧ください。

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子どもたちは 「社会」を 知らない。知っているのは、ゴシップやネガティブな情報ばかり 「仕事の楽しさ」「やりがい」「目を瞠るスキル」「いつも頼りにしてる、気持ちのよい仕事仲間」 こういう情報こそ、伝えよう

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