不登校・勉強嫌いもAO入試は目指せる④
AO入試で必要な国語力 ービーンズAO対策

学習支援塾ビーンズ 国語力

本記事ではビーンズ流推薦・総合型選抜(旧AO入試)の対策についてご紹介します!(※本記事内では「総合型選抜」を旧来の「AO入試」と呼びます)
今回のテーマは「AO入試で必要な国語力」とは何かの説明と、AO入試へむけて国語力を伸ばしていくコツをお伝えします!

今回も、ビーンズのAO入試/推薦入試対策のリーダーとして活躍し、自身も講師として合格者を輩出し続ける塾長の長澤がお送りします。

長澤啓(Nagasawa kei)
学年ビリから二浪し東京大学へ​入学。ビーンズの活動が楽しすぎ、留年。経済学部経営学科卒。
副代表として、講師の採用育成プランの策定・外部協力者との渉外・経営企画までマルチにこなしながら、日々「ビーンズメソッド」を洗練させている。
さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者さまと月100件以上やりとりを実施。趣味はビールを飲みながら出汁巻き卵をつくること。

■インタビュー/詳しい自己紹介
学校の勉強についていけなかった僕が東大に合格するまでと親と対立した日々について
勉強へのやる気が出ない中学生を変えるために親ができることを学習支援のプロに聞きました
プロに聞きたい!不登校や勉強嫌いな中学生・高校生が進路を選ぶタイミングで、親に何ができるの?

AO入試で必要な国語力!

AO入試に一番大切なのは「国語力」と、ビーンズではお伝えしています。
今回はAO入試と国語力について深掘りしてお伝えしていきます。

AO入試で必要な3つの国語力

AO入試で必要な国語力とは、以下の3つに分類されるとビーンズでは考えています。

AO入試で必要な3つの国語力

語彙力
言葉の背景にあるイメージをどれくらい持っているか、固有名を知っているか。言い換えると「どれくらい世界を知っているか」です。
特に社会課題に関連する用語の意味とイメージ、人物名や事件名といった固有名を知っていると、論文・面接どちらでも有利になります。

質問に答えられる力
課題文の内容を理解し、踏まえつつ、自分の意見を書ける力のことです。
自分の言いたいことだけ言うのではなく、課題文が何を伝えようとしているのかを、捉えられるかが大切になります。

文章を構成する力
自分の意見を言うときに、どんな筋書きにすれば、相手に伝わりやすいかを考える力のことです。

ここからは「3つの国語力」が、なぜAO入試に必要なのかをお伝えするために、AO入試の内容についてお話していきます。

AO入試の「ES(エントリーシート)」系課題

AO入試のES系課題とは、具体的には以下のようなものになります。

文京学院大学 受験生サイト Switch on! より以下引用

活動報告(400字)「これまでに力を注いできた活動内容」
志願理由(400字)「本学学部を志望した理由」

「活動理由書」と「志願理由書」、この2つ合わせて

「ES(エントリーシート)」系、課題とビーンズでは捉えています。

AO入試の「課題文を読み、自分の意見を書く」系課題

次に「課題文を読み、自分の意見を書く」系の形式があります。なお、ビーンズでは「模擬授業を受けて、その場でレポートを書いて提出する」タイプのAO入試も「課題文を読み、自分の意見を書く」の仲間として捉えています。

慶應義塾大学 法学部 <2017年度 FIT入試問題>

1887年、ポーランド人のルドヴィコ・ザメンホフは、異なる母国語を持つ人びとの間でコミュニケーションを容易にするために「普遍的な言語」、エスペラント語を考案しました。
ところが、130年ちかくたった今も、エスペラント語の話者は期待されたほど増えず、その数は200万人を超えないといわれています。
もしエスペラント語が当初の思惑どおり世界中に普及していたら、世界は変わっていたでしょうか。あなたの考えを400字程度で述べてください。

※FIT入試とは、慶應義塾大学 法学部のAO入試のこと

文京学院大学 総合選抜

セミナー課題
テーマ①②のうちから1つを選択し、自分の考えを課題用紙に記入し、提出する。また、5分のプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションの導入部分(初めの30秒程度)は英語で行うこと。準備してきたメモや課題のコピーを参照することは可能ですが、すべてを読み上げることのないようにすること。

【テーマ①】情報技術の発展とグローバル化
技術革新が進み、SNSやバーチャル・リアリティ(VR)が日常生活に浸透してきています。
SNSやVRの普及は、グローバル化にどのように影響を与える可能性があるでしょうか。根拠を示しつつ、あなたの考えを述べてください。

【テーマ②】外国人との共生について
近年、日本では外国人労働者を受け入れていく政策が打ち出されています。その背景について説明し、外国人と共生していくた
めにはどのようなことが必要か、あなたの考えを述べてください。

小論文
課題文を読み、比較した上で、自分の意見を800字以内で記述

【出典】
高村ゆかり
「脱・炭素へ今すぐ行動」
『石炭火力は続けられるか』
令和元年5月16日  日本経済新聞から一部編集

杉山大志
「優れた経済性、なお必要」 『石炭火力は続けられるか』
令和元年5月16日 日本経済新聞から一部編集

(ここまで引用 文京学院大学 受験生サイト Switch on!

AO入試の「プレゼン・発表系」課題

最後に「プレゼン」課題です。
よくあるパターンとしては事前にお題を出され、そのお題について面接官の前で発表するものです。
お題は、社会についての事柄や受験生自身についての事柄など、内容は様々ですが、上記、3つの国語力が必要です。

プレゼン対策については、入試における「発表(プレゼン)」のコツをご覧ください。

プレゼン時、スライド(パワーポイント)を使う場合もあります。
スライドの作り方は、プレゼンのスライド作り方のコツをご覧ください。

AO入試へむけ、国語力を伸ばしていくコツ

ここまでご覧いただき、AO入試には「3つの国語力」が必要ということがお分かりいただけたかと思います。

次に、この3つの国語力の内、何から伸ばすべきか、ご家庭でどう伸ばしていただきたいかをお伝えします。

「語彙力」からご家庭で伸ばす

「語彙力」についてのエッセンスを1分でまとめました!(タイトルは社会になっていますが大丈夫です)

最初にご家庭で伸ばしていただきたいのが、「語彙力」です。

一般的な中学生・高校生は語彙力がない場合が多いです。
この場合の語彙力というのは、漢字が読める、書けるとかではなく、ある語彙に対してどれくらいのイメージが持てるかということです。

中学生・高校生は社会との接点が少ないので語彙と、語彙の後ろに広がるイメージを結び付けられないのです。

もちろん、語彙の意味はネットを使えば調べることができます。

しかし、語彙の意味を調べても、読めても、意味は分からない・イメージがつかないという状態になってしまいます。

この「語彙を読めても、意味は分からない・イメージがつかない」という状態はどんな状態なのか。

上記の「グローバル化とはなんぞ?」という質問では、「グローバル化」という言葉に紐づいている様々なイメージを持っていることが大切です。

しかし、国際系の大学・学部を志望している大学受験直前の受験生ですら「グローバル化って何?」と聞いても、

「世界的な……?」「旅行に行きやすい……?」といった浅い答えしか返ってこない場合が多いです。

今、お話ししている語彙に紐づくイメージとは、言葉にひもづく絵や風景のことです。

例えば大人であれば、「グローバル化」という言葉の裏にある様々なイメージを思い浮かべることができますよね。

 

ある人は、「目の前にあるiPhoneもグローバル化の象徴だよなあ」というイメージを思い浮かべるかもしれません。

ある人は、「アメリカ経済が日本の株式市場に影響を及ぼす」イメージについて思い浮かべるかもしれません。

ある人は、「新宿区は外国にルーツのある方たちが区民の10%以上を占めるんだよなあ……」と思われるかもしれません。

ある人は、海外旅行や海外出張で感じたこと、見た風景、話した相手の顔を思い浮かべるかもしれません。

確かに「グローバル化」という言葉自体は中学1年地理で習います。

ただ、学校という環境の中で、子どもたちが実際に見たり、触れられたりできるものの中で「グローバル化」を感じられるものは少ないのです。
(本当は「グローバル化」も「少子高齢化」も「難民問題」も、注意深く眺めると教室の中に潜んでいるのですが、見えづらい構造にあります)

結論です。「グローバル化」などに代表される、中学生・高校生が「あ、知っているよ」といっている語彙も、その語彙に背後にあるイメージがほぼない場合があります。そして語彙力を伸ばそうと思ったとき、学校の教育任せにするのは効果が出づらいです。

ぜひご家庭で語彙力、語彙の背後にあるイメージ量を増やしていきましょう!

ご家庭で語彙力を伸ばすコツについては、「ご家庭で語彙力を伸ばす際の3つの注意点」(別タブで開きます)にて詳しくお話ししていますので、ぜひご覧ください。

大学のアドミッションポリシーと語彙

大学のアドミッションポリシーがAO入試で大切だと知って、アドミッションポリシーの文言を丸暗記しようと苦労している受験生がたくさんいます。

もちろん、アドミッションポリシーに書いてある内容や、重要な文言を覚えること自体は良いことなのですが、一言一句丸暗記するのは違いますよね。本来アドミッションポリシーの内容を他人に説明できて、かつそこに自分がなぜこの大学に入学したいかを紐付けて語ることができればいいはずです。

にもかかわらず、アドミッションポリシーをなぜ丸暗記しようとするかというと、語彙力がないからです。

アドミッションポリシーには、高校生にとっては難解な語彙が使われている場合があります。

1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は,国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる「世界的視野をもった市民的エリート」(東京大学憲章)を育成することが,社会から負託された自らの使命であると考えています。このような使命のもとで本学が目指すのは,自国の歴史や文化に深い理解を示すとともに,国際的な広い視野を持ち,高度な専門知識を基盤に,問題を発見し,解決する意欲と能力を備え,市民としての公共的な責任を引き受けながら,強靭な開拓者精神を発揮して,自ら考え,行動できる人材の育成です。
そのため,東京大学に入学する学生は,健全な倫理観と責任感,主体性と行動力を持っていることが期待され,前期課程における教養教育(リベラル・アーツ教育)から可能な限り多くを学び,広範で深い教養とさらに豊かな人間性を培うことが要求されます。この教養教育において,どの専門分野でも必要とされる基礎的な知識と学術的な方法が身につくとともに,自分の進むべき専門分野が何であるのかを見極める力が養われるはずです。本学のカリキュラムは,このように幅広く分厚い教養教育を基盤とし,その基盤と有機的に結びついた各学部・学科での多様な専門教育へと展開されており,そのいずれもが大学院や研究所などで行われている世界最先端の研究へとつながっています。

引用 東京大学アドミッション・ポリシー

上は東京大学のアドミッション・ポリシーですが、たとえば「世界的視野をもった市民的エリート」でいう「市民」とは、いったいどんな人物なのか?(〇〇市の市民……ということではないのです)

一般的な高校生だと、まったくイメージがつかないのではないでしょうか。

もし、ここまで読んで「それは東大だからでしょ~」と思われた方もいるかもしれませんが、多くの大学のアドミッション・ポリシーも一般的な高校生だとイメージが湧きづらい内容、語彙を含む場合が多いのです。

「質問に答えられる力」は雑談から

次の「質問に答えられる力」を育てるのは、”会話”です。

親子でニュースを一緒に見て、それについて、子どもから意見を言ってもらう等が、定石です。

ご家庭を絶対安心の場」にできて、子どもがニュースに対して自分の意見を言うことに慣れてきたら)

「(意見をいうときは)結論から先にいえ」と伝えると、さらによいです。やりかたは簡単で、自分の意見を言う際に、「結論⇒結論のあとに理由」の順に言ってもらうだけです。

<例>ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見て……

保護者:ロシア怖いね~……。ちなみにあなた、戦争ゲーム好きだったよね?戦争ゲーム的には、この侵攻どうなの?

子ども:いやまず、ロシア軍ってAK-12っていう銃を使ってるんだけど、昔はAK-47っていう銃を使ってて……

保護者:お!いい意見が出てきそうだね!そしたら結論から先に言ってみよっか! その次に理由ね。

子ども:う~んと……ロシア軍は結構強いと思う。だってさ~……

また、子どもに自分の意見を言ってもらった際、「その話題が好きなら、○○系の勉強をしなさい!」と言ってはいけません。

エッセンスを1分動画でまとめました!

なぜなら、中学生・高校生にとって、どんなに好きな話題でも、親から勉強と結びつけられてしまうと一瞬で冷めてしまうからです。

例えば、上記のロシアの銃器が好きな中学生・高校生に「じゃ、ロシアや二次大戦~冷戦の歴史を学ぼう」など言ったら、地獄みたいな雰囲気になってしまうので、本当に注意してください(笑)

「この子の将来につなげてあげたい……!」そんな気持ちをまずグッとこらえて、まず子どもにとっての「楽しさ」を意識しましょう。

子どもは、興味のある情報には大人が驚くほどの深堀りをする力を発揮します。
その情報について深く知ってもらうのは、お子さん自身に任せてみませんか?

保護者さまには、ぜひともお子さんに「楽しく」興味を持ってもらうことを集中してみてください。

さきほどの大学側のアドミッションポリシーを覚える際も、「アドミッションポリシーを読んで、アドミッションポリシーにこう書いてあるから、私は、この大学はこういう人材を求めていると思った」と答えてもらえるようになるとベストですね!

ご家庭で語彙力を伸ばす際の注意点についても、「ご家庭で語彙力を伸ばす際の3つの注意点」(別タブで開きます)にて詳しくお話ししていますので、ぜひご覧ください。

 

【ご注意】ご家庭で「国語力」を上げる前に……

とはいえ、思春期の中学生・高校生と家庭で、この「質問に答えられる力」を育てるのは、なかなか至難の業です。

そもそも思春期の中学生・高校生にとって、質問とは「自分事」です。
面接のために、自分について質問され、自分について回答しなければならない。そんな自分事には、人間だれしもストレスを感じてしまいます。

そんなストレスに向き合うお子さんのために、まずは、ご家庭を絶対安心の場にすることが、最重要のインフラになります。

子どもは、

「何かに失敗したとしても、家に逃げ込むことができるから大丈夫」

「何かに疲れても、家で休むことができるから大丈夫」

という確信を持てて初めて、ご家庭の外でチャレンジ・努力ができるのです。

そのうえで、もしお子さんが「挑戦期」に入っているという条件を満たしていれば、上記の施策を試してみてください。

 

「文章を構成する力」はプロに任せる

「文章を構成する力」は、ご家庭でお伝えするのは正直難しいと思うので、ビーンズのように国語に力を入れている塾の力を借りるのがいいと思います。

もし、ご家庭で文章構成力を高める場合、最初は、とにかくシンプルに以下の流れで文章をつくる練習をするとよいと思います。

 結論(自分が言いたいこと)⇒ 理由(結論を導いた理由)⇒再主張(結論を繰り返す)

【ビーンズ流】総合型選抜(旧AO入試)の対策について

総合型選抜(旧AO入試)対策についての記事はこちらからご覧ください!

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