『バカラ事件』ビーンズ高校受験生の「逆境⇒努力⇒成功のストーリー」
本記事の内容は、受験期のご家庭で事件が起きた際のビーンズの対応と、ご家庭でしてほしいこととは……? をお伝えする内容です。
ビーンズの生徒のご家庭では日夜様々な事件が起きています。
本日はそんなご家庭のとある一幕から、話をスタートしたいと思います。
語り手は塾長の長澤です。
もくじ
ビーンズ高校受験生の「逆境⇒努力⇒成功のストーリー」
『バカラ事件』
はい。こんにちは。塾長の長澤です。今日はビーンズで語り継がれている『バカラ』事件についてお話しします。
(プライバシーの関係で、いくつか事実とは違うエピソードにしているところもありますが、ご了承ください。)
長澤啓(Nagasawa kei)
学年ビリから二浪し東京大学へ入学。ビーンズの活動が楽しすぎ、留年。経済学部経営学科卒。
ビーンズが積み上げてきたノウハウを「ビーンズメソッド」として文字化し、より洗練するのがメインのお仕事。さらに、親との衝突が絶えなかった自身の経験を活かし、保護者とのコミュニケーションにも注力。保護者さまと月100件以上やりとりをしながら、ビーンズ流の保護者さまサポートを拡充中。最近は副代表として、講師の採用育成プランの策定・外部協力者との渉外・経営企画までマルチにこなす。趣味はビールを飲みながら出汁巻き卵をつくること。
■インタビュー/詳しい自己紹介
学校の勉強についていけなかった僕が東大に合格するまでと親と対立した日々について
夜中に電話がかかってきて、なんだろう? と思って出たら、高校受験生のお母さまが泣いてるんですよ。
生徒が椅子を持ち上げて、椅子を台所に投げてグラスをたくさん割ったと。
「お母さま、お子さまにケガはなかったですか?」と聞くと
「ケガはなかったです」と。
「それはよかった……。」
「ケガはなかったけど、グラスの中にバカラグラスが4つあった」と。
「……!(バカラ……?!)」
事件の背景
実はその生徒、非常に辛かったんですね。
とても地頭が良い生徒だったんですけど、いわゆる日本の公立中学校の空気感や同調圧力に合わなくて、ずっとキツイ思いをしていました。
例えば、先生から社会の時間に質問ありますかー?って聞かれたら、元気に「はーい!」って答えるんですよ。
だって先生から聞かれているんだから。授業は真面目に(そして真剣に)受けたいって生徒なんですよ。
逆境
でも、それは、少なくともその中学、そのクラスの文化・雰囲気的にはタブーだったんです。
先生の質問への正しい対応は、「……」という、うつむきと無言だったんです。
そんな中、「はーい!」ってすると、周りから冷ややかな目で見られます。
そして、とどめが学校の先生からも「そんなに質問で手をあげなくていいよ。」と言われてしまい……。
学校がダメなら塾だ!と頑張ったんですが、進学塾のノリが合わずに、そこからも突き放されて……
そんな状況でした。
そんなイライラや、やるせなさが、たまりにたまっての、『バカラ事件』だったんですね。
しかし、ここからこのご家庭は好転します。
こういった事件は、程度の差こそあれ、受験期には、どのご家庭にも起きます。
毎年、かつ、全てのご家庭のことなので、私どもは慣れてはいますが、そうはいってもやはり緊張はするものです。「はじまったな……ッ!」といった感じです。
話は変わりますが、ビーンズでは受験生がエントリーシートや志願申告書を書く際、「今までの自分の人生を「逆境⇒努力⇒成功のストーリー」で編集し直す」と伝えています。
そして、この「逆境⇒努力⇒成功のストーリー」は、ビーンズの全ての受験生が受験期に経験するストーリーでもあります。
「逆境⇒努力⇒成功のストーリー」について、詳しくは以下のブログでも説明しています。
生徒の受験シーズンの幕開け
ここからは、学習支援塾ビーンズの受験生の「逆境⇒努力⇒成功」の一例として、お読みいただけるといいなと思います。
まず、生徒が受験に全力投球できるための準備として『4階構造』を組み上げていきます。
4階構造で一番大切なのは、1階「絶対安心の場である家庭」です。
「とにかくご家庭を、彼にとって『絶対安心の場』にしてください」と頼みこみました。
とはいえ、『バカラ事件』を起こしてしまうくらいには荒れていた生徒。保護者さまのご心配は募ります。
私たちビーンズがお願いしているのが、「お子さまへの不安やご心配があったら、まず僕らに(チャット)で教えてください」ということです。
ご家庭を『絶対安心の場』にするための準備として、まずビーンズと保護者さまが肩を組むことが大切になります。
(「絶対安心の場」についての説明はコチラのブログをご覧ください!)
次は、生徒の進路決めです。
中学や進学校で、ふかく傷ついた彼。
最初は
「どこに進学したって、学校はいっしょだ」
「どこにも行きたくない」
とまで言っていました。
講師が少しずつ信頼関係を築くと、
(『信頼関係構築期』を過ぎて、『安定期』に入ると)
「自由になりたい!」「とにかく自由な学校!」
という、彼の気持ちを聞くことができました。
彼の気持ちを軸に志望校を決めて、いよいよ受験勉強を始めました。
不登塾
すると、次にやってくるのが……ビーンズの受験の風物詩。”不登塾”です。
私たちからすると「夏が来ると台風がくる……」と同じような感覚です。
「自由な学校」は、偏差値が高めのところが多め。ゆえに受験勉強、特に国語が圧倒的に難しいんです。
(なお、国語の大切さは『不登校・勉強嫌いの中学生・高校生が最初に伸ばすべきは、「国語力」!』という記事でお話ししています。ご参考ください)
彼、地頭はいいんですが、今までの人生で「(偏差値が高い学校の)長ーい文章を読んで、頭の中で要約する」なんてことしたことなかったんですから。仕方ありません。
1か月くらい不登塾になりました。
不登塾になる前、「ビーンズに来る生徒さんは受験勉強を本格スタートすると、そのタイミングで一度は不登塾になりますよ。その間は、私たちと打合せしましょう」と伝えてありました。
保護者さまと週1回のペースで連絡をとりあいました。
家での生徒の様子を伺い、ご家庭での言葉がけのコツをお伝えしました。
この間、生徒は
「いきなり、こんな長い文章、読めるはずない!」「間に合うわけない!」
と、荒れていたんですが、保護者さまのご家庭での声掛けのおかげで、1ヶ月後にビーンズに戻ってきました。
で、「やっぱり勉強する」と。
そこから状況が変わるのは早かったですね。
努力そして、成功
塾でゴリゴリに勉強しましたし、大量の宿題もやってくるようになりました。
宿題できないときは、生徒からチャットがきます。「できなーい」って。
「いいから塾に来なさ~い!」と言うと、いそいそと早くやってきて自習するようになりました。
そんな調子で勉強を続けていましたが、ついに始まる受験本番シーズン。
そして、3校に絞った受験の1校目が不合格……
「大丈夫かな? へこんでないかな」と心配していましたが、塾にやってきて黙々と自習していました。
彼の内面は『バカラ事件』から、確実に変化していたのです。
そして、最後まで受験を走りぬきました……。
最後の受験が終わった後、チャットで「終わりました。精一杯やりましました。ありがとうございました!」とメッセージが来ました。
合格後
※写真はイメージ(違う生徒)です
そして、見事、合格。
お母さまと一緒に教室で喜び合いました。
私たちは、「(バカラ事件含め)ほんとうに色々あったなぁ……」と感慨深かったのですが、彼はケロッとしています(笑)
なんなら、バカラを(4つ!)割ったことも、「そういえば、そんなこともあったなぁ」って感じで……(笑)
「いやいや、まだ半年前だよ!?」と(笑)
さて。そんな彼も、もう大学生です。
大学では好きなスポーツに打ち込んでいるようで、ビーンズにはなかなか顔を出してくれません。
うれしいですが、少しだけさみしいような……(笑)
記事をご覧になった、ご家庭でしていただきたいこと
ビーンズでは、学校や進学塾でキツい思いをしているお子さまがいるご家庭には、まず、ご家庭を「絶対安心の場」にしてくださいとお願いしています。
なぜなら、お子さんにとって、大きなチャレンジである、「進路を考える・受験に向き合う」ということに対するヤル気やチャレンジ精神は、「落ち着ける場所・逃げ込める場所」がないと生まれないからです。
子どもたちは、
「何かに失敗したとしても、家に逃げ込むことができるから大丈夫」
「現実に打ちのめされることがあっても、安心できる場所があるから大丈夫」
という確信を持てて初めて、ご家庭の外でチャレンジ・努力ができるのです。
また、ご家庭を「絶対安心の場」にするために、お子さまとの会話量を増やすことが必要です。
「会話量を増やすにはどうしたらいいの……?」と思われた保護者さまには、是非コチラのブログもご覧いただければと思います。