子どもが新しいゲームをねだってきた時に親が取るべき対応法

子どもが学校生活を過ごす中で、話題になるキーワードの一つがゲームです。クラスメイトには必ずゲームをやっている子がいますし、自然と、我が子も「ゲームが欲しい」と思って、親におねだりを始めます。

この時、保護者さまは、子どもにゲームをさせるべきか、させないべきか、とても悩まれるかと思いますが、当塾ビーンズの結論(指導方針)は以下の通りです。

・基本的には買い与えるべきではない。
・もし買ってあげるのであれば、無策で買ってはいけない
・ゲームを買ってあげる=子どもは必ず依存するものだと認識しておく
・子どもの趣味がゲームだけに依存しないよう、徹底したルール作りをして、約束させる(制限を設けておく。)

以下、詳しく説明させて頂きます。

最近のゲームはやすやすと買い与えてはいけない

昨今のゲームは面白すぎる!

まず最初に、保護者の皆様に知っておいて欲しいことが、最近のゲームは面白すぎる、ということです。子どもに限らず、大人だってハマってしまうほど魅力に溢れています。

ですので、もしゲームを買い与えたら、子どもがハマってしまうのは必然ですし、生半可なルールで止められるような、なまぬるいものではありません。

そのため、大前提として「ゲームをやすやすと(無策で)買ってはいけない」と、ビーンズでは主張しています。

ゲーム依存は国際的に疾患認定されたことを知っておく

2018年、WHO(世界保健機関)によって「ゲーム依存=日常生活に支障をきたす国際的な疾患」として認定がされました。(それくらい、最近のゲームは面白すぎることを知っておきましょう。)

※参考

・WHO、ゲーム依存症を「疾患」認定へ 予防や治療必要
https://www.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html

・どうしてもやめられない……「ゲーム依存症」を精神疾患として認定へ
http://bunshun.jp/articles/-/8045

・ネット依存の中高生93万人…5年で40万人増
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180903-OYTET50005/

・ネット依存 中高生の14% 厚労省推計 5年で倍増の93万人に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018090102000135.html

「子どもの意志がしっかりしていればゲーム依存は抜け出せる」は甘い考え

今現在、「ゲームをやってしまうのは子どもの意志が弱いからだ!」という考えや「子どもの心がしっかりしていればゲーム制限はできるはずだ!」という考えの保護者さまは、まず、その考えが誤っていることを認識してください。

WHOの警鐘にもあるように「ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気」とされています。「我が子なら大丈夫」という甘い考えは抱かず、「我が子もそうなるかも。だから気をつけないといけない」と考えて下さい。

とくに、学校に行けず、外にコミュニティを持たない、不登校・ひきこもりの子にとって、ゲームには依存の要素しかありません。なぜなら、最近のゲームは、昔みたいに「終わり」が設定されていないことが多く、また、ネットを介して全国の同じ趣味を持つ人たちと交流しながら遊べるためです。

最近のゲームの魅力とは
・最近のゲームは一人で一つの物語を攻略して終わる単純な内容ではない
・まるで現実社会で求めることが、すべてゲームで代替(満足)できてしまう
・ゲーム内で仲間と集まって、一緒にイベントに取り組んだり、チーム対チームの大がかりな対戦をしたり、お互いに感情を爆発させて、まるで充実した部活動のような素敵な時間を過ごせてしまう
・ゲームと一緒にチャットや通話もできるし、ゲーム自体も「ラスボス(話の終わり)というものが存在せず、永遠に楽しい時間が繰り返されてしまう

【結論】
⇒ずっと家にいる子が面白いゲームに依存することは必然であり、自分の意志だけで抜け出すことはかなり難しいです。(むしろ、ゲームの世界のほうが自分のアイデンティティになっているため、その否定を頭ごなしにされたら、なおさら心が傷つき、状況改善は困難を極めることになりかねません。)

このように、一度ゲーム依存してしまい、現実社会に目を向けられなくなると、改善は困難を極めます。今の時代のゲームは本当に面白すぎることを認識して、もし買い与えるときは親がきちんと覚悟を持ち、事前に親子でゲームのルールをしっかり決めてからにしましょう。

親はゲームのセッティング方法とゲームの没収手段の両方を知っておこう

ビーンズでは「子どもにゲームを辞めさせたい」という保護者さまが数多くいますが、不思議なことに、その保護者さまの多くが、「ゲームやネットのセッティング方法を知らず、没収の仕方が分からない」ということがあります。(どのケーブルをどのような手順で抜いたら良いか分からない、など。)

こういう状況になると、親がいざという時にアドバンテージを発揮できませんので、ゲームを買い与える前に、必ず親がゲーム・ネットのセッティング方法や没収手段を把握しておくようにしましょう。きちんと手はずを整えて、いざという時には親がすべてを取り上げる知識と権力をきちんと持っておくことが、ゲーム依存をストップさせるための大事なキッカケとなります。

ゲーム機を無造作に与えておいて、後から「ゲームするな」は、あまりに無策

これはビーンズへ相談される保護者さまにも多いのですが、子どもたちにとって超楽しいゲーム機を無造作に買い与えて、あとになって「うちの子、ゲームばっかりするんです!」と、子どもを感情的に批判することは、あまりにも無策です。

前述しましたように、今時のゲームというのは、子どもの意志一つだけで制限できるほど、生易しい娯楽ではありません。中毒・依存になって、現実社会の生活にも支障をきたしかねないものですので、もし、ゲーム機を買い与えるのであれば、きちんと事前にルールを決めておいて欲しいと思います。

ゲームを買う時は必ずルールを最初に決めておく

やるべきは公平なルールメイク

ゲームを買ってあげる場合は、必ず「目標」と「ルール」を決めましょう。

・子どもが何を達成すればゲームを買ってあげるか、目標を定める
・子どもがゲームをやるにあたって、制限時間などルールを決める

ルールは後出しになると、子どもが怒ったり反発することが多いので、必ず最初に決めておきましょう。(消費税が後から上がったりすると苛立つ感情と同じです。最初に言うことが大事です。)

目標は現実的な条件にする

保護者さまの中には、「ゲーム機を買い与えたくはない。でも、勉強はして欲しい」という考えのもと、「じゃあ学年で三番以内になったら買ってあげる」など、子どもの能力を大きく超えたムリなハードルを突き付けてしまう方もいます。

これをすると、お子さまは、「そんなの絶対に無理じゃん……」となってしまい、ただ意欲を失うだけの結果に終わってしまいます。親が、そもそもゲーム機を買い与えたくないのであれば、正直にそう伝えた方が誠実ですし、そういった言い方ばかりを続けていくと、子どもが親に対する信頼を損ない、親子関係の劣悪にも繋がります。

目標はきちんと現実的なものにして、子どもに公平感を与えて、しっかりと努力→成功の流れを体感してもらえるようにしましょう。

ルールを決める時は口頭でなく、書面にして徹底して約束させる

口頭で交わした約束はすぐにうやむやになりますので、必ず書面で交わすようにしてください。詳しいやり方については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

もし、子どもにゲーム機を買い与えるのであれば、必ず最初にルールづけをしてからにしましょう。

無造作に買い与えて、すっかり依存症になってしまってから、「さあどうしよう……」と対策を練ろうとしても、解決は困難を極めます。

※補足:ビーンズのゲームに対する考え方

まず、ビーンズでは、ゲームを無造作かつ無策で買い与えることに反対です。在籍生徒については、総じてゲーム時間を減らしていく方向で、すべての保護者さまとも話しています。(これは、全保護者さまの願いと言っても良いです。)

確かに、ゲームが子どもの一部学習能力の向上に役立つ側面もあるとは思います。しかし、自分で制限をかけられないタイプの生徒にとって、それ以上に弊害のほうが大きいため、ビーンズではゲームには基本的にNOを唱えています。学校や進路進学、将来のことを何も考えないまま、ただゲームをするだけで時間をムダに浪費してしまっている(浪費できてしまう)生徒をそのまま放置しておいても何も状況は改善されないからです。

ゲームを趣味や娯楽として息抜きで楽しみ、しっかりと現実の人生を頑張れる人は良いのですが、問題は自制できない人です。まずは、しっかりと自分の状況を改善し、将来を考えるところからスタートして欲しいと思っています。

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