不登校・ひきこもりを改善するための第一歩はお子さんの「自尊心」を回復すること!
こんにちは! 「不登校・勉強嫌いの子どもたちのための塾」ビーンズの塾長・長澤です。
長澤啓(Nagasawa Kei)
学年ビリから二浪し東京大学へ入学。ビーンズの活動が楽しすぎ、留年。経済学部経営学科卒。
ビーンズが積み上げてきたノウハウを「ビーンズメソッド」として文字化し、より洗練するのがメインのお仕事。さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者とのコミュニケーションにも注力。保護者さまと月100件以上やりとりをしながら、ビーンズ流の保護者さまサポートを拡充中。最近は塾長として、講師の採用育成プランの策定・総務(経理)・経営企画までマルチにこなす。趣味はビールを飲みながら出汁巻き卵をつくること。
■インタビュー/詳しい自己紹介
プロに聞きたい!不登校や勉強嫌いな中学生・高校生が進路を選ぶタイミングで、親に何ができるの?
今回の記事では、「自尊心」の大切さについてお話ししていきます。
(なお、本記事は、2016年6月19日に公開した内容を長澤が加筆し、公開しています)
もくじ
不登校・ひきこもりを改善するための第一歩はお子さんの「自尊心」を回復すること!
学習支援塾ビーンズでは、不登校・ひきこもりの中学生・高校生のお子さんの状況を改善していくための第一歩として、
子どもたちの「自尊心を回復すること」が大切だと考えています。
ビーンズでは「ありのままの自分を尊重し、自分で受け入れる」という状態を「自尊心がある状態」としています。
なぜ、不登校・引きこもりの状況改善に自尊心の回復が必要なのか
ビーンズにくる中学生・高校生(時に小学生の)お子さんたちに共通するポイントとして、過度なネガティブ思考になっていることが挙げられます。
これは、不登校・ひきこもりなどの挫折経験を持っているお子さんであっても、なくてもです。
例えば、学校へ通い、クラスで中心的な役割を演じている、友達もいる……
そういった中学生・高校生でも、話をしていくうちに、様々な物事や、自分自身に対して過度にネガティブに捉え方や考え方をしていることが分かる時があります。
そしてそれが、
・状況改善への機会は目の前にあるのに、それへ向けて行動を起こせなくなっている
・自分の進路を考えだすとつらくなってしまう
・自分の好きなことへ取り組むことにブレーキをかけてしまう
それぞれ、外から見ると能力や意欲があるにもかかわらずにこのようなことが起きています。
たとえば、自尊心の低い状態のお子さんが、学校に行こうとしたり、勉強を始めようとしたりするとどうなるか。
過去の辛い思い出が脳裏をよぎってしまいます。
そして、不安がこみ上げてきて、行動をやめてしまいます。
子どもによっては、そんな自分自身に嫌気がさして自暴自棄になってしまいます。
今までも、
「今までの写真が写っているアルバムをすべて捨てたい!」とか、
「自分には最悪な思い出しかない!」とか
「これからもずっと自分は成功することはない!」とか
投げやりになってしまうお子さんがたくさいんいました。
自尊心が低い状態の子どもたちの特長
・ちょっとしたきっかけで嫌な記憶を思い出す
・楽しかった記憶もあるのに思い出せない
・自分の人生は嫌なことばかりだったからこれからも失敗が続くと思いこむ
・自分には長所や誇れるものはなく、無価値である。だから成功もないと思いこむ
・何かを始めようとしてもネガティブなイメージが先行して行動できなくなる
そんな状態のお子さんに対して、
「学校に行って!」とか
「進学して!」とか
と声がけをしても、暖簾に腕押しです。
なぜなら、自尊心が低い状態の子どもたちは「自分には価値がない」と考えているからです。
「そんな自分が頑張ったところで、何も結果は出ない。無意味に終わる。」と決めつけています。
だから頑張ることができません。
自分の将来のことを考えるなんてことは、もってのほかでしょう。
そして…… これはビーンズに来る子どもたちだけの問題ではありません。
日本の中学生・高校生の多くが自分の将来を考えることがツラくなってしまっているのです。
(日本の高校生の多くが自分の将来を考えるのがツラい!? データで見る「多くの中学生・高校生は「進路のことを考えるのが不安」について)
このように自尊心が低い状態の子どもたちは、
自分がなにをしてもムダだと考えており、その結論から抜け出せない“悪循環”に陥ってしまっているのです。
この“悪循環”の状態だと、
・塾に来る
↓
・分からない問題に出合う
・本人は簡単だと思っている問題で、たまたま間違う
↓
・「自分だけが分からないのではないか」(本当は、そんなことはないのですが)
↓
・「やはり、自分には価値がない」と認識を強めてしまう
や
・進路を考える時期になる
↓
・「自分は価値がない人間なのだから、夢を言っても無駄だ」と考える
↓
・本当は好きなことがあるのに、「好きなことなんてできっこない」と決めつける
↓
・進路選びから逃げる
という“悪循環”にはまってしまいます。
自尊心が低い状態だと塾で“宿題”が出せない?
お子さんがこの“悪循環”にはまっている・自尊心が低い状態だと、ビーンズでは原則としてお子さまへ“宿題”を出さないことにしています。
なぜなら、“宿題”を出して、「家で分からない箇所があった」 「宿題ができなかった」となってしまうと、
「やはり私はダメなんだ」
「宿題もできないような恥ずかしい状態で講師と会うわけにはいかない」
と、思ってしまい、塾に来れなくなってしまうからです。
では、「宿題の量を減らしたり、簡単な問題にすればいいのでは?」と思われるかもしれません。
ここが落とし穴なのです。
自尊心が低い状態のお子さんに、宿題の量を少なくし過ぎたり、レベルを下げてすぐ解ける簡単な問題を宿題にしたりすると、
・「宿題の量が少ない/すぐ解けるレベル問題 ということは、私は頭がよくないと思われている」
・「宿題の量が少ない/すぐ解けるレベル問題 ということは、私は努力ができないと思われている」
・「宿題の量が少ない/すぐ解けるレベル問題 ということは、このまま勉強しても、たいして成績は上がらないから無駄だ」
と思い悩み、やはり塾に来れなくなるのです。
自尊心の回復は、子どもたちにプラス思考をさせて、不登校・勉強嫌いなどの根本的な改善に繋がる
ビーンズでは、お子さんの自尊心の回復を大切します。
自尊心の回復に従い、お子さんは徐々に今の自分を受け入れるようになります。
自尊心が回復してきたお子さんの特長
・自分にはなにかしら長所があると考える
・自分はなにかしら価値のある人間だと漠然と思える
・苦手なことも努力すれば良くなると考えている
・間違いや失敗をしても、気にしなくなり、色んなことに取り組んでいけるようになる
このような状態になっていきます。
自分に価値があると思えてくると、「ばく然と、自分なら大丈夫だ!」と思えるようになります。
この「ばく然と自分なら大丈夫だ!」の状態にお子さんがなったときのことを、ビーンズでは「安定期」と呼んでいます。
(「安定期」の詳しい説明は、こちら 「ビーンズ4つの時期」・ビーンズで元気になった子どもの事例 をご覧ください)
この状態になると、子どもたちは自分の将来などを徐々に考えることができます。
ここまでくると、
・科目勉強の間違いも気にしなくなる
・仮に何かに失敗しても次上手くいけばいいやと思考の切り替えが早くなる
・宿題をしてこなくても堂々と、塾に来る(笑)
あらゆる場面において、良い意味での“開き直り”ができるようになります。
どのように子どもたちの自尊心を回復すればいいのか
このように、自尊心の回復は、挫折経験からの立ち直りに絶対に欠かせないポイントなのです。
この記事を読んでいる方の中には、「プラス思考なんて、生まれ持っての性格なんだから変えられないんじゃないの?」と思われる方は多いかもしれません。
しかし、世の中を見渡せば、「昔の自分はイケてなかった。でも●●をきっかけに自分は変わった」というように、性格の変わった(性格を変えた)事例は珍しくありません。
イメージがつきにくい方(かつ大人の方は)は、同窓会を想像してみてください。
「昔は地味だった人が、こんな派手になった」といった経験をされた方は少なくないですよね。
手順を踏んでいけば、お子さんの自尊心は回復していきます。
具体的にはどのような授業をするのかは、こちらの記事で紹介しております。ぜひ参考にしてみてください!
この記事を読まれた保護者さまの中には、
「私たちには何ができるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
お子さまの不安やイライラを減らし、自尊心回復へのエネルギーをふやしていくために覚えていただきたいことは、
「ご家庭を絶対安心の場」にすること。
そして、そのためにご家庭での「雑談量を増やす」ことです。
詳しくはこちらの記事をご覧くださいご家庭を「絶対安心の場」にする意義について
(外部サイトですが、こちらの記事も参考になるかもしれません「中学生が不登校になったとき親にとってほしい3つの対応策【不登校支援の専門家インタビュー②】」)
とはいえ、保護者さまだけで、思春期になった中学生・高校生のお子さまとの関係を一から作っていくとなると大変ですよね。
ご不安な保護者さまは、ビーンズの”無料相談”をご利用ください。
ビーンズが今まで関わってきた、保護者さま・お子さんたちの豊富な事例から、
「お子さまが自尊心が低くなっている構図」
「お子さまと似たような原因で自尊心が低くなっている生徒の事例」
など、ブログではご紹介しづらい内容も踏まえて、アドバイスいたします!
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また、ビーンズの授業や子どもへの接し方の基本的な方針をお知りになりたい方は以下の記事をご覧ください。
ご家庭でのお子さまへの接し方へのヒントがあるかもしれません。