不登校の子どもに学校見学をしてもらうためには?
中学や高校で、お子さまが学校に行けず、その上で、進学を考えた学校見学へ行くことも難しい状況の時のアドバイスを紹介させて頂きます。
結論は、「まずは自尊心の回復。それから勉強への興味・関心づけをし、意欲や積極性が少し出てきたタイミングで学校見学」です。以下、詳しく紹介します。
もくじ
いきなり学校見学はハードルが高い
お子さまが不登校になっており、またそれが長引いているような状況の時、「進路はどうするんだ! 学校見学くらい行ってこい!」といったように、いきなりの行動をさせようとしても難しいです。
なぜかといえば、お子さまは落ち込んでおり、心が前向きになっていないためです。たとえば、「学校見学に行ったって、どうせ何も変わらないよ。無駄だから行かない」なんてことを言っているかもしれません。また、色んな理由があって、学校見学に対して意欲的になれないこともあります。
・知り合いに会いたくない
・自分でやり方が分からない(学校がたくさんあって、探したり選ぶことが億劫だし、見学することにウンザリしている)
こういう時に、むりやり学校見学をさせようとすると、お子さまにとっては、ただただストレスでしかありません。大人のケースでわかりやすく例えると、生命保険の押し売りをされているのと同じようなストレスを受けます。
「あなたの将来のことですよ」
「こうしたほうが絶対に良いですよ。やりましょう」
これは、しつこく繰り返されるほど、ストレスですよね。大人だって、老後のことまできちんと考えられる人は少ないです。お子さまも、それと似た感覚で、「将来のことを考えろ(考えないとマズイ)と言われても、そんなのわからないよ……」という状態なのです。
こういう時は、「学校の話題」や「進路のコト」は、いったんさておいて、まずはお子さまの心を前向きにして、「何か行動をすれば、もしかしたら、少しでも何か状況は改善するかもしれない」という思考回路になってもらうことが大事です。
まずは心のケア・自尊心の回復を
自尊心とは「ありのままの自己を尊重し受け入れる」ということです。
不登校が深刻になっている子は、「自分は●●しなくちゃいけないのに、それができない。周囲の皆に比べて遅れているから、もうダメだ……」といったようにマイナス思考一本の考え方になっていて、なかなか前に進めないケースが多いです。
そのため、当塾ビーンズでは「自尊心を回復するワーク」を通して、お子さまに「今の自分はうまくいってないけど、でも、過去をよく思い出してみると、チャレンジしてうまくいったこともあった。だから、まだ自分はがんばればどうにかなるのかも……」と、前向きな気持ちになっていってもらえるところから授業を進めていきます。
一度、心が前向きになると、それだけでも状況改善は加速していきますので、自尊心の回復は、本当にとても大事です。
本人の"好き"から同心円状に勉強への意欲関心を持ってもらう
当塾ビーンズでは、お子さまに自尊心を回復してもらう中で、彼ら本人がどういうことを好きだったか、また、嫌いだったか、ということも整理していきます。
そして、その"好き"の中から、関連する学問をピックアップしていき、色んな話、または経験をしてもらいながら、意欲・関心を強めていってもらい、検定試験を一つのきっかけとして、勉強への動機づけを強めていってもらいます。
※同心円状の話について、詳しくはこちら。
自分の興味・関心のある分野での検定試験での取り組み、または合格まですると、本人は「がんばれば何かが進展する」という成功体験を抱くことができて、その後の進路についても、「がんばれば、じつはどうにかなるかも」と思うようになっていきます。
そして、この時がまさに、学校見学へ行くための最高のタイミングとなります。
ポジティブな気持ちで、いざ学校見学へ
お子さまが自分自身への自信を取り戻してきたら、いよいよ学校見学です。将来のことや、今後の進路、そして勉強へのヤル気を持続させるために、学校見学は欠かせません。
この時、ビーンズでは、「学校見学ならどこでもOK」ではなくて、「きちんとリサーチとして、自分に合いそうな(魅力的な)学校を選んで行くコト」を推奨しています。そして、学校見学へ行ったら、必ず在校生と会って話してもらうように指導します。(これが、進学の動機・勉強へのヤル気を強めるための一番の見学体験になるため。)
もし、お子さまが少しシャイで、一人では在校生に話しかけられない場合、ビーンズ講師が引率するか、保護者さまが同伴のもと、在校生に声をかけて、会話の橋渡しをして、うまく会話するキッカケをサポートしてあげます。(これを当塾では「ブリッジ」と呼んでいます。)
※有意義な学校見学をしてもらうためのアドバイスは以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
こうして学校見学が終わり、お子さまが意欲的になったら、そのまま今後の勉強の計画立て。もし、まだ意欲的になっていなければ、次の学校見学のイベントを企画し、スケジュールを立てていきます。大事なことは、一回目でうまくいかなくても、何度もトライ&エラーをしていくことです。(何個か見ていくと、必ず、お子さまの興味・関心を惹く学校が一つは見つかります。)
なお、学校見学は必ずしも説明会に限らず、文化祭だったり、大学であれば普段の授業日などに行ってみて、色んな視点(お子さまが興味を持ちそうな視点)から、見学をしていくことも大事です。
まとめ
不登校の子が有意義な学校見学をしていくためには、
・お子さま自身の気持ちを前向きに(自尊心を回復)
・勉強に対する興味を少しでも持った状態に(好きの同心円状、成功体験)
・お子さまの興味を惹きそうな学校見学に参加する(行った時は必ず在校生と話す)
というステップで進めていくと効果的です。(当塾のオススメする指導法。)
もし、状況改善がうまくいっていない時は、ぜひ参考にしてみてください!
補足:保護者さまが疲れて諦めてしまわないで!
不登校が長引くと、お子さまよりも先に、保護者さまが疲れてしまい、諦めの気持ちを持ってしまうことがあります。そうなると、お子さまが(自分の学力より上の)学校見学へ行きたい、などの希望を言った時、「お前には無理だ」といったように、やる気を削いでしまう行動を、ついしてしまう時があります。
不登校の状況改善においては、保護者さまのどっしりとした構え、暖かい目で見守ってあげることが必要不可欠です。どうしても疲れてしまった時は、「どうにかしなくちゃ」と考えることをいったん休めて、保護者さま自身の息抜きもしっかりしてもらえれば、と思います。