ビーンズが取り組むチャレンジスクール対策について 第2回「チャレンジスクールの入試内容とは」
学習支援塾ビーンズでは、進学対策の一つとして都立「チャレンジスクール」対策に取り組んでいます。
詳しくは、全3回にわたって連載する記事「学習支援塾ビーンズが取り組むチャレンジスクール対策について」で、ご案内しています。
第2回目となる本記事では、チャレンジスクールの試験内容について具体的に紹介させて頂きます。
もくじ
ビーンズが取り組むチャレンジスクール対策について 第2回「チャレンジスクールの入試内容とは」
チャレンジスクールの試験内容の概要
チャレンジスクールの入試では、いわゆる一般的な科目授業のテストは実施されず、「志願申告書・作文検査・面接」の三項目で採点がされます。
▼東京都立大江戸高等学校の場合
・志願申告書100点
・作文600点
・面接600点
計 1300点
▼参考 東京都立大江戸高等学校 令和二年度 入試情報
学校によって、配点の割合には多少の違いがありますが、いずれの学校でも「面接と作文が重要」ということは共通しています。
では、チャレンジスクールの入試において、志願申告書、面接、作文が、どのような内容になっているのか、順番に説明していきたいと思います。
チャレンジスクールの入試内容1:志願申告書について
志願申告書の概要
チャレンジスクールの入試は、まず志願申告書を作成して、出願時に願書と一緒に提出するところからスタートします。志願申告書で記入する項目は5点あります。
▼志願申告書の記入事項
1.入学を希望する理由
2.将来の夢・希望
3.高校入学後、科目授業の学習面で頑張りたいこと
4.高校入学後、科目授業以外で頑張りたいこと(部活・生徒会・ボランティアなど)
5.自己PR(入学を希望するにあたって特にPRしたいこと)
※実際の志願申告書の電子データはこちら
書面を見ると分かりますが、志願申告書では、とても自由度の高い質問がされています。
生徒が将来への想像力を持ち、自分の今までの経験を自己分析を行ってでないと、回答することは難しい内容になっています。
チャレンジスクールが求めるのは「自主性を持つ生徒」
志願申告書の内容を確認すると、チャレンジスクールは自主性を持っている生徒を求めていることが分かります。
具体的にいえば、過去に色々な挫折経験があったとしても……
・高校生活を有意義なものにしようとしてる
・高校卒業後の進路を真剣に想像して考えている
・自分の将来に向かって、自ら進もうとしている姿勢を持っている
このような生徒を求めています。
チャレンジスクールの入試内容2:作文について
作文の概要
チャレンジスクールの作文テストでは、下記のような出題がされます。試験時間は50分です。
都立大江戸高校の過去問
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」この文章を読んで、あなたが考えることを書きなさい。その上で、自分自身の夢を実現するために、あなたはどのような高校生活を過ごしたいかを、「理想」「計画」「実行」の三つの言葉を必ず文中に入れ、大江戸高校の特徴に触れながら、合わせて六〇〇字程度で書きなさい。
稔ヶ丘高校の過去問
学校を卒業して、社会に出ると、毎日が本当にわからないことだらけです。どんなふうに仕事をすればよいのか、将来の人生設計をどうすればよいのか。悩みは尽きません。
筋道を考えてよく計画をし、行動しようとしても、作戦どおりにいかないことが、しょっちゅうです。そもそも作戦や戦略を立てて何かをすることが成功するのは、社会の仕組みやルールがよく整備されていて、その中身を完璧に理解できているときだけです。でも社会はそれほど完璧ではない。筋道を立てようとしても、立てようがないのです。
だとすれば、よくわからない社会を毎日生きる上で、もっとも大切なことはなにか。それは「わからない」ということで、簡単にあきらめないことです。逃げ出さないことです。「わからない」から不安だとか、つまらないと思わない。むしろ「わからない」からおもしろいと思えるかどうかです。
(玄田有史「希望のつくり方」岩波書店より)
問題を読むと分かりますが、
「あなたは、どのような高校生活を送りたいか」
「あなたは、将来のことを考え、それに向けてどのような行動をしてきたか・行動するつもりか」
というように、生徒が自主性をきちんと持っていて、その受け答えをちゃんとできるかどうか、問いかけられる傾向が強いです。
チャレンジスクールの入試内容3:面接について
面接の概要
ビーンズの面接対策の様子
志願申告書を提出したら、次は面接と作文による選考が実施されます。チャレンジスクール入試において、面接はとても重要視されていて、配点も高く設定されています。
合否を決める上で、絶対に欠かせない項目となっていますので、面接対策は必須といえるでしょう。
面接の形式
面接の形式は、たとえば以下のようになっています。
▼都立世田谷泉高校の場合
・面接官2人と受検生1人で面接
▼都立大江戸高校の場合
・面接官2人と受験生1人で面接
▼都立六本木高校の場合
・面接官2人~3名と受験生1人で面接
面接時間は、いずれの学校も大体15~20分で実施され、場合によっては延長もあるそうです。
限られた短い時間の中で、受験生は面接官に対し、「チャレンジスクールに入学したい!」という熱意をうまくアピールしないといけないわけです。
学校側(面接官)が面接でチェックしていること
チャレンジスクールの面接官がチェックしていることは、主に下記の通りです。
・きちんと通学を継続できそうな生徒かどうか
・自分の高校生活について希望や期待を持っているかどうか
・自分の将来についてきちんと考えているかどうか
・自分の長所・短所を、把握し、短所については改善しようとしているかどうか
チャレンジスクールは倍率が高く、三人もしくは二人に一人が不合格となります。
そのため、面接官は入学後もしっかり通学してくれて、自分の将来を本気で考えて頑張ろうとしている生徒を厳選して入学させたいと思っています。
「志願申告書・作文・面接」からわかるチャレンジスクールが求める人物像
繰り返しになりますが、チャレンジスクールが求めているのは、高校生活・高校卒業後の進路を真剣に考え、自分の将来に向かって真摯に取り組もうとしている生徒です。
よく誤解されているのですが、チャレンジスクールは単に「今まで不登校だった生徒を受け入れるための学校」というわけではありません。
正しくは、「挫折経験があるけど、将来へ向けて頑張りたいと思っている生徒を受け入れ、様々な経験を積んでもらい、次のステップへ進むための学校」なのです。
確かにチャレンジスクールでは入試の際、科目授業の成績について問われません。
しかしこれまでに紹介してきたように、志願申告書・面接・作文試験は、今までの自身の経験・高校生活の抱負・将来の夢を言葉にすることを必要とします。
場合によっては、通常の科目授業の成績を上げるほうが楽と思われる方もいるかもしれません。
(単純に問題を解くだけのテストはできても、自身の進路についての想像や、自由度を求められる作文、自身の内面を出す面接は苦手という子どももいます。)
また、都立高校の中では倍率も高いチャレンジスクール、じつは狭き門とも言えるかもしれません。
▼参考 令和2年度東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)専門学科・定時制課程(単位制)22[定時制課程単位制総合学科(チャレンジスクール)及び定時制課程単位制普通科(チャレンジ枠)]
学習支援塾ビーンズが実施するチャレンジスクールの対策とは・・・?
そんなチャレンジスクールの入試に対し、学習支援塾ビーンズでは、いったいどのような対策をするのか。それは次回の記事で紹介したいと思います!