猪狩怜恩(れおん)先生の自己紹介:元生徒からインターン、事務局長。過去の自分に伝えたいメッセージ
前回の記事では、元ビーンズ生、現講師の私、れおんの入塾から大学受験までをお伝えしました。
将来への希望がない……!
大学受験を決めたけど……頑張れない!
自分の完璧主義に苦しめられる……!
この状態、本当にビーンズに来る生徒のあるあるなのです。
今回の記事では、そんなれおんが、大学受験後~現在で何をしているのか、お話したいと思います。
もくじ
猪狩怜恩(れおん)先生の自己紹介 元生徒で今はビーンズの事務局長~後編 ビーンズでの活躍
大学合格
合格発表は、一人自宅で確認しました。
部屋には誰もいないのに、めちゃ平静を装っていたことを覚えています。
冷静沈着にPCを開き、淡々と受験番号を入力し、合格の二文字を見ても、バンザイとも言いませんでした。
でも本当は、「ホッ」としていました。きっと表には出てこない緊張や不安があったんだと思います。
合格を確認してから、まず家族へLINEを、そして長澤塾長へ連絡しました。
その後は安堵の気持ちで脱力して、丸一日寝ていました。
(実はこの発表前に一つ大学に落ちていたので、ここで不合格なら、もう1年浪人かも…という緊張状態にあったんです)
家族が帰宅してくると、おめでとうと言われたのですが、平静を装ってクールに「ありがとう(イケボ)」と言いましたね笑
その後は家族からお祝いの焼肉を。
入学するまでは適応教室時代の友達とボーリングを。
入学式に向けて人生初めてのパーマを。
そんな感じで入学式まですごしました。
大学での学び
今、大学では、社会福祉を学んでいます。
社会福祉を学んでみて、自分にフィットしてるなーと感じることが多いです。
ちょっとカッコイイことを言うと
福祉職は伴走者です。
直接その人をよりよい方向に背中を押すというより、悩んでいる人の声を聴き、その人のニーズに寄り添うスタイルです。そのスタイルの方が自分に合っていると感じます。
大学での学びの目標は、将来、自分がソーシャルワーカーとして、福祉制度や補助金などを利用して目の前の人が生きやすい環境を作っていくための知識を得ることです。
自分が福祉を学ぶ際のキーワードは、「人々の孤独感の解決」です。
僕自身、不登校のときは、家族との関係もそれなりにあり、遊びに行ける友達がいるにもかかわらず、孤独感を感じていました。
今日の日本は、目に見える障害のある人に限らず、広く母親、高齢者、若者など多くの人が孤独を感じる社会構造になっていると思います。
孤独感を解決するキーワードは「コミュニティ」だと感じていて、自助グループに代表されるコミュニティをつくったり・紹介したいなと。
SNS・地域、オンライン・オフラインの区別なく、人と人がつながれる仕組みがあるといいなぁと思っています。
大学生活は一言でいうと楽しいです。中学や高校よりも自由で、自分のペースで生活できるからです。
(もちろん、その自由は、責任とコインの裏表の関係なのですが)
中学や高校は、行かなくても結果としてなんとかなりました……。
しかし大学は自分で決めたスケジュールを自分でこなせなかったら、全部自分にはねかえってきます。
そこは注意して生活していきたいなと思います。
ビーンズでインターンしようと思ったきっかけ
そんな大学生活を送りながら、ひょんなことから、今まで生徒としてお世話になっていたビーンズでインターンを始めることになりました。
インターンを始めるまでは、「広い世界を見たい!」「今までやったことないことをやってみたい!」というモチベーションから、免許の取得やバイトに励んでいました。バイトはゴリゴリの飲食系で、夜中から朝方まで働いたり、ということもザラにありました。
でも実際やってみるとそれも楽しくて、今となっては貴重な経験の一つであり、思い出となっています。
そんな中、僕がビーンズでインターンを始めようと思った最初のきっかけは、正直に言ってしまえば成り行きでした。なんとなく、「不登校になってから大学受験まで、ずうっと面倒を見てくれたビーンズには恩返ししたい」という気持ちがあったのです。
だから最初の動機としては、受け身な理由で始めていましたし、そこまでコミットするつもりもありませんでした。
ただ、始めてみると意外と楽しく、最初は恩返しのためにやっていたものが、「楽しい」という理由で続けられるようになっていました。
もともと僕は人と話すのが好きだったので、ビーンズで色々な生徒や親御さんと話すのは楽しい時間であり、やりがいにもなっていきました。
なおかつビーンズでは、インターン生が新しいアイデアを考え、それをプロジェクトとして立ち上げ実行する機会もたくさんありました。
人と話せて自由に活動できるビーンズは、「今までやったことないことをやってみたい!」と思っていた僕にとってぴったりな場所だと気づくことになりました。
れおんへ聞くビーンズのインターン活動
今も現在進行形で僕はビーンズでインターンを続けており、体験授業も含めた生徒への授業や、事務局のマネジメント、そして「BQC」という社内イベントの運営にも携わっています。
そういった活動の中心になっているのは、生徒へのサポートや保護者さまとのやりとりです。社会福祉の分野で学び続けている僕にとって、これらの業務は自分の将来に強く繋がっていると感じています。
福祉とは、目の前にいる相手を援助する仕事です。ビーンズで実践的に学んでいる生徒サポートの方法や言葉がけのコツは、まさにその個人への援助、サポートする際に用いられるものになります。
そしてビーンズは特に、「心理的安全性」を大切にしています。生徒もスタッフも自分を素直に開示できるような、暖かい雰囲気づくりをビーンズでは心がけているんです。
今後の目標は、その「心理的安全性」をもっと自分のものとし、自分がその場にいるだけでみんなが安心できるような人になることです。モノに例えるなら 「空気清浄機」ですかね(笑)
生徒がどれほどどんよりとした悩みや問題を抱えているとしても、彼らの話を聞くことで、その重い空気をまるで空気清浄機のように吸い込みます。そして暖かく軽やかな空気を作り出し、一緒に楽しく前向きな気分になっていければと思っています。
つまり、
「れおんがいるから安心だな〜」
「れおんがいるなら、どんなことだって言えるな〜」
と、生徒はもちろん、保護者さまにも他の先生にも思ってもらえるような人になりたいです。この目標の達成は、福祉の道へ進んだとしても必ず役に立つものだと考えてます。
やっていること 授業
ビーンズでは、業務内容の一環として生徒に対して授業を行っています。
授業といっても、国語の授業だったり、推薦入試対策を行ったりすることもありますが、生徒を自分事に挑戦できる状態に持っていくために、お話したり他の生徒・先生と交流する時間を設けることもあります。
そんな授業で僕が受け持っている生徒は、年齢も違えば性格も違い、十人十色どころか百人百色です。
僕が受け持っている生徒の中には、自分の好きなことなら延々と1、2時間余裕で喋っちゃうような生徒もいたり、逆に1時間の授業を通して喋らない生徒もいたりします。
そんな多様な生徒と交流できる授業は、僕にとってさながら冒険のようなものです。まるで大海原での航海のような、何が潜んでいるかわからない洞窟探検のような、なんとも言えないワクワクがあるのです。
ただ、だからこそ、授業を行う上で不安を抱えることもあります。
例えば、喋らない生徒の授業では、最初は僕がほぼずっと喋り続ける状態が続きます。
そういう場面では、話題を作るのに苦労したり、生徒が楽しんでくれているのかが不安になってしまいます。
積極的に喋ってくれる生徒であっても、触れてほしくない話題があったり、悪意がなくても話し方によっては傷つけてしまったり、ということもあります。だから2年経った今でも、授業を受け持っている生徒が、自分のせいで傷ついてしまっていないか、楽しめていないんじゃないか、と心配になることがあります。
一方で、授業をやっていることで出会える嬉しい瞬間もたくさんあります。
僕自身が知識ゼロの状態からビーンズ流の推薦入試対策を行っていた経験があるので、推薦入試対策を望んでいる生徒の伴走をすることがよくあります(推薦入試対策について詳しくは後述します)。
その生徒からの合格報告を聞いたりすると、とっても嬉しいですし、「やったなぁ」という達成感で包まれます。
ただ、ビーンズでは生徒を 「面で捉えている」、つまり複数の先生のサポートが基本なので、その結果は決して僕だけの成果ではなく、他の先生、そしてもちろん生徒本人の頑張りもあってこそのものです。
だから、ビーンズで授業をしていて僕が一番嬉しいと思える瞬間とは、保護者さまの喜びの声をいただいた時なんです。
生徒が楽しんでくれていると目に見えてわかる時も嬉しいですが、生徒が一番心を許している保護者さまを通じて、素直な喜びの感想を貰える時が一番嬉しいし、一番安心できます。
実際に今まで、「猪狩先生の授業はなくさないでくれ」というお声もいただいたこともあります。そういうお声やご意見を貰えると、心配や不安を抱えながらも一生懸命考えて授業をしていた自分が報われる瞬間でもあり、これからも続けていこう、という新たなモチベーションにもつながるのです。
やっていること 体験授業
ビーンズで行っている業務は、入塾している生徒への授業だけではありません。入塾する前の生徒への「体験授業」も行っています。
体験授業は、ビーンズ生に行っている授業と同じくらい、もしくはそれよりも大切だと思っています。
なぜなら体験授業は読んで字のごとく、生徒に授業を体験してもらい、それを経て入塾するか決めるものだからです。
つまり体験授業の内容が、生徒が入塾するかどうかを決める大きな判断材料になるのです。もちろん生徒によってはビーンズが肌に合わないと感じることがあるかもしれないし、その気持ちを無視して無理やり入塾させるわけにはいきません。
ですが、ビーンズに体験にきてくれたということは、今の状態にそれなりの辛さやきつさを感じているはずなのです。ビーンズはそんな悩みに向き合うお手伝いをする場所です。入塾してくれれば、僕ら先生たちが全力でそのお悩みをサポートできます。
だから僕は、この分水嶺になっている体験授業は重要だと思ってますし、毎回それなりに緊張してます。
僕がそんな体験授業の時に意識するのは、子どもがビーンズを楽しい場所だと感じてくれるかどうかです。
生徒の悩みはそれぞれで、全てを一律に対処することはできません。勉強についてだったり、人間関係についてだったり、自分の弱みだったり、悩みの種は人によって大きく変わります。
ですが、そんな彼らも「悩んでいる」という状態にあることは同じです。だから、悩んでいる状態から解放されて、安心して、自由気ままに人生を楽しめるようになりたいと、多少なりとも思っているはずなんです。
ビーンズは彼らが安心して楽しく過ごせる環境、人材を用意しています。体験授業というのは、そんなビーンズが垣間見えるいわば窓のようなものであり、その窓の向こう側の景色を正しく映すためが僕たち先生の使命です。彼らがビーンズを家庭と学校とはまた違うサードプレイスと捉えてくれるように、楽しく安心できるように僕は意識し続けています。
僕が体験授業を行った生徒の入塾を耳にした時は毎回すごく嬉しいです。
その生徒は少なくとも、「ビーンズに通ってあげてもいいかな」って思ってもらえたのかなと思うと、大きな達成感を感じます。
保護者様からの生徒が入塾したからこその喜びの声もすごく励みになっています。
生徒だけでなく、保護者さまがいてこそのビーンズでもあるからです。
ただ、体験授業は決してゴールではなく、当たり前ですがスタートに過ぎません。「入塾してくれたからいいや〜」ではなく、入塾後彼らをどうサポートしていくか、どう彼らの成長を伴走できるかといった、彼らの未来の可能性を広げられるような授業作りをしていきたいですね。
やっていること 事務局
そして、僕は事務局長も務めているので、事務局の運営も僕の重要な業務のうちの一つです。
ビーンズにおける事務局とは、授業・保護者対応を行いながら、請求業務やお問い合わせの対応などを担う部署です。
最初は事務局のしがない一員としての僕でしたが、事務局の業務に責任感を持って続けた結果、最高責任者という立場をいただくことができ、これまで以上に頑張りたいと思っています。
事務局長になるまでの過程では、たくさんの人の支えがありました。
事務局メンバーとして入った当時は、新しい業務内容に戸惑いはしたものの、以前の事務局員がマニュアルを整えてくれていたので、慣れていくのは難しくはありませんでした。
なおかつ、新米の僕が業務を理解できるように、マニュアルの読み合わせを一緒にしてもらったり、そばについてもらって業務を見てもらうことで、ミスしても安心できる環境を作ってくださったり、僕が仕事でアップアップになっているときは、肩代わりしてもらうこともありました。
(あの時「大丈夫ですか? 一緒にやりましょー」と声をかけてくれたひなぽん先生、本当にありがとうございました...(泣))
事務局のメンバーとして活動していく間は業務面だけでなく、精神面でもつまづくことがありました。そんな時でも事務局のメンバーはサポートを欠かさず、1対1で話す時間をとってくれたり、ご飯に連れてってもらうこともありました。
助けてくれた長澤先生、のむしゅん先生、ひなぽん先生には感謝してもしきれません。
僕が事務局長となった今、いざ自分がサポート側に回って彼らのように細かな気遣いや声かけをできるかは不安ではあります。しかし、彼らが僕を事務局長として任命してくれたということは、それなりの実力があることを認めてくれた、ということです。その認めてもらった実力に自信をもとに、一人に負担をかけることなく、みんなで楽しく業務を行えるような事務局を作り上げていくことを目標に頑張っていきます!
やっていること BQC運営
さらに僕は、ビーンズでBQCというビーンズのスタッフ内でのイベントを運営させていただいた経験もあります。(こう考えると、僕って結構いろんなことを経験させていただいてるんですね!)ビーンズは生徒だけではなく、スタッフにも幅広い経験をする機会を提供してくれているのです。
「BQC」とは、「Beans Quarterly Conference」の略称で、ビーンズ(Beans)で行われる3ヶ月に一度の(Quarterly)スタッフ総会(Conference)のことを意味します。その総会では、ビーンズのメンバーの繋がりをより強固にするために、全体の方向性などを話し合ったり、その3ヶ月間で活躍した方への表彰なども行い、みんなで感謝を伝え合っています。そして僕は去年に、BQCの運営に携わらせていただきました。
BQC運営に入ったのは、副教室長ののむしゅんのお誘いがきっかけでした。それまでBQCには運営側ではなく、参加者として関わっていただけでした。
誘われたのは2022年の5月6月頃でしたが、当時はあまり乗り気ではなかったです。
参加する側として楽しんでいたものの、「総会」という、少なくとも名前が厳かな雰囲気のあるイベントを、僕が運営できるとは思えなかったのです。
真面目=楽しくない、という公式を持っていた僕にとって総会を運営することは自分にとっては荷が重すぎると思っており、自分から立候補することはなかったです。ですが、お世話になっていたのむしゅんのお誘いは断れず、しぶしぶ運営に入ることになりました。笑
BQCで僕が一番最初につまづいたのは、運営の打ち合わせの段階からでした。
順序立てて話すことに慣れていない僕は、打ち合わせにおいて議論の内容を頭の中で整理することが苦手でした。他のメンバーが今何を問題視して、何を話し合っているか、といったような流れを捉えることができていませんでした。だから僕は単に相槌と同意を繰り返すだけのボットになっていました。
が、そこも奥尾さんに見抜かれてしまいます。
そして「同意だけしていたら、話し合っている意味がなくなってしまう、苦手ながらも意見を出すことに意味がある」ということを教えていただきました。
そんな中、私を救ってくれたのは、またしてものむしゅんでした。
BQCの打ち合わせや会議の進行は彼が全て担ってくれて、僕は自分の思考に全てのリソースを回すことができました。しかも会議の大まかな流れだったり、回し方だったりも僕に伝えてくれました。僕は当日司会を担当しましたが、彼はそれにあたりタイムキーパーもやってくれ、司会をやっている僕へ「時間が押してるから、まこう!」「ここは削ろう」と、進行の調整までやってくれました。司会という役割は、会が開かれている間は結構孤独です。ですが、のむしゅんがいてくれたことで安心感が格段に違いました。のむしゅん様様です。
BQC運営メンバーのみんなと
そのおかげで、自分自身がBQCを作り上げていく中で成長できました。論理立てて話をしたり、話の論理性を苦手としていた僕でしたが、打ち合わせでのブレストを自分から整理していったりを自分から行うようにしていきました。そのおかげで、別々に分けている目的や問題意識などが重複していないか、といった企画の詰め作業や細かな配慮などができるようになってきました。
BQCの企画案を詰めていくときは、めっちゃ楽しかったです。
BQCの企画は、会のテーマ決めから始まります。
BQC自体の目的はいつも同じですが、会を行うごとに環境やスタッフなどといった状況は変わっていきます。
その状況での問題点や改善点を洗い出し、今回のBQCの目的を立脚したり、どんな時間を参加者に届けたいかを考えるのは、ビーンズの運営に所属しているのが感じられて嬉しかったです。
さらに、のむしゅんとより面白い企画を考えたり、ちょっとしたサプライズを陰で悪だくみしてみたり、というのは青春を感じられました。
これは個々で黙々と作業するのではなく、二人で話しながらだったからこそ楽しめていたんだと思います。
もちろんBQC当日もすごく楽しかったです。
司会を勤めさせていただいただけあって、緊張はありましたが、参加者のみんなのノリがよかったのもあり、盛り上げようとすると素直に盛り上がってくれ、まるでクラブのDJのような気分でした(笑)
進行中は会を進めているだけで精一杯でしたが、終わった後は状況に合わせた進行ができたと自分でも評価できるほどの仕事ができて、充実感に包まれました。
直後は緊張とそれまでの頑張りからどっと疲れが押し寄せてきました。ですが、BQC運営は今でもビーンズで作った良い思い出の一つです。
こちらはタコパの様子。BQCだけでなく、こういう会があるのもビーンズの楽しみの一つ
この記事を読んだ保護者さま、過去の自分に伝えたいこと
こうして、今振り返ってみると、いつの間にかストレスに対する耐性がついていたように感じます。
生徒への授業、入塾のための体験授業、事務局運営、BQC運営、たくさんの業務をこなしてきました。一つ一つに辛い時期や、立ち止まってしまった時期はありましたが、今となっては立派な成功体験です。
3年前の僕だったら、タスクが溜まっていたり、期限に追われるだけで寝込んでしまい、何一つとして手につかなかったはずです。
しかし、それが今では、ストレスを感じることはあれど、一つずつ淡々とこなしていくことができるようになりました。
この力がついた始まりは、受験期に「受験するぞ」と腹をくくって、ビーンズの先生方に支えられながら、タイトなスケジュールに向き合い始めたことかもしれません。
と、書くと読者の方の中には
「やはり、(不登校の改善には)努力が必要なんだ!」
「根性が大事なんだ!」
と思われる方もいると思います。
が、ちょっと待ってください。
自分が状況改善できたのは、親があるタイミングまで待ってくれていたこと(とても不安だったと思いますが)、ビーンズも待ってくれていたこと。
そして時間をかけ信頼関係をつくって、自分が肚落ちするのを待ってから、初めて正論を伝えてくれたことだと思います。
ですから、この記事を読まれている保護者さまには、ぜひ「待つ」という選択肢を大事にしてあげて欲しいと思います。
もちろん待つ"だけ"では状況は動きません。
お子さまが動き出すための準備として家庭を絶対安心の場として作り上げていただきたいです。
「家庭を子どもにとって絶対安心の場にする」……。(親にそうしてもらった)自分の経験からも分かりますが、簡単なことではないと思います。
うまくいかないことも数え切れないほど経験するはずです。その時のためのビーンズです。保護者様一人ではできないようなことがあれば、ビーンズが全力でサポートします。不登校の状態から今まで生きてこれた僕がその証拠です。
この記事を読んでくれているあなたが、不登校の高校生だったら…
もしかしたら今悩んでいるあなたは、理想とする生き方ができなくて、それを自分で責め続けて辛さを感じているかもしれません。ただ僕がここでわかって欲しいのは、世の中にはいろんな生き方がある、ということです。
僕自身、人生には決められた型があって、その型にハマらなきゃと思ってた時期がありました。
その型からこぼれ落ちてしまえば、受験から就職、はては老後まで全てうまくいかなくなってしまうんだろうな、って。不登校だった僕にとってそんな社会は絶望的で、生きがいなんてものは見失っていました。
ですが今では、未来はそこまで悪くないかもな、と思えています。
それはビーンズで色んな大人に出会い、ビーンズで身につけた基盤をもとに大学生として生活している中で、彼らは決して完璧ではないし、完璧だと思う人でも悩んだりすることがあるとわかったからです。
あなたの周りには自分が理想とする、完璧だと思えてしまう生き方を平然とこなしてしまう人がいるかもしれません。
だから、「今の自分も肯定される」、という考え方は理解できないかもしれません。でも理解はできなくとも、知っておいて欲しいんです。
あなたの周りの人のような生き方もあれば、僕のような生き方もあり、僕ですら知りもしないような生き方があるんです。
だから、最終的には「こんなやつもいるのか〜」と力を抜いて生きられるようになって欲しいです。
僕の周りには、不登校からビーンズの人事のトップになったり、不登校から大手企業に内定をもらったり、留学をしたり……といった人たちもふつうにいます。
話を聞く限り、それぞれがそれぞれの悩みを今も抱えながら生きています。彼らはもちろん優秀ですが、ビーンズに入塾してる生徒をみている限り、今の子どもたちには僕らよりもずっとすごいポテンシャルを感じています。
だからみんなには、少しでいいので希望を持って欲しいです。
「今のままでもいいかもしれない。これからの人生も悪くないかもしれない」と思えるようになって欲しいんです。僕の経験を綴ったこの記事が、少しでもその助けになればと思います。
できるだけ多くの悩めるあなたに、このメッセージが届きますように。
ビーンズでは、他にもたくさんの卒業生たちがいます。ぜひ彼らの物語も読んでみてください。