ご入塾にあたって 「悩める10代」の状況改善のため、ビーンズから保護者さまへお願いしたいこと
この記事では、ご入塾前の保護者の皆さまに向けて、ビーンズから保護者さまにお願いしたいことをまとめました。
ご入塾を決められた保護者さま・ご入塾をご検討中の保護者さまは必ずご確認くださいますようお願い申し上げます。
長澤啓 Nagasawa Kei
学年ビリから二浪し東京大学へ入学。ビーンズの活動が楽しすぎ、留年。経済学部経営学科卒。
ビーンズが積み上げてきたノウハウを「ビーンズメソッド」として文字化し、より洗練するのがメインのお仕事。さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者とのコミュニケーションにも注力。保護者さまと月100件以上やりとりをしながら、ビーンズ流の保護者さまサポートを拡充中。最近は副代表として、講師の採用育成プランの策定・総務(経理)・経営企画までマルチにこなす。趣味はビールを飲みながら出汁巻き卵をつくること。
■インタビュー/詳しい自己紹介
学校の勉強についていけなかった僕が東大に合格するまでと親と対立した日々について
もくじ
入塾前にご了承・ご承知おきいただきたいこと
4つの時期とそれぞれの時期でやること
お子さまは「4つの時期」と呼ばれる時期を通して成長していきます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
状況改善には時間がかかります
「復学する」「勉強できるようになる」「志望校合格に向けて努力する」「笑顔で元気に過ごせるようになる」……どんな目標にせよ、子どもたちが目標達成に向けて進む道のりはみんなばらばらで、その長さもさまざまです。
同じ目標を達成するのに3年かかる生徒もいれば、3ヶ月で達成してしまう生徒もいます。
私たち大人は、目標を立てて、その実現のためにある程度「逆算」して行動することができます。
しかし、子どもたちはそうではありません。と、いいますか、それができていたら苦労はしていないはずです。
保護者さまから見ると、そんなお子さまの様子を見るとじれったく感じてしまったり、不安になってしまったりされることもあると思います。
「あと半年で受験なのに、ぜんぜん勉強している気配がない」
「卒業目前なのに、まだ進路について考えるようすがない」
「ビーンズに1年通ったのに、勉強ができるようにならない」
といったように、です。
結論を言うと、お子さまの成長・状況改善は大人や世間の都合のいいように進むとは限りません。
考え、行動するのはお子さま自身ですから、状況が進んでいくのはあくまでお子さまのペース、ということになります。
「そんなこと言っても受験は半年後! 時間は、世間は待ってくれない!」
そう不安に思われるかもしれません。
でも、当事者であるお子さまは、(外からそう見えなくても)もっと不安を感じています。
そしてその不安のせいで、より身動きがとれない状態になってしまっているのです。
ビーンズでは、お子さまのペースに合わせて、「身動きがとれない状態」から解放してあげることを優先しています。
そして、お子さまとビーンズの間に確かな信頼関係を築くことができて、《挑戦期》に入ったら、そのときに初めて「目標に向かってがんばる」ことをお手伝いさせてもらいます。
保護者さまにはどうか、「状況改善には時間がかかる」ことをご承知おきいただき、どっしりと構えていただければと思います。
とはいえ、保護者さまもひとりの人間です。お子さまを愛していらっしゃるからこそ、お子さまの将来について、ずーんと不安になる日もあります。
「保護者さまをひとりで不安にさせない」
ビーンズの「保護者相談制度」はこのために存在します。ぜひ、ご活用ください。
保護者さまのご要望に応えられないこともあります
ビーンズはオーダーメイドの塾です。保護者さまからのご要望には出来る限りお応えします。
しかし、プロとして保護者さまからのご要望をお断りすることもございます。
ビーンズがお断りすることが多い保護者さまからのご要望をお伝えしておきますね。
■子どもの勉強が遅れているから、科目勉強をガンガンやって欲しい
最悪、お子さまがビーンズに来れなくなってしまう可能性もあります。
お子さまにとって負荷の大きい進路指導・受験勉強・検定対策は《挑戦期》になって初めて行うことができます。
逆に挑戦期に入った生徒は、驚くほど難易度の高いチャレンジができるようになります。ぜひそのタイミングをお待ちいただければと思います。
■他塾・学校での勉強がトラウマになっている とにかくビーンズでは科目勉強をせず信頼関係を築いてほしい
仮にお子さまが
「塾に行く以上、勉強をやらなければならない!」とか、
「勉強ができない人間はダメだ」といった考えを強く信じている場合、「《信頼関係構築期》に、ゆるやかな科目勉強をあえて行う」場合があります。
上記の「勉強が遅れているから、科目勉強をガンガンやって欲しい」の部分と矛盾しているようですが、「お子さまと信頼関係を築く」という目的は一緒です。
ここで一つお願いがございます。
もし、お子さまが科目勉強へ強いアレルギーや「勉強は苦しむものである」という強い思い込みを持っており、偏差値や学歴への強い「べき論」も同時に持っている場合、我々講師も本当に繊細な対応を要求されます。保護者さまのご協力を仰ぐ場面もたくさんありますので、どうぞよろしくお願いします。
■家での生活態度があまりにも悪いから、厳しく叱って欲しい
我々がお子さまを諭す(正論を突き付けることをいいます)のは《安定期》以降です。
安定期より前に諭すと、お子さまがビーンズに来れなくなってしまう可能性があります。
■授業時間や頻度を増やしてほしい
授業時間や頻度を増やしたいというお申し出は、本当にありがたいです。
その大前提があるうえで、お子さまの体力や気力の状況によっては、授業時間や頻度をすぐに増やすことはお断りし、タイミングを見計らう場合がございます。
とはいえ、お断りするとしても、ご要望の背景にある保護者さまのご不安や、保護者さまから見たお子さまのようすについてはしっかりお話しを伺います。そのうえで、代案をご提示いたします。
授業時間・頻度の増加や減少をお願いをすることがございます
担任講師はお子さまにとって常にベストな選択肢を提示します。
そのため、授業時間の増加のみならず授業時間の減少、特別授業(エンカレ)への参加のお誘い・居場所サービスへの参加をご提案することがあります。これら全てお子さまの状況改善につながる施策です。
ご検討いただく際は、ご予算の都合も、お気軽にお知らせください。
お断りいただく際も、ご遠慮は不要です(担任講師も慣れています)。
ご予算の範囲内で、担任講師が出来る限りのサポートをいたします。
※「ひと月あたり、〇時間分の授業料の範囲内で自由に授業を調整して欲しい」といった旨をあらかじめ担任講師にお伝えされているご家庭もございます。
保護者さまにやっていただきたいこと
お子さまにとって「ご家庭を絶対安心の場」にしてください
ご家庭が「絶対安心の場」でない限り、お子さまは「外の世界で何かに挑戦しよう!」という気持ちになれません。
ですから、まずはお子さまにとってご家庭を「絶対安心の場」にしていくためのお手伝いをいたします。
とはいえ、保護者さまのお子さまへの愛ゆえに、ご心配は尽きることはありません。「イラっ」としてしまうこともたくさんあるでしょう。分かっていても、ついお子さまに良くない言葉がけをしてしまうこともあるはずです。そんなとき、ビーンズの「保護者相談制度」をご利用ください。できなかったことも含めて、お子さまに関することをとりとめなくお知らせいただけますと大変助かります。
ご不安・ご心配・お子さまの様子をこまめにお知らせください
ご不安なこと・ご心配なこと・お子さまのちょっとした様子などを、チャットでこまめにお知らせください。
お子さまに対する、焦りや怒りがこみ上げてくるたびに、ビーンズのチャットにメッセージを送っていただくイメージです。
焦りや怒りの感情を私たちへお知らせいただくことで「心が落ち着いて、子どもにそのまま怒りをぶつけずに済んだ!」という保護者さまも大勢いらっしゃいます。
毎日たくさんの保護者さまからメッセージをいただくので、大変恐縮ですが返信を差し上げられないことも多いです。ですが、保護者さまから寄せられたメッセージは担任講師が授業前に必ずチェックして、その日の授業に活かしてまいります。
保護者さまからのお伝えいただく、「生の情報」こそ、私たちがお子さまへより良い授業を行ううえで、とても重要なのです。
例えば、
・親子喧嘩してしまった
・家の中で元気がない
といった情報をお知らせいただいた場合は、負荷が軽めの授業を実施したり、お子さまへそれとなく水を差し向けて相談にのったりします。
逆に
・家の中で上機嫌でやっている
・《挑戦期》なのに、サボっている
といった情報をお知らせいただいた場合は、
やや負荷をかける、進捗をしっかり管理するといった方針で授業をおこないます。
私どもへメッセージを送る際は、お子さまの成長日記や観察日記をつけるくらいのノリでOKです!
敬語もいりませんし、とりとめのない文章でも、箇条書きでも大丈夫です
(むしろ、その方が状況を詳しく把握できますので、我々としても大変助かります)。
実際に「家で片付けをまったくしない!」「最近は兄弟に優しく接してくれるようになった」といったご家庭での小さな変化を毎日1000字以上、とりとめなく書いて送ってくださる保護者さまもたくさんいらっしゃいます。
是非、お気軽にメッセージしてくださいね。
【大事なお願い】
誠に恐縮ですが、全てのメッセージに返信を差し上げることはできません。ただ、返信はできなくても、内容は必ずチェックして授業に活かします!
ビーンズから返信・回答が必要な案件については、その旨を併記いただますと、大変助かります。
なお、質問への回答1個あたり、~0.5h分の「保護者相談」として対応いたします。
※ひと月あたり1hまで無料の保護者相談の適用が可能です
※授業料や授業スケジュールなどに関する事務的なご質問は保護者相談外の対応として返信いたします
お子さまが授業内容や講師に不満や不安を持っているようであればすぐにご連絡ください
《信頼関係構築期》では講師がお子さまへの対応の調整を重ねながら授業を実施していきます。
その過程で、講師が授業内でお子さまの不安・不満に気づけた場合は、すぐに内容を調整して授業を進めるのですが、稀にお子さまの不安・不満に気づくことができないケースもあります。
《信頼関係構築期》は、まだお子さまが講師やビーンズのことを十分に信頼していないため、講師へ本音を伝えてくれないからです。
《信頼関係構築期》のお子さまの対応は、研修をうけた講師でも本当に難しい場面があります。
例えば、本当は科目勉強に強いアレルギーがあるのに「勉強したいです!」と言ってきたり、
科目勉強へのアレルギーに講師が気づいていても、同時にお子さまが科目勉強への強い焦りを持ち
「もっともっと勉強しないといけないのに、ビーンズではゆっくりすぎる……」と不安になってしまったりします。
そのため、保護者さまには授業後のお子さまの様子を注意深く観察いただき、何か気になることがございましたら、すぐにご連絡いただくようお願いしております。
保護者さまからの情報をもとに、次回以降の授業方針を調整し、お子さまにとって不安・不満がない授業を目指します。
また、多く発生することではございませんが、生徒と講師の相性が悪ければ、担当講師を変更いたします。人と人との関係ですので、相性の問題は誰にでも起きます。
多くの生徒から信頼されている講師も、お子さまとの相性が合わない……なんてことも不思議ではありません。どのビーンズ講師も慣れておりますので、
担当講師の変更をご希望の場合は、お気兼ねなくお知らせください。
「クレームっぽくてこのようなことをビーンズに伝えるのは気が引ける」と思われてしまう保護者さまもいらっしゃいますが、ビーンズ側がお子さまの不安・不満を見抜けずに、そのまま授業を続けてしまうことは何としても避けなければいけません。
できる限り授業内容も担当講師も調整いたしますので、お気兼ねなくお知らせください!
逆にビーンズの授業を通してポジティブな変化があれば、それもお伝えいただけると大変助かります(詳しくは後述します)!
これも、授業の方針・内容を調整していくうえでとても大事な情報となります!
講師へのお褒めのお言葉、大歓迎です!
ビーンズの講師は毎日のように深い悩みを抱えた生徒や保護者さまとコミュニケーションをとっています。
かなり深刻な悩みやご不安をお知らせいただくことも私たちにとって日常です。
特に、信頼関係構築期では、保護者さま経由でお子さまのビーンズの授業へのネガティブな感想や感情を受け止め続けることも珍しいことではありません。
「ビーンズに行ったって、無駄なんだ!」
「ビーンズは詐欺だ! 講師は詐欺師だ!」
これは、元生徒が入塾3ヵ月〜半年後くらいで、保護者さま経由で伝えてもらった言葉です。
なお、今は大学へ入学したあともビーンズとつながり続けて後輩のサポートをしてくれている頼れるOB達の声です(笑)
ここでお伝えしたいことは、2点あります。
1点目が、入塾後にどんなにビーンズへネガティブな言葉を言っていたとしたとしても、生徒のステータスが変化していけば、ちゃんとビーンズにつながり続け、状況改善していくことです。
2点目が、私たちビーンズの講師は上記のような生徒からの言葉を、常に聞き続けるということです。
約10倍の倍率で採用され、3ヶ月以上にわたる厳しい研修期間を経て、ロープレに合格しないと生徒と話すこともできないビーンズの講師にとって、生徒からのネガティブな反応や言葉は予想の範疇です。
生徒たちの声を聞き、その声を彼らが何を望んでいるか・何に困っているかを推測する手がかりとします。
とはいえ、講師も人間です。
上記のようなネガティブな言葉を投げかけられたとき、理性では淡々と授業の方針を考える材料にしようとしても、感情面で揺れ動く……ことは止めようがありません。
ここから、プロとして、かなりかっこ悪いことを申し上げます……
まず、ビーンズは「悩める10代100万人」課題の解決をミッションとする塾・チームです。
そのミッションに挑戦する以上、ビーンズには「悩める10代とその隣で泣いている保護者さま」の深刻なお悩みの声が毎日届いています。
我々が頑張れば頑張るほどビーンズには、ネガティブな情報・感情がどんどん集まってきます。
もちろん、「進路が決まった!」「復学して新生活を楽しんでる……!」そういうポジティブな情報もあります。
毎日とは言いませんが、スタッフ皆で「やったーーー!」と叫ぶような、嬉しいお知らせを週に何度もいただきます。
生徒たちの変化のお知らせなどポジティブな情報こそ、私たちの原動力です。
「この仕事をやっていて良かった」
「もっといい授業ができるように頑張ろう」
と思えるのです。
ただ、やはり、ビーンズに届けられる情報はネガティブな内容のほうが圧倒的に多いです。
生徒が増えて、たくさんのご家庭とやりとりさせていただくと、ますますお悩みやご不安といったネガティブな情報に接する時間が増えていきます。
もちろん、それは保護者さまが私たち講師を信頼してお悩みやご不安を打ち明けていただいている証拠ですから仕方のないことです。
だからこそ、私たちビーンズの講師はポジティブな情報をいただけると嬉しいのです。
保護者さまからいただけるポジティブな情報は、砂漠の中の水と同じく貴重です……いくらでも、あるだけ全て、いただきたいのです。
私(塾長の長澤)も、かつて学生時代にビーンズの授業の最前線に立っていた際、保護者さまからいただいた嬉しいお言葉を授業のモチベーションにしていました。
今だから申し上げますが、何人かの保護者さまからいただいたチャットメッセージを何度も何度も読み返し、授業に臨んでいた時期もあります。
いきなりですが、ビーンズの懐事情についても話させてください……。
ご家庭から頂戴する授業料のご負担は決して軽いものではありません。
にも関わらず、ビーンズは「塾」というビジネスとしてはやや破綻しているのが現実です……
※「ビーンズが倒産する」なんてことはないので、そこはご安心くださいね!笑
というのも、ビーンズがビーンズとして活動を続けるためには、以下の課題が宿命としてありつづけるからです。
・悩める10代は対応難度が非常に高く、講師の育成に莫大なコスト(時間と人手)をかけざるを得ない。また講師の心のケアも必要。
・講師の採用と育成には非常に時間と人手がかかる。よってビーンズは少しずつしか拡大できない。問い合わせをたくさんいただいていても塾が小さいままなのはそのため。
・だからといって、個別指導塾業界の平均的授業料を大きく上回る授業料をいただくわけにもいかない。
・生徒を多く受け入れて、床面積あたりの利益率を上げることはできない。
・小さい組織のため、行政からの大規模な支援や連携も期待できない。
以上の課題があるゆえ、現在のビーンズは代表の塚﨑を含む経営陣をはじめとするスタッフの人件費を削りに削ってギリギリ黒字化できている状態です。
※もちろん、現在の状況は、組織としては不健全です。組織の持続可能性を高め、悩める10代100万人課題を解決するために、上記の課題の解決を目指しています。
既に状況打開のための新たな試みが社外の協力者も巻き込んで始動しており、長期的には解決できる見通しがたっています……!
何を申し上げたいというかと言うと、私どものモチベーションはお子さまの笑顔と保護者さまからの喜びの声によるところが大きい……というより、それ以外にない!ということです。
ですから……
我々がお子さまの状況改善に寄与することができましたら、是非、喜びやお褒めの言葉を頂戴したいです!
もちろん、授業方針についてのご要望・お子さまの授業に対する感想をストレートにお伝えいただきたいことは今後も変わりません。
大変恥ずかしく、不躾なお願いとなってしまいました。
気が向いた際に「ビーンズの講師たちのモチベーションあげてあげたら、うちの子にも良い影響があるよな~」くらいの気持ちで、
「子どもがビーンズで〇〇が楽しかったと言ってたよ」
などと、お子さまのポジティブな変化や情報も、時折チャットいただけると幸いです。(そして最大級に嬉しいのは、その喜びの声をクチコミに書いていただくことです)
私たちは保護者さまからいただいた言葉を後生大事に抱え(誇張ではありません笑)、悩める10代100万人課題に向き合っていきます!
保護者さまに避けていただきたいこと
ビーンズに無理に行かせないでください/「不登塾」の説明
「学校に行かないなら、ビーンズに行きなさい!」
「家で勉強しないなら、ビーンズで勉強しなさい!」
と、お子さまに伝えることはなるべく避けてください……!
そのように伝えられた瞬間に、ビーンズに通うモチベーションが大幅に削られてしまうお子さまも多くいます。
ビーンズのことをどんなに楽しい場所だと感じていても、大人からのそういった一言で、子どもは
「ビーンズ=我慢して行かないといけないところ」
「ビーンズ=我慢して行かなくてはいけない学校の代わりに行くところ」
「ビーンズ=勉強の代わりに行う、(我慢しておこなう)何かをするところ」
と認識してしまいます。そして、ビーンズに行けなくなってしまいます。
また、 ほとんどの生徒はどこかのタイミングでビーンズに行けなくなります。しかし、保護者さまとつながっていれば、2週間~数カ月で戻ってきます。
ですからビーンズに行けなくなっても、慌てなくて大丈夫です。
お子さまが「ビーンズに行かない」と言ったら、「ふーん、わかった」と軽く受け止めてあげてください。
また、ビーンズに行けなくなったお子さまは「ビーンズなんか辞めてやる!」とも、言いがちです。
そんなときも「辞めちゃだめでしょ!」「わかった。じゃあ辞めなさい!」どちらも言わずに、「ふーん。ビーンズ辞めたいんだね」と、ビーンズを辞めるかどうかの是非には言及せずに、お子さまの言葉を受け止めてあげてください。
お子さまがビーンズに行けなくなってしまった期間は保護者さまとのお打ち合わせに時間を使います。
保護者さまとたくさん打合せをして、情報を共有し、今後の方向性を絞っていきます。この時間があればこそ、その後の状況改善が劇的に早くなるのです。
【不登塾】
2週間~3ヵ月の間(お子さまによってバラツキがあります)、ビーンズに通えなくなってしまう現象のことです。
ビーンズでは一般的に《信頼関係構築期》と《挑戦期》のそれぞれの期の序盤に、ほぼ全ての生徒に起こります。
お子さまがビーンズに行けない間は保護者さまとビーンズが定期的にコミュニケーションをとり、ご家庭を通じて、お子さまへ働きかけ続けることで解消していきます。
不登塾の詳しいエピソードはこちらの記事もご覧ください。
●《信頼関係構築期》の不登塾
「外の世界の大人としゃべるのがまだ怖い」「講師に本音を打ち明けられない」といった悩みからビーンズに行けなくなってしまうことがあります。
不登塾期間中は、保護者さまと講師で
「講師がどのようなことに気をつければ、お子さまが無理なくビーンズの授業に参加できるか」
「保護者さまからお子さまにどのような声がけをすれば良いか」
について話し合います。
●《挑戦期》序盤の不登塾
自尊心を回復し、何かに挑戦し始めた矢先、挑戦に伴う理想と現実の差分を突き付けられて、傷ついてしまうことを原因として“不登塾”になります。
《挑戦期》序盤は特に全てのお子さまが一旦は“不登塾”になります。
“不登塾”になる例
・本気で目指したい志望校を決め、いざ対策を始めた瞬間に、あまりの壁の高さに気づき、自信を失った
・勇気を出して他の生徒との集まりに出席するも、全くしゃべれない自分に傷ついた
・(上記のような何かしらで)傷ついた自分を講師に見せるのが申し訳なくなってしまった
この場合も、保護者さまと講師でコミュニケーションを続けられれば、お子さまは必ずビーンズに戻ってきます。
「恐怖と不安で駆り立てる」ことは避けてください
「いまちゃんとやっておかないと、将来後悔するよ」
「このまま勉強やらない、学校行かないままでいいの?」
「授業料を払ってるんだから、ビーンズではきちんと勉強しなさい!」
ビーンズに通い始めたお子さまにこうした言葉をかけることは極力避けてください。
ビーンズでは、こういった言葉がけを「恐怖と不安で駆り立てる」と呼び、NGとしています。
ビーンズにくる子どもは、学校に行けない、なかなか勉強に手がつかない一方で、
「学校は行かなければいけない場所だ」
「勉強はやらなければいけないものだ」
「学校に行ってない/勉強できていない自分は負け組だ」
と考えている子どもが圧倒的多数です。
そんなとき、保護者さまとしては、
「なら、せめて家で勉強すればいいのに」
「ビーンズに通っているんだから、それなりの成果を出してくれないと」
なんて考えてしまうことも多いと思います。
しかし、そもそもお子さまがそういった「恐怖と不安」をテコに努力ができているなら、問題は全く発生していないはずです。
大人だって「恐怖と不安」で頑張るのって、難しいと思いませんか? 詳しくはこちらの記事もご覧ください。
また、自分がビーンズに通うことで授業料が発生しているということを一切気にかけていないお子さまはまずいません。なので、保護者さまからあえて授業料に言及される必要はございません。むしろ状況改善を止めてしまう可能性もあります。
繰り返しますが、保護者さまにはご家庭を「絶対安心の場」にすることを心がけていただけるとうれしいです。
授業のようすについて、お子さまを詮索しないでください
ビーンズでの授業や参加したイベントについて、積極的に保護者さまに話してくれるお子さまもまれにいらっしゃいますが、ほとんどのお子さまはそうではありません。
「きょうの授業どうだった?」
「べつに……」「どんな先生なの?」
「ふつう……」
これはお子さまがひねくれているわけでも、ビーンズが特殊な環境だからというわけでもありません。
思春期のお子さまなら、大抵はこんな反応です。
「授業料払っているのは親なんだから、それくらいのことを話してくれたっていいじゃん!」と叫びたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、そこはお子さまのためと思ってぐっとこらえ、無理に詮索するのは避けていただければと思います……!
無理に探ろうとしてしまうと、お子さまのビーンズに通うモチベーションを低下させてしまったり、状況改善を遅らせる原因になってしまったりと、基本的にいいことはありません。
もちろん、「ビーンズのことを一切聞かない」ということではありません。あくまでも無理な詮索を避けてほしい、ということです。
「授業ではどんなことをやってるの?」「宿題は出てるの?」「先生はどんな人なの?」「ちゃんと行ってるの?」…… お子さまが答えたくなさそうでしたら、ビーンズにご連絡ください。
お子さまとの信頼関係が傷つかない範囲で、お答えいたします。
ただし、ビーンズが共有させていただいた情報をそのままお子さまに伝えることは避けていただけますようお願いします。
「お子さまが保護者さまに伝えたくない内容がビーンズ経由で保護者さまに伝わった」ことがお子さまに知られた場合、お子さまのビーンズに対する信頼を大きく損なうことになってしまいます(最悪の場合、お子さまはビーンズに来なくなってしまいます)。
また、お子さまがご自宅からオンライン授業を受ける際には、プライベートな空間を確保してあげてください。
授業のようすを覗くことはもとより、お子さまが意図せずに聞こえてしまった内容なども、「聞いていないふり」をしてあげてください。
お子さまの状況改善のため、ご協力をお願いします……!
お子さまの「ビーンズのせいで勉強できなかった論」に引きずられ過ぎないでください
「ビーンズのせいで勉強できなかった論」とは何でしょうか。
それは、勉強や進路への焦りが強い生徒や受験生によく発生する状況のことです。
(特に、「信頼関係構築期」のステータスの生徒で多発します)
1⃣授業にて……
・講師が生徒に対して、「勉強する?」と聞くと拒否された or 顔がとても曇ったので、雑談を行った
もしくは……
・生徒の勉強への焦りを緩和するために「心のケアとしての科目勉強」を行ったが、負荷を少し高めると一気に生徒の顔が曇ったので、極めて簡単な科目勉強に終始した
2⃣授業後、家庭にて……
生徒が保護者に対して、「もっと勉強を教えて欲しかったのに、ビーンズの先生がやってくれなかった……!」と不満を伝える
そして、保護者さまから、以下のようなメッセージをいただきます。
今日、子どもから「塾なのに、全く勉強がすすまないのは、僕がバカにされているからではないか」と言われました。
子どもに寄り添っていただいてるとは思いますが、子どもは勉強の遅れを気にしていますので、それを汲んでいただきたいなと思います。
生徒の内面を説明すると……
「進路について考えなきゃ、勉強をやらなきゃと焦りを抱えているものの、本心ではやりたくてもやれない……」という矛盾した気持ちを抱えている状態です。
そして、その矛盾を解消するためにビーンズで勉強しなかった事実を「勉強したかったけど、ビーンズのせいでできなかった」というストーリーに置き換えることがあります。
先ほど、「ビーンズのせいで勉強できなかった論」は、信頼関係構築期の生徒が多いと申し上げました。
しかし、安定期もしくは挑戦期に入っている生徒でも、「受験」という現実が近づくと、「ビーンズのせいで勉強できなかった論」がほぼ確実に発生します。
それは受験という現実を前にひるんでいる自分を本能的に守りたくなるからです。
安定期以降のお子さまがいきなりビーンズの授業に対する不満や不安を伝えだすと、どんなに勉強や進路選択へのべき論が少ない保護者さまでも、「今までビーンズの授業を楽しく受けていたのに、どうしたの!?」と焦ってしまいます。
まず、どちらの場合も、生徒がビーンズや講師を「悪者」にすることは悪いことではありません。
生徒が自分を責めて、落ち込んだり、不登塾になってしまうより100倍マシです。
ポイントはここからです。
保護者さまが生徒(お子さま)の発言を真に受けて
「本当に!? ビーンズの先生に勉強をしっかり教えて欲しいって頼んどくね!」
「うちの子が勉強したいと言っています! 学習の計画を立て、勉強をゴリゴリ教えてあげてください!」
という行動をしてしまうと、状況が一気に複雑化します。
「ビーンズのせいで勉強できなかった論」について、ビーンズが保護者さまに知っていただきたいことは以下2点です。
・子どもたちがビーンズの講師の前で見せる姿と、保護者さまに発するメッセージにはズレがある
・「勉強や進路について考えることをしたくない自分」を守る・正当化するため、子どもは時にビーンズの講師を悪者にしてしまうことがある
「ビーンズのせいで勉強できなかった論」が発生したとき、保護者さまにやっていただきたいことは何でしょうか???
・「ビーンズに詰めよらず」
・「もちろんお子さまを詰めることなく」
・「お子さまの気持ちを受け止めていただくこと」
です。
具体的には……
・まず、「そうか~ ビーンズの先生が勉強を教えてくれなかったんだね~」と、お子さまの発言をゆったりと受け止めてください。
・つぎに、保護者さまの感情・推測はなるべく入れずに、お子さまの発言内容や、その時の表情をビーンズにお伝えください。
・お子さまがビーンズへネガティブな内容の事柄を言っていましたら、併せてお知らせください。
この場合、保護者さまはお子さまの焦りと「ビーンズのせいで勉強できなかった論」に感情的に引きずられることをなるべく避けていただき、お子さまの発言の内容を淡々とお伝えいただけると大変助かります……!
私どもの方で、保護者さまからお伝えいただいた、お子さまの声を注意深く確認し、お子さまがストレスなく授業を受けられるために何をすれば良いか授業方針に盛り込んでいきます。
なお、保護者さまがお子さまに対して、ビーンズでの授業の様子や今後の授業の方針を詮索してしまうと「ビーンズのせいで勉強できなかった論」が発生しやすくなります。
<【ご注意】ビーンズでの授業の様子や今後の授業の方針を詮索が「ビーンズのせいで勉強できなかった論」につながる>
保護者:授業の様子や今後の授業の方針を詮索する
↓
子ども:「ヤバい……! 授業中、勉強してないことがバレたら親から怒られてしまう(or 心配されてしまう)……」
↓
子ども:「でも、ビーンズの授業で勉強しているという嘘をつくのは罪悪感があるからどうしよう…」
「そうだ、自分は本当は勉強したかったけど、ビーンズの先生のせいで出来なかったことにしよう! 先生がしゃべっていたのは本当だし、僕は生徒だから授業内容を選ぶ権利はないし。ウソは言ってない!」
こんな事情もあり、「授業のようすについて、お子さまを詮索しないでください」というお願いが重要になってくるのです。
「ビーンズのせいで勉強できなかった論」に関連して以下の記事も、ご覧ください。ビーンズが考える「なぜ子どもが勉強しないのか」の答えです。
<シリーズ「なんで勉強しないのか」>
前編では、ビーンズの「子どもがなぜ勉強しないのか」という質問についてお答えしています。
中編では、個別具体的な保護者さまの科目勉強に関するお悩みに、お答えしています。
後編では、ビーンズの考える科目勉強と「青春経験」との関係について説明しています。
最後に、ビーンズメソッドとは
ここまで、長々とお読みいただきありがとうございました。保護者さまへ、たくさんお願いしてしまいました。
この記事を最後まで、ご覧になっているということは、きっとお辛い状況のはずです。
にもかかわらず、ここまで読んでいただいたこと本当に感謝申し上げます。
この記事に書いてあるすべての内容は『ビーンズメソッド』という”悩める10代”へのサポート方法に基づいています。
「ビーンズメソッドってなに?」という方は…まずはコチラの動画をご覧ください。
「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん
このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演しました。
おおたさんには「ガラスの十代のトリセツ/ビーンズメソッドに学ぶ」と題し、ビーンズメソッドの基本的な考え方についてお話しいただいています。
そして、ビーンズを取材していただいた『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)。
講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドの内容を端的にまとめていただいています。こちらもぜひご覧ください。