不登校になって昼夜逆転した中学生・高校生。子どもが昼間活動するために保護者ができること

学習支援塾ビーンズ


今回のテーマは、中学生・高校生の子どもの「昼夜逆転」。

不登校になったお子さまの保護者さまから受ける相談の多くに、「子どもの昼夜逆転」という問題が共通して見受けられます。

本記事では、不登校になった子どもが昼夜逆転・夜型の生活になって朝が弱くなってしまった場合に、

保護者さまがとるべき行動についてビーンズの代表の塚﨑がお話しいたします。

昼夜逆転した不登校の子どもを昼間活動に導くには?

昼夜逆転

この記事でわかる保護者さまへの重要ポイントは?

重要ポイント

  • まずはお子さまの状態を慎重に見極める(好きなイベントなら起きられる?)
  • 生活改善は一気に変えようとせず、ステップバイステップでゆっくり進める
  • 優先するのは生活リズムを戻すことではなく「お子さまのストレスを緩和すること」
  • 朝起きたら楽しいことがある!とお子さまに思ってもらう
  • 夜のスマホやネット利用は、時間をかけて交渉・約束した上で制限する
  • 最初の一手は、お子さまとの雑談量を増やすこと!

こんなときは個別相談を!

  • お子さまが好きなイベントの日でもどうしても朝起きられないとき
  • 保護者さまがお子さまの夜のスマホ・ネット利用の「交渉やルール決め」にお困りのとき
  • 保護者さまがお子さまとの「雑談の増やし方」や「進路の話し合いのタイミング」に迷われたとき

昼夜逆転した子どもの状態をどう見極めればいい? 

まずは、
「買い物やお出かけなど、お子さまが好きなイベントの時には朝起きられるか」を観察してください。

ビーンズの相談現場でも、ここが今後のサポート方針を決める重要な分岐点になります。 

朝が弱くなってしまった子どもの特徴は、大きく2種類に分かれます。

朝が弱い子どもの「2つのタイプ」とは?

朝が弱い状態は、「楽しい予定なら起きられるタイプ」と「楽しい予定があってもどうしても起きられないタイプ」の2つに分かれます。

まずはお子さまがどちらに該当するかを慎重に見極めましょう。 

  1. 好きなイベントの時は、朝きちんと起きられる状態
  2. 好きなイベントの時でも、どうしても起きられない状態

好きなイベントとは、たとえば買い物やお出かけなど、外でのアクティビティのことです。

学校に行くことは難しくても、友達と遊びに行く予定だったり、家族で旅行をしたり……。

そんな楽しい予定の時にきちんと起きられるお子さまの場合、ちゃんと手順を追った対応をすれば、生活リズムも改善していきます!

ご注意

ただし、好きなイベントがあっても、
どうしても起きられないというお子さまに対しては、無理に改善しようとなさらないでください。

この場合、スリープクリニック(睡眠外来)など、医学的な相談も視野に入れていいかもしれません。

まずは、お子さまがどちらのタイプなのか、慎重に見極めましょう。

生活リズムを無理なく改善していくには?

生活リズムの改善は、子どものストレスを減らすことから始め、少しずつの早起き、自尊心の回復、そして夜の睡眠環境の工夫へと、

4つのステップを順番にゆっくり進めていくと無理がありません。

楽しい予定の時は、朝が早くても起きられる子どもたち。

そんな彼らが、いざ学校があると起きられなくなってしまう理由は、ほとんどの場合、ストレスが原因となっています。

「学校に行かないといけない」

「学校で勉強をしないといけない」

「みんなと同じように学校へ行かないといけない」

そういった考えが悩みとなって頭の中で大きくなってしまい、体と心のバランスを崩して朝に起きることができなくなってしまいます。

やがて昼に起きて、夜に眠れなくなり……と、
悪循環に陥ってしまいます。

そんな時、どのように改善していけばいいのでしょうか。

以下がポイントです。

生活改善への4つのステップ

子どものストレスを減らす

STEP
1

早起きは少しずつ

STEP
2

生活リズムが戻ってきたら自尊心を回復

STEP
3

夜に寝られるよう工夫する

STEP
4

一気に状況を変えようとするのではなく、ステップバイステップでゆっくりと状況を改善していきます。

STEP1.子どものストレスをどう減らせばいい? 

まずは学校へ行くことの強要をやめ、朝起きた後に
「今日は何か楽しいことがある!」とお子さま自身が思える状態を作ってあげることです。

起床への心理的なハードルを下げることが最優先となります。 

特に不登校の子どもは、朝に強いストレスを感じていることが多いと思います。

それは子どもが
「学校へ行かないといけない」と強く思っているからです。

しかし、起きると
「学校・通学」という現実と直面しないといけません。

つまり一部の子どもにとって
起床=ツラい現実と戦わないといけないという構図になっているのです。

さらに、そこへ保護者さまが「みんなと同じように学校へ行かないと将来真っ暗だよ!」といった追い打ちをかけてしてしまうと、

お子さまはさらにストレスを感じてしまい、ますます朝起きることを嫌がるようになってしまいます。

そのようなことにならないよう、保護者さまは学校へ行くことを強要しないようにしましょう。

代わりに、「明日は昼に出かけてみようか」など、お子さまが起きた後、楽しみになるような外出イベントを予定に入れるなどしましょう。

まずは、お子さまに「朝起きるといいことがある!」と認識してもらうことが大事です。

STEP2.焦らず少しずつ早起きさせるコツは? 

現在の起床時間から「まずは30分だけ早く起きる」といった小さな目標から始め、保護者さまは「(まったく)期待せず、でも応援する」姿勢で見守るのが、お子さまにプレッシャーを与えないコツです。 

「明日から毎日7時起きにしなさい!」といったように、高い目標を掲げても長続きしません。

それどころか保護者さまの言葉にストレスを感じてしまい、
余計に起きられなくなってしまうかもしれません。

また、親の言う通りにできない自分自身にもストレスを感じて、「どうせ自分はダメ人間だ」というように、さらに自己否定感を強めてしまい、悪循環になってしまいます。

遅寝遅起きを改善する際は、「昼起きを少しがんばって10時起きにしよう!」など、ちょっとずつ進めるようにしましょう。

また、状況改善している途中で、お子さま本人が

「明日から、僕は生まれ変わる!毎朝6時に起床して勉強する!」

と言ってくることも
「あるある」です。

そんなときは「(まったく)期待せず、でも応援する」という姿勢が大切です。

そもそも人間の生活習慣がある一日を境にガラッと変わるなんてことはないのですから、6時起きだ!と言っていたお子さまが結局昼過ぎに起きてきても驚く必要も、落胆する必要もありません。

初めから期待しては
いけないのです

また、「6時に起きるって言ったのに!」なんて、揚げ足を取ることはやめてくださいね。

では、どうするか?

「もし早起きしたら、一緒にご飯たべようか」

「一緒に朝、カフェ行くか」

のように、お子さまの早起きという挑戦を応援しているという態度をとってください。

思春期の子どもであれば、朝起きても実際に親とご飯食べることはないかもしれません。

だとしても、こういった一言をかけることで、お子さまは「あ、応援されてるな」と内心嬉しいものです。

不登校になった子どもにとって、早寝早起きの大きな障害は、
「通学しなくてはいけない」という強迫観念です。

「学校に行きたくないな……」と思って夜に寝られず、「学校に行かないといけない……」とストレスに感じるから朝に起きられません。

保護者さまが最優先すべきは、「生活リズムを改善させよう」ではなく、お子さまのストレスを緩和することです。

そして「朝起きたら、楽しいことがある!」とお子さまに思ってもらうことです。

この2点、ぜひお忘れなきようお願いします!

STEP3.生活リズムが戻った後に自尊心を回復させるには? 

「学校に行かない時間を使って、体力をつけたり好きなことをやろう」と、昼間に起きている時間にポジティブな意味づけをしてあげることです。

これによって、社会からの疎外感を和らげることができます。  

不登校になって、「学校に行けなくなってしまった自分はなんて情けないやつだろう……」と、

自尊心や自己肯定感が低下してしまった子どもにとって、
昼間に起きているのは相当につらいことです。

なぜなら、(性格が真面目なお子さまほど)皆が通学している学校生活を送っているとき、自分だけ社会から仲間はずれになっているような疎外感を強く持ってしまうためです。

こんな時、どうすればいいか。

まずは、「今は学校に行くことが難しい状態だし、通学してもいいし、しなくてもいい。

それより、学校に行かない時間を使って、体力をつけたり、自分の好きなことをやるようにしよう」と思ってもらいましょう。

昼間起きていることにポジティブな意味づけをしたほうが、多くの子どもは昼間にきちんと活動できるようになっていきます。

STEP4.子どもが夜に眠れるようになる工夫とは?

日中に「頭を使う」「夕方以降の散歩で体を使う」「就寝2時間前にお風呂で温まる」という3つの快眠ルーチンを整え、夜22時以降のスマホやネット利用はあらかじめ約束を交わして制限することです。

子どものストレスに感じる心をほぐす方法は前述の通りです。

しかし、生活リズムを改善するためには、結局のところ「早寝」ができないといけません

子どもに限らず、大人だって朝方まで活動したら、翌日に早く起きることは難しく、健康も崩してしまうからです。

一説には、22時~午前2時が眠りのゴールデンタイムと呼ばれて、この時間に寝ると、
成長ホルモンが出て、体力の回復とともに、心理的ストレスも緩和されやすいとされています。

このゴールデンタイムに睡眠をしっかりとるためには、それまでの間に、きちんと疲労して、眠るための工夫をしておくことが重要です。

ゴールデンタイムに寝るコツ

ごくごく一般論ですが、ビーンズでお勧めしている寝る前のルーチンです。

  • 頭を使う
    20時くらいまでに、読書をしたり、ちょっと問題を解いてみたり、「考える」という行動をしてみましょう。
  • 昼間に体を使う
    夕方~夜の間に20~30分ほど散歩で良いので、近所を歩きます。

    身体を疲れさせて、体温を上げる時間を持つことは睡眠において重要となります。
  • 寝る前にお風呂
    一日のリズムを整える上で、お風呂は欠かせません。

    睡眠の2時間前までに、湯船に浸かって、しっかり温まって体温を上げる。

    その後、体温が下がったところで布団に入るようにすると眠りにつきやすくなります。

    このお風呂を習慣化させただけでも、一気に寝つきが良くなった子どももいますので、おすすめです!

さらに、夜特に22時以降、お子さまにパソコンやスマホに触れさせないようにすることも重要です。

ブルーライトは目から脳を刺激して、睡眠の妨げとなってしまうからです。

「スマホ・ネットは22時まで」と、夜の間だけルールを徹底することも大事です。

この時、事前交渉なしで取り上げてしまう・取り上げたまま翌日も返さないような行為をすると、

お子さまのストレスが膨らんで、かえって状況が悪化してしまいます。

まず、「スマホ・ネットを制限するのは、生活リズムを整えるため」だとお子さまへ伝え、

時間をかけて交渉した後、夜の間だけ使用を制限するという約束をきちんと交わすようにしましょう。

詳しくは
こちらの記事もご覧ください。

ゲームを買う時のルール・依存を避ける対応方法

ゲームを購入する際のルール決めと依存しないための対応方法については、こちらの記事もご覧ください。

生活リズム改善の道すじとは?

まずは家庭を「絶対安心の場」にして元気を蓄え、少しずつ昼間の活動を増やして自尊心を回復させながら、最終的にお子さま自身が
「これからどうしよう」と進路を考え出すまでが一連のステップです。

ビーンズの考える状況改善の流れと保護者さまがやるべきことをまとめると、以下の通りです。

状況改善の流れ

  • お子さまがご自宅で楽しく活動できるようになる
  • お子さまが昼間に楽しく活動できるように働きかける
  • 健康的な生活と、抑圧しない環境を作り、お子さまの自尊心を回復させていく
  • 自尊心が回復すると「これからどうしようかな」と進路を考えるようになる
  • お子さまが自分の状況を改善したいというサインが出してきたら、保護者さまと一緒に進路を考えていくようにする。

(この時、復学できそうなら復学でも良いですが、また揺り返す危険もありますので、ビーンズとしては、このタイミングでお越しいただけるのがベストと思います)

昼夜逆転改善のために保護者さまができること

  • お子さまとの雑談を増やす
  • お子さまから学校の是非を聞かれたら「学校は行ってもいい、行かなくてもいい」という姿勢を示す
  • お子さまが朝に起きる「動機」をつくる(朝ごはん、朝カフェなど)
  • お子さまが昼間に活動する「動機」を提案する(ランチ、映画、野外でのアクティビティなど)
  • 生活リズムが改善して、お子さまが「なにかしなくちゃ」と考え出すサインを見極める
  • お子さまと「より昼間の時間が豊かになるにはどうすればいいか」を一緒に考えていく

まとめ 昼夜逆転を解決する最初の一手は?「お子さまとの雑談量を増やす」そして"無料相談"!

今日からできる最初の一手は、お子さまとの何気ない雑談を増やして「家を一番安心できる場所」にすること、そして保護者さまが一人で抱え込まずにビーンズの無料相談を活用してみることです。

生活リズムの乱れと、不登校の問題は、密接な関係にあります。

ただ、ほとんどの場合、どちらの改善方法も同じことです。

昼夜逆転になってしまったお子さまにとって現実世界はストレスにあふれています。

さらにお子さまへストレスをかければ、お子さまはストレス源のない夜の世界へますますはまり込み、昼間の世界から逃避してしまいます。

ポイントはお子さまのストレス源を減らし、昼間の楽しさを増やしていくことです。

ご自宅だけでもお子さまにとってストレスのない・楽しみがある世界にすること。

そのための最初の一手は、お子さまとの雑談量を増やし、お子さまにとって「ご家庭を絶対安心の場」にしていくことです

こんなときは個別相談を!

  • お子さまが「明日から生まれ変わる」と言って早起きに挑戦するも、結局起きられず自己否定感を強めているとき
  • 保護者さまがお子さまにプレッシャーを与えない「期待せず、でも応援する」具体的な声かけに迷うとき
  • 保護者さまがお子さまと夜間のスマホ・ネット利用について、関係を壊さずに交渉・約束する進め方に困るとき

思春期支援の考え方

思春期支援の考え方について紹介している、こちらの記事もご覧ください。

まとめFAQ

1:昼夜逆転している間は、学校の宿題や勉強は一切させないほうがいいですか?

はい、生活リズムが不安定な間は無理に勉強をさせる必要はありません。

まずは心と体を休めてエネルギーを回復させることが最優先であり、元気になれば勉強はいくらでも遅れを取り戻せます。

2:昼夜逆転のまま「フリースクール」や「塾」などの
居場所を探し始めても大丈夫でしょうか?

お子さまが「外に出たい」「現状を変えたい」というサインを出していない段階であれば、まずは焦らず家庭を安心の場にすることに専念してください。

昼間の活動時間や雑談が増え、本人の自尊心が回復してきたタイミングで次の居場所を提案するのが最もスムーズです。

3:夜中にずっとゲームやスマホをしていますが、力づくで取り上げても良いですか?

力づくでの没収は、保護者さまへの不信感を強めストレスを悪化させるため避けてください。

ゲームやスマホは現実の辛さから逃れるための「防衛策」でもあるため、時間をかけて制限の理由を話し合い、納得の上で夜間のルールを決めていくことが大切です。

4:昼過ぎに起きてきた子どもに対して、親はどんな表情や声かけで接すればいいですか?

責めるような態度は見せず、「おはよう、よく眠れた?」
といつも通り穏やかに声をかけてあげてください。

起きてきたこと自体を普通に受け入れてもらえる安心感が、お子さまの「明日はもう少し早く起きてみようかな」という前向きな気持ちにつながります。

5:平日は昼夜逆転しているのに、土日のイベントだけ元気に起きるのは「甘え」ではないですか?

甘えではなく、学校や平日の日常に対してそれだけ強いストレス(起床=ツラい現実)を感じているサインです。

「楽しいことなら動けるエネルギーはある状態」と
ポジティブに捉え、まずはその週末の外出などの成功体験を積み重ねていきましょう

家庭での子どもの接し方のヒントに……

また、ビーンズの授業や子どもへの接し方の方針をお知りになりたい方は以下の記事もご覧ください。

ご家庭でのお子さまへの接し方へのヒントがあるかもしれません。

セミナーの全体動画

本記事の内容を含む保護者セミナーの全体動画。保護者さまにお伝えしたい内容が、1時間を超えて詰まっています…!
ビーンズの考え方をある程度順序だててご理解したい保護者さまにオススメです!

親の見守り力

本記事の前提となる「親の見守り力」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

本記事も含め、どの記事に書いてある方針やアドバイスも『ビーンズメソッド』という”悩める10代”へのサポート方法に基づいています。

ビーンズメソッドってなに?」という方は以下の動画をご覧ください。

ビーンズのサポート方針

こちらの記事で「ビーンズの授業方針」を詳しく解説しています。

参考:ビーンズメソッドを取材いただきました

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん

このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演したときの様子です。(ダイジェスト版)

そして、ビーンズも取材いただいた『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)。

さらに、講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドのエッセンスを端的にまとめていただきました。こちらもぜひご覧ください。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 63f91da4a062732f9b118912c440d5ea.jpg

10代の心をフリーズさせるもの…不登校専門塾が教える「大人がやってはいけない」こと

生きる重荷を軽くしたい…不登校専門塾が提案する“子どもを幸せにするための法則”

✔ ビーンズへご相談

ご相談だけでも承ります。
状況改善へ向け一緒に考えていきましょう!


\ ビーンズのことをもっと知りたい方へ /
昼夜逆転している子どもの姿と、昼夜逆転のサポートの説明をしている写真

不登校になって昼夜逆転した中学生・高校生。子どもが昼間活動するために保護者ができること