受験勉強やテスト勉強で急に不安になって何も手につかなくなる時の対処法!

受験勉強やテスト勉強で急に不安になって何も手につかなくなる時の対処法!

「勉強をやっていても、焦りやストレスを感じてしまう」

「勉強をやろうとすればするほど、手につかなくなってしまう」




唐突な出だしでしたが、これは、生徒たちの実際の声です。

勉強を進めようとすると、こんなふうになることは、ありませんか?

勉強を始めたのはいいけど、すぐに不安になって、集中できない……」

特に受験やテスト前になると、不安で、勉強がすすまない……」

この記事では、そんな中学生・高校生たちのために、「勉強をしている時に感じる不安の正体」と「その不安を払拭するためのヒント」について、アドバイスしようと思います!

「不登校・勉強嫌いの子どもたちのための塾」ビーンズの塾長・長澤がお送りします。

長澤 啓

長澤 啓 NAGASAWA KEI 塾長/副代表 東京大学 経済学部経営学科卒。大学生時代からの現場経験を活かして「悩める10代」のサポート方法を「ビーンズメソッド」として体系化する…


受験勉強やテスト勉強で急に不安になって何も手につかなくなる時の対処法!

「勉強をして不安になるのは普通」ということを最初に知っておいて欲しい!

勉強をしていると感じる不安や焦り……。
なんだか自分(だけ)が弱い人間のように感じる時もあります。

でも、これは、よくよく考えてみると、普通のことです。

たとえば、分からない問題や、なかなか終わらないテキストが山積みになっていれば、誰だって不安や焦りを感じます。
さらに、他の人がたくさん勉強して良い成績を取っているなどの話を耳にすると、自分だけ置いてきぼりになった気になります。

そんな暗い気持ちになると、不安から勉強が手につかなくなってしまいますよね。

まず勉強をして不安になるのは普通だと、覚えておいて欲しいのです。

そんな時に大事なことは、

大事!

勉強をしている時に感じる不安の正体を理解すること

不安になっている気持ちをうまくコントロールすること

この2つです。

くわしく説明していきたいと思います。

勉強をしている時に感じる不安の正体1:「周りと比べることで自分の成長に気がつかなくなってしまうケース」

勉強しているとやってくる「不安の正体」とはなんでしょうか?

それは

不安の正体

・自分以外の他人の進捗を気にすることからくる焦り

・今まで自分がやってきたことを評価しない姿勢

・今、この瞬間、自分が何をすれば良いか見失っている状態

これらが合わさったものです。

たとえば、あなたが(もしくは、お子さんが)数学を苦手としているとします。
苦手な数学を勉強しても、ようやく連立方程式の問題を解けたのに、他の優秀な同級生はとっくに理解し、次の単元にいっている……

こんな状況が続くと、まるで「自分だけが成長していない!」ように感じてしまう場合があります。

そして「今更がんばっても、周りには追いつけない。だから、がんばることは無駄なんだ……」という考えが生まれてきます。

こんな考えは、黄色信号。

まさに

自分以外の他人の進捗を気にすることからくる焦り」

からの

自分がやってきたことを評価しない姿勢

です。

本当は「自分が苦手な数学を勉強したことで、今まで分からなかった連立方程式の問題を解けた」という事実があるのですが、その事実は置いてきぼりにされています。

問題を解く前の自分と、問題を解いた後の自分。

比較すれば、勉強をスタートした自分は、それまでの自分から、確かに変化・成長しています。

それなのに「他人と同じスピードで理解できない・問題を解けない・テキストを終わらせられないということは、勉強自体が無駄な努力だった」と考えてしまう……

他人は他人、私は私

紛うことなき、絶対的な真実です。
でも、つい見落としてしまいがちですよね。
(特に周りに勉強熱心な人がいる環境だと、仕方のないことかもしれません)

周囲と比べることばかりに意識が働き過ぎて、「自分が成長している」という事実を見落としてしまう……

そればかりか、エネルギーを失い、勉強そのもののやる気も失ってしまう

これは、ビーンズに来る生徒たちのあるあるの状態です。

特に大学受験生は、この状態になると“不登塾”……つまりビーンズに来なくなります。

どれくらいビーンズに来ないかというと、

それはもう、顔を忘れそうになるくらいだね」と生徒がのちに自身の受験勉強を振り返ったときに言うくらいです。

(“ビーンズの美談ではないリアルな大学受験物語 「勉強のやる気が出ない」編”での名言です)

ビーンズの美談ではないリアルな大学受験物語 「勉強のやる気が出ない」編

本記事は、学習支援塾ビーンズで 受験を経験した生徒たちはどのような心境だったのか……?  ビーンズの大学受験勉強のリアルな雰囲気とは……? をお伝えする記事です…

勉強をしている時に感じる不安の正体2:「ノルマを達成できない自分に苛立って不安になってしまう」ケース

勉強をしていると、なかなか思うようにはかどらず、そんな自分自身にイライラしてしまうときがあります。

「本当はもっともっとやるべきことがあるのに、やれていない!」

「どうして、これくらいのことが自分はできないんだろう……」

こういった思考は、勉強に取り組むエネルギーを奪っていきます。
そして、「どうせ自分なんか頑張っても無駄。もう諦めよう……」と思い詰めてしまいます。

この「ノルマを達成できない自分に苛立って不安になる」ケースは、
「自分へのノルマ(基準)の設定を高くし過ぎている」ことが原因であることが多いです。

この「ノルマ高く設定し過ぎ現象」というのは、誰にでも起こりうることです。

受験やテストが近づくと、内心で焦りや、「やらなきゃ……!」という気持ちが強くなります。
すると「キャパオーバーのノルマ」を設定してしまい、結局やりきれなくなってしまうのです。

確かに、「ノルマを達成できないことへの悔しさ」で奮起し、頑張れる人もいます。

ただ、ビーンズの生徒たちだけでなく、ほぼ全てのお子さんは、そういう悔しさが逆に勉強に取り組むエネルギーを奪ってしまうことが多いのです。

ビーンズでは恐怖と不安で駆り立てようとしてはダメ と、みなさんに伝えています。

特に受験やテスト前の焦りやすい時期には、つい自分が自分を「恐怖と不安」で駆り立てようとしがちです。

(「恐怖と不安」……については、“不登校の中学生・高校生が進路に絶望しやすい理由”をご覧ください)

【中学生・高校生向け】家庭でできる 思春期以降の子どもたちに進路を考えてもらうコツ 課題編

今回の記事では、不登校・勉強嫌いな中学生・高校生たちが進路を考えていくためには「ご家庭で職業観を“楽しく!”育むことが大事」という内容で、 『ビーンズメソッド』に基づいた中学生・高校生たちの進路観…

そもそもノルマをやりきれようが、やりきれなかろうが、「勉強をスタートした自分は、それまでの自分から、確かに変化・成長している」点は変わりません。

ところが、そのノルマをやりきれなかったという事実のみに注目して、自分にイライラしてしまうのです。

不安になっている気持ちをうまくコントロールするコツは、「自分を認めて開き直る」こと

勉強をしている時に感じる不安やイライラを解消するポイントは、

POINT

・ 自分のペースを大事にして、少しでも前に進むこと

・ そのうえで、進んだことを自分で見つめられるようになること

です。

自分がつくった事実を見つめる

  1. やろうと決意し、行動した事実
  2. 「一日で、これくらい前進した」という事実
  3. 昨日まで、分かっていなかったことを理解した」という事実

こういった自分が作った事実を丁寧に見つめます。

具体的には

・やった勉強や、覚えた事柄などを寝る前に思い出す

・やった勉強や、覚えた事柄を、別にメモする

というのがおすすめです。

さらにメモする際のコツとしては…

メモ

スマホのカレンダーアプリ
チャットアプリ


など「すぐに立ち上がり、すぐに書き込める」もので、勉強したテキストのページや、学んだ勉強の単元名、単元の内容を雑に書き込むことです。

目的は「自分は着実に進んでいる」と、自分を評価し、エネルギーを得ること。
このエネルギーが明日からの勉強を継続するためエネルギーとなります。

勉強のペースは、人それぞれでOK

確かに勉強のペースが早い友達を見ていると焦りも生まれます。自分だけが置いてけぼりになった気もします。

ここで怖いのが

あの子と比べると、自分は全然ダメだ……

という考えが、鎌首をもたげること。
こうなると、エネルギーが失われて、勉強が進まなくなります。

ですから、他人の勉強の進み具合との比較はご法度です。つい比較してしまう機会(テストの点数を見せあいっこするなど)を減らしていったほうがよいです。

それよりも

「今日はこれだけできた」

「一週間前よりも成長した」

このように、自分が勉強している事実・成長している事実のみに目を向けて、その事実を認識することのみに注意をむけたほうがよいです。

以下の記事で紹介しているビーンズの受験生たちも、「出来たことに注目する」「やろうと思ったことを出来ていない自分も認める」ことから始めて、最終的には合格を掴み取ることができました。

ビーンズの美談ではないリアルな大学受験物語 「挑戦」「合格」編

ビーンズの美談ではないリアルな大学受験物語 「挑戦」「合格」編 前回の記事では、「惟光」「柏木」「夕霧」の不登校経験のある3人の大学受験生が、受験期初期の「勉強のやる気が出ない」様子を語ってくれました…

完璧主義な「頑張り屋さん」へ

大事

最初は「単語帳を1日1回開くだけ」でOK!

この記事を読んでいる皆さんは根っこの部分では「完璧主義」で「頑張り屋さん」な人が多いと思います。

しかし、そんな性格の人ほど、

「勉強をやるのであれば、しっかりやらねばならない」

「しっかりやれないのであれば、勉強する意味はない」

と思い込んでしまいます。

その意気込みは素晴らしいです。

しかし、勉強にとりかかる心理的ハードルが高くなりすぎて、いつまでも勉強を始められない。
…となると、もったいないですよね。

おすすめは、「ちょっと勉強するだけで、OK」と、あえて思うこと。

とにかく自分の中で勉強にとりかかる心理的ハードルを低くすることです。

「単語帳を1日1回開くだけでもOK!」くらいのノリが、かえって勉強のスタート時はよい。これ、覚えておいてください。

最初は「単語帳を開くだけOK!」くらいのレベルから始め、勉強を習慣づけさせる。
そして勉強量を徐々に増やしていくのがおすすめです。

頑張り屋さんな方は、「単語帳開くだけでは単語を覚えられないじゃないか!」思われるかもしれません。

しかし、「単語を1日100個以上覚えなければ……」と自分で自分を追い詰めるあまり、「結局、1回も単語帳を開けなかった……」なんてことになるよりもずっとマシ。

人間は、一度始めたことを続けてしまう癖があります。

また、人間の脳はリラックスしているときに得た情報・繰り返し見る情報を優先して覚える性質があります。

それゆえ、真剣に(かつ苦しい気持ちで)、「単語帳を一日5時間やって、絶対に毎日100個覚えるんだ!」と意気込んで勉強しても、なかなか成果が出なかったのに「軽いノリで単語帳を開いて、暇な時間にパラパラ見て、気づいたら10個くらいの単語を覚えてた」なんてことが起こるのです。

そして、目標へ向けて、努力することを習慣づける…このスタンスに大人になるまでに手に入れる/慣れることが今後の人生でとても重要なのです。

メッセージ

受験生の方へ

この記事を読んでくれた人の中には、受験生の人も多いと思います。

スケジュールが迫ってきて、不安になる気持ち、よくわかります。

周りと比べて、競争心や不安をやる気のガソリンにして頑張るのも、もちろんOKです!
でも、それで逆に焦りや不安で勉強が止まってしまうようなら、今回の記事の内容を少し思い出してもらえたらなと。

そして、そのような焦りや不安に襲われているのは、あなただけではない。そう思ってもらえたら、嬉しいです。

保護者さまへお伝えしたいこと

この記事を読まれた保護者さまは「保護者は何ができるの?」と、お悩みになっている方もいらっしゃると思います。

お子さまの勉強への不安やイライラを減らし、勉強へのエネルギーを増やしていくために大事なのは、

ご家庭を絶対安心の場」にすること。そして、そのために「雑談量を増やす」ことです。

こちらの記事をご覧ください。

中学生・高校生のお子さんが不登校・引きこもりになったら……【まずは親子の会話量を増やそう】

本記事では、不登校・引きこもりの中学生・高校生のお子さんにとって「ご家庭を絶対安心の場」にする意義と、「ご家庭を絶対安心の場」にするための方法について…

ご家庭を「絶対安心の場」にする意義について

また、この記事に書いてあるアドバイスは『ビーンズメソッド』という”悩める10代”へのサポート方法に基づいています。

ビーンズメソッドってなに?」という方は、まずコチラの動画をご覧ください。

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん
このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演したときの様子です。(ダイジェスト版)

また、おおたさんには、「ガラスの十代のトリセツ/ビーンズメソッドに学ぶ」と題し、ビーンズメソッドの基本的な考え方についてお話しいただいています。

そして、ビーンズも取材いただいた『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)。
さらに、講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドのエッセンスを端的にまとめていただきました。こちらもぜひご覧ください。

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