【保護者セミナー風景紹介】うちの子はどのタイプ?「思考の補助線」でわが子を理解する

「なぜ、うちの子はあんな行動をとるんだろう?」

「何を考えているのか、さっぱり分からない……」

わが子の「心の正体」が見えなくて、出口のない不安の中にいる保護者さまは少なくありません。

先日開催したセミナーの後半、参加者の皆さまから

「なるほど!」「そうだったのか……」

と大きな反応をいただいたのが、悩める10代のタイプ分類のお話でした。

わが子の行動を、ただ「困ったもの」として見るのではなく...

タイプ別の「思考の補助線」を通して客観的に眺めてみる。

たったそれだけで、保護者さまを縛り付けていたイライラや不安は、驚くほど軽くなっていくのです

コミュニケーションの個性を知る

「外に出ると、借りてきた猫みたいに一言も喋らなくなる」

「自分の好きなことばかり話して、友達に嫌われていないかしら……」

そんな対人関係の不安を解き明かすヒントが、コミュニケーションタイプの分類です。

これはお子さまの性格を決めつけるレッテルではありません。

あくまで「今、どんな特性が強く出ているか」を整理するための思考の補助線です。

代表的な3つのタイプ

1. 過剰硬直タイプ(緊張の壁がある子)

家族以外の前では極度に緊張し、フリーズしてしまうタイプ。

「このまま大人になっても誰とも話せないのでは?」と心配になりますが、講師の長澤は...

「意外となんとかなります」と断言します。

まずは「沈黙していても、あなたのままでいいんだよ」という安心感に包まれることで...

氷が溶けるように少しずつ言葉が出てくるようになります。

2. 過剰主張タイプ(自分の世界を届けたい子)

相手の反応を気にせず、自分の好きなことをノンストップで話してしまうタイプ。

本当は友達が欲しいのに、一方的な発信で距離を置かれてしまう...

という切ないジレンマを
抱えています。

ここで保護者さまが「もっと相手の話を聞きなさい!」と正論で叱るのはNG。

お子さまのプライドを傷つけず、行動を変えていくには少し「プロの工夫」が必要です。

3. 過剰配慮タイプ(空気を読みすぎて疲弊する子)

相手に嫌われないよう過剰に気を使い、「明るく、いい子」を演じてしまうタイプ。

学校では「問題ない」と思われがちですが、実は本心では無理をしています。

家に帰った瞬間にドッと疲れが出て、自室で倒れ込むように寝てしまう……。

そんなお子さまは、実はこのタイプかもしれません。

特に「過剰主張」や「過剰配慮」のお子さまへの関わり方について、長澤はセミナーでこんな具体的なアドバイスを贈りました。

講師・長澤

過剰主張タイプの子への
指摘は、
親ではなく外部の
『伴走者』に任せましょう。

私たちも『君、喋りすぎだよ』
なんて野暮なことは言いません(笑)

例えば、『昔、孔子という偉い先生がいてね…。知恵のある人は言葉を慎むそうだよ』なんて、大げさなギャグ風にして伝えます。

そうすると、お子さまも『長澤先生がまた変なこと言ってるな』と笑いながらも、『でも確かにその通りかもな』と、

叱られている感ゼロで行動を変えていけるんです。

過剰配慮タイプの子も同じです。

3階の青春、つまりちょっとした喧嘩や摩擦、そしてその後の修復を経験することで、

『一言間違えたくらいで嫌われないんだ』という実感を、時間をかけて育てていくことが大切なんです。

一歩引いて捉える

  • 今の姿は、お子さまの成長のスピードがたまたま今、
    その状態にあるというだけ。
  • 今はたまたま、こういう特性が出やすい時期なんだな。

そう一歩引いて捉えられるようになると、お子さまの「ありのままの姿」も、愛おしい成長の一幕として見守れるようになるはずです。

進路に対する「心の距離感」を知る

コミュニケーションの次に理解しておきたいのが、勉強や進路というテーマに対してどのような「心の距離」にいるかを示す進路観タイプです。

「うちの子、将来のことを何も考えていないみたいで……」と焦る前に、まずはお子さまの立ち位置を客観的に眺めてみましょう。
 

代表的な3つのタイプ

1. アレルギータイプ(進路=恐怖な子)

進路の話題が出ただけで顔が真っ青になったり、
部屋に閉じこもったり。

将来に対して強い恐怖心を持っています。

ここで無理に「向き合いなさい」と迫るのは逆効果。

まずは進路を「自分事」ではなく、「他人事(野次馬根性)」として遠くから眺めるリハビリから始めます。

2. ぼんやりタイプ(今が標準な子)

「将来何したい?」と聞いても
「別に」「わからない」と無反応。

実は、
これが10代の圧倒的な標準です!

ビーンズは20代、30代で見つけたっていいと考えます。

恐怖で煽るのではなく、保護者さまの仕事の楽しかった話など、本人の「半径1cm」から少しずつヒントを渡していくのが正解です。

3. べき論タイプ(「普通」に縛られている子)

「いい大学に行かなきゃ」「普通の高校生に戻らなきゃ」と、世間体に過度にこだわるタイプ。

一見やる気があるようですが、実は強いコンプレックスの裏返しであることも。

本人が「勉強したい」と言うのは、自分を守るための「建前(表層ニーズ)」かもしれません。

講師・長澤

例えば、勉強ができる状態じゃないのに『東大に行きたい』と言う子に、
『今の君には無理だよ』と正論を言うのは絶対に避けてください。

そのを否定されると、彼らは自分を保てなくなってしまいます。

まずは『そうなんだね、東大を目指したいんだね』と、その表層的なニーズを一旦、丸ごと受け止める。

そこからしか、本当の信頼関係は始まりません。

また、ぼんやりタイプのお子さまには、ぜひ保護者さまの『子どもの世界で理解できる範囲の仕事の自慢話』を聞かせてあげてほしいのです。

仕事の愚痴ではなく、

今日はお客さんに喜んでもらえてビールがうまい!

といった、子どもでも内容を理解できて、ポジティブな話を聞かせる。

それが、お子さまにとっての『将来=怖いもの』というイメージを書き換える、何よりの教育になります。

それぞれのタイプに合わせた「小さな一歩」を一緒に探していく。

その積み重ねが、いつかお子さま自身の「やりたい」という火種に繋がっていくのです。

講師・長澤

今の日本では、子どもたちに対して『完成品であれ』という
圧力が強すぎると感じています。

でも、そんなの少数派ですよ。

本来、10代なんてみんなぼんやりしているものです。

保護者さまが
『まあ、10代なんてそんなもんだよね』とどっしり構えていること。

その『諦め』にも似た大らかな受容が、実はお子さまを一番楽にし、結果として自立へのエネルギーを育むことになるんです。

「小さな一歩」を探す

  • お子さまが今、どのタイプにいたとしても、それは決して「停滞」ではありません。
  • 今はまだ、進路との距離を測っている時期なんだな

タイプ分類とは、親子が「息をつく」ための知恵である

今回ご紹介したタイプ分類は、お子さまにレッテルを貼るためのものではありません。

むしろ、絡まってしまった親子の感情をほどき、お互いが息をつくための知恵です。

 そんなふうに一歩引いて眺められるようになると、保護者さまの心に「余白」が生まれます。

お子さまの回復を支えるためには、保護者さま自身の「心の安全基地」が守られていることが大前提です。

「育て方のせい」だと自分を責めるエネルギーを、お子さまの個性を「観察する面白さ」に変えていく。

その視点の切り替えこそが、不登校という長いトンネルを抜けるための、最も確かな道標になるはずです。

【保護者セミナー】記事一覧

思春期支援の考え方について紹介している、こちらの記事もご覧ください。

こんなときは個別相談を!

  • お子さまが「いい大学に行かなきゃ」
    という世間体や建前で自分を追い込んでいるとき。
  • 保護者さまが、お子さまの将来への無反応さ(ぼんやり)に

    焦りや不安を感じているとき。
  • お子さまが外で「いい子」を演じすぎて、家で倒れ込むように疲弊しているとき。

ご家庭での子どもの接し方のヒントに……

また、ビーンズの授業や子どもへの接し方の方針をお知りになりたい方は以下の記事もご覧ください。

ご家庭でのお子さまへの接し方へのヒントがあるかもしれません。

親の見守り力

本記事の前提となる「親の見守り力」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

ビーンズのサポート方針

こちらの記事では「ビーンズの授業方針」を詳しく解説しています。

本記事も含め、どの記事に書いてある方針やアドバイスも『ビーンズメソッド』という”悩める10代”へのサポート方法に基づいています。

ビーンズメソッドってなに?」という方は、まずコチラの動画をご覧ください。

「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん

このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演したときの様子です。(ダイジェスト版)

そして、ビーンズも取材いただいた『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)。

さらに、講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドのエッセンスを端的にまとめていただきました。こちらもぜひご覧ください。

10代の心をフリーズさせるもの…不登校専門塾が教える「大人がやってはいけない」こと

生きる重荷を軽くしたい…不登校専門塾が提案する“子どもを幸せにするための法則”

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