小中不登校→チャレンジスクールから美大入試・自己分析と大学推薦入試編

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前編「小学校・中学校不登校から、ビーンズでの青春経験、そして高校入試突破」では、祥さん(仮名)の小学校・中学校での不登校経験、ビーンズとの出会い、青春エピソード、そして高校受験までのエピソードをお伝えしました!

後編にあたる本記事では…

祥さんが高校生活をどう過ごしたのか、

自分の進路をどうやって決めたのか?

大学受験はどうだったのか?

そして今どんな大学生活を送っているのか?

…を、お伝えしたいと思います!

塾のよくある合格者体験談のような記事ではありません。
美談ではない波乱万丈なストーリーをお届けします。

なお、本記事から読まれても大丈夫です。

高校時代

――さて、いよいよ高校に進学するわけですが、高校生活はどうだったんですか?

祥:高校では、最初に親友と言える仲のいい友達ができて。
1年はその子とずっと一緒にいて、2年以降、その子も含めて、どんどん交友関係が広がりました。
ちなみに、その親友とは今も遊びに行くくらい仲良しです!

勉強も好きだったので高校でも趣味みたいな感じで楽しくできました。
知識を得れば得るほど、大好きな映画鑑賞の考察が深まるからほんとに楽しくて!
先生もその姿勢を受け止めてくれて、めちゃくちゃ仲良くなりましたね!
先生と仲良くなれたからこそ授業外でもいろんなこと教えてくれて、中にはマンツーマンで指導してくれる先生もいました。

それが成績に結果として出てきて、評定4.9でした!(笑)

小中では学校での生活を送れなかったので高校ではそれを取り返せた感じがありますね。

――高校生活は充実してたんですね~!評定もすごいですけど、それ以上に、先生・友達ともいい関係性を築けたのは嬉しいですね!

大学受験

大学受験へのモチベーションが出ない!

――評定も高い、友達もいる。知識欲求もある。祥さんの高校生活は、順調なのようにみえるのですが、その後の大学や進路選びはスムーズに進んだんですか?

祥:それがそうでもないんです。

大学には行きたいと思ってたけどなかなかノラなくて、先生にも色々と大学紹介してもらってたけど根からいいなとは思えてなくて。

最初は中学校でオープンキャンパスに行った慶應SFCに行きたいって言ってたんですけど、今思うと、本能的に行きたいわけではなくて頭で考えてSFCって言ってましたね。

実際にオープンキャンパスにも行ってみたり、それ以降も自分で勝手に情報収集したり、ビーンズの授業でも先生たちに相談したりと、色々な機会を通じてSFCの魅力を感じてはいたのですが、なぜか気乗りしない......

この時は

「この大学だと他人にどう思われるか」
「この大学だと学歴的にどうか」

と、考えた上で大学を選ぼうとしていたので、中々気持ちがついていかなかったのだと思います。

成績が良いから指定校推薦を考える。
でも、指定校では行きたい大学がない。
じゃあ、一般入試にチャレンジするか?
せっかくいい成績とれてるのに推薦を使わないのか……

と、グルグルしてたので、モチベーションも高くなりません。

正直、全然身が入らなかったです。

美大との出会い。自分の行きたい大学はここだ!

長澤啓

――「受験やってやるぞ!」ってなかなか前向きになれないですよね。勉強もワクワクしなくなるというか…。そんな中、どうして今の美術大学を選んだんですか?

祥:大学受験は、進路選びから、ほんっとにビーンズの力を借りましたね。

自分自身を深掘りしていく自己分析と、自己分析の内容を言葉にしていく過程では、長澤先生に色々サポートしてもらいました。ほんとに感謝です。

最初意識していた慶應SFCは、3教科あって準備してたけど全然対策が進まなくて。

全然のってないのが先生からもみても分かっちゃってましたし、私自身も薄々気づいていました。

そんな中、「このままじゃいかん。とりあえずもう1回大学を見に行こう!」と思って、SFCと美大に足を運んで。
そのとき、美大のインパクトが凄くて惹かれたんです!

門くぐった瞬間に、「あ、ここいいな!」ってピンときて。それで気になり始めたのがきっかけです。

逆にSFCは門までいったけど「なんか違う……」みたいな感覚があって。
学校の周りとか藤沢とか辻堂の雰囲気は好きだったんですけど、通っている学生の表情とか雰囲気的に自分とはどこか合わないなって感じました。

私が志望した学部は、まだ卒業生がいないくらいの新設学部で、「進路実績」もない状態だったけど、
「進路実績なくても、いい。それでも行きたい!」って思えたし、直観を大切にして理屈や就活のことを考えずに決めれてよかったです。

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――要はビビっときちゃったんですね(笑)。なんか恋愛と一緒ですね。 それから美大に切り替えて受験勉強していったんですか?

祥:美大に第一志望を切り替えてから対策が楽しくなりました。

美大の課題が創造力を働かせて、己のアイデアを書き出せ!ってものだったので自分の性に合っていて楽しかったです。

まあ学習計画書は、最初全然かけなくてめちゃくちゃ手伝ってもらいましたけど…!

そこからSFC受験は辞めて、美大だけ受けようって絞ったので、生きるか死ぬか的な切迫感はありましたね。

もし推薦に落ちたら、それでも一般受験で、その美大を受ける覚悟でした。

万一、一般受験にも落ちたら…。その時のことは考えなかったです(笑)。

本気で「ここに行きたい!」って思ってたし、それ以上の大学はないと確信してたので、追い詰められてた感じはありながらも必死で頑張りました。

――志望校1本に絞るってすごく勇気がいりますよね。具体的に受験の準備はどんなことをしたんですか?

祥:短い期間だったけど試験当日に向けて大学のことをこれ以上にないくらいめちゃくちゃ調べました

最後の1ヵ月半はほんとに頑張ったって思ってます。

課題に関しても長澤先生が出してくれる類似問題を時間内に解けるか何度もチャレンジし、フィードバックをもらいました。

やるって決めてからはそこまで自分に甘えず頑張れたなって思ってます。

「落としたら呪う」くらいの気概で臨んだ試験当日

――受験の準備は短期決戦で詰め込まれたんですね。それで実際、試験当日はどうでしたか?

祥:当日、練習してた問題とほぼ同じ問題がでたんです!
だからもう「これは来た!」と思って、サクサクかけてすごくいい出来だったなって自分で思いました。
それが自信になって2日目の面接も「いや、私が一番」って思えるくらい自信をもっていけたのがめっちゃよかったなって思ってますね。

まあ後は、私は絶対入りたいんだから落としたら呪ってやる!くらいの気概でいきましたね(笑)

――「落としたら呪う」って思えるくらいに、本気で大学のことを調べて、受験対策をしたのは、すごいです。
あ、あと、祥さんが自分と合う入試スタイルの学校を選べたのも、すごくよかったんだなって感じました!

祥:確かにそれは大きいかも!

そして運命の合格発表

祥:とはいえ合格発表まではすごく不安でした。

そもそも自分の中に「大学信仰」はすごくあって。

小学校、中学校の不登校の経験もあるから、「これで落ちたら・もし大学にいけなかったら、人生やばい」っていう恐怖心やプレッシャーは常にありましたね。

――そうですよね……。プレッシャーですよね。結果は分かってるんですけど、合格発表のときはどうしたんですか??

祥:合格発表は、ネットで見れるんですけど。
私は寒空の下、大学キャンパスにわざわざ行って、不合格でもできるだけ落ち込まないように大好きなアンマンを握りしめて、「落ちたら呪う!」て最後に念じて(笑)
そして、意を決して、そして結果を見にいきました。

長澤啓

合格後、教室でお祝いしました

大学受験を通しての自分の変化

――当日の呪うスタイルの面接の印象がめっちゃ強いけど(笑) 実際、大学入ってみて今感じてることはありますか?

祥:色々ありますね~!

今大学も入って夏休みになって思うのは、

【視野が広がった】
大学に入って、逆にやりたいことがなくなったんです。
「なに言ってるの?」と思われるかもしれないので説明しますね(笑)。

大学入る前は、「こういうことをやろう」「あんなことに挑戦しよう」といくつかのプランを思い描いていました。
それが大学入って、いろいろな授業や経験をする中で「いや、高校までの私の経験なんてちっぽけだし、世界は広いぞ」と気づいてしまった。
なので、それまで立ててたプランが吹き飛んでしまったんです(笑)。

経験の幅が広がることで、色んなことに関心を持てて、いい意味で高校までにたてていた目標が一旦リセットされたんです。
なので、今は夢とか、やりたいこととかは明確にはないんですが、視野が広がったな~って感じますし、「何でも見てやろう」という気持ちで、まだまだ視野を広げて、経験を積んでいきたいなと。

【今までの失敗経験やトラウマ・辛かったことが制作につながる確信がうまれた】
制作だけじゃなくて友達との会話、企画を練るときに、同じテーマでやっててもトラウマのあるなしで違うアウトプットになる。

自分は失敗経験が多い。
制作で、そして人生でも(笑)

でも。だからこそ、周りで「失敗したな」って思っている人に適切な対応ができると思っています。

それが私の武器になってるなって、今感じる事が多いです。
なにより、自分の失敗体験は、絵を描くときのテーマにもなります(笑)

大学受験も今の勉強も何やってもフィードバックや批判はされるし、それはしんどいんですけど、しんどい中に成長を感じられてます。
一生懸命向き合ってるからこそしんどさを感じるし、その分成長もできるのだと思います。
だから、その中に楽しさを見出すのがめっちゃ大事だなって。
受験もその課題自体が楽しかったからやれたなって思うし、今の勉強もしんどいけど楽しい部分を見つけていけると強いなと思います。

あとは、自分なりの現実逃避方法を持ってるといいなって〜。
私の現実逃避方法は、髪質改善だったんですけど(笑)

こんな髪が綺麗なのに落とすのか!」みたいな謎の自信に繋がってました!勉強とか受験に直接関係ない部分でも、自分の自信につながることをやるのって大事だなって思いますね。

今後の展望

小中不登校→チャレンジスクールから美大入試・自己分析と大学推薦入試編

――素敵ですね!最後に、これからチャレンジしたいことを教えてください。

祥:特にこれって決まってるわけではないけど、私は全然それでいいと思ってて。
(「夢がないとだめ!」なんてことない!)

ただ、「これできるようになりたいなー」っていうのは色々あって。

例えば「アドビのソフト使えるようになりたいな~!」とか。

「この授業の先生のいってることちゃんと理解したいな~!」とか。

そういった細かいできるようになりたいことのために、ネットや本で情報を調べて、試してみて、また調べていく…のを繰り返していきたいと思っています。

そういう小さい努力や前進や変化を大事にしていきたくて。

以前、大学の先生が、いろいろな素材を寄せ集めてつくるモザイクアートを例に挙げて、「凡人が天才になるには、天才が作った素材を寄せ集めて再構成して新しいものをつくればいい」って言っていたんですね。

私も私の中にある小さな素材を集めたり、もしかしたら私の外にある誰かの何かとつながったりしながら、気づいたら大きな作品をつくってた……みたいな生き方が出来たらいいなって思っています。

――確かに…!めっちゃ深いですね!これからの祥さんの活躍に期待してます!

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