元生徒で栄養士の“しおん氏”に聞く「悩める10代」の食事と健康

学習支援塾ビーンズ BM企画室長/HR企画室所属 山田明季 元生徒 栄養士 しおん

元生徒 栄養士しおん氏に聞く「悩める10代」の食事と健康

この記事では、健康には一家言ある、わたくしだあきが、ビーンズの元生徒であり、現在は大学病院で栄養士として活躍する、元生徒のしおん氏と一緒に、食事と健康について悩む10代の皆さんに役立つ情報やアドバイスをお届けします!

しおん氏は、10代の頃に食事と健康に悩んでいた経験がありますが、調理師、そして栄養士になるために勉強し、自分の食生活を改善、健康を手に入れ、今では、ばりばりにハードワークしています。そんな、しおん氏が、どうやって食事と健康のバランスを取っているのか。
また、私達がカンタンに健康になるためにはどういう食事をすればいいのか。
しおん氏に聞いてみようとおもいます。

山田  明季(YAMADA AKI)
BM企画室長/HR企画室所属
医療機関への経営・採用コンサルとして全国各地の病院を担当した経験を持ち、また自身がハードワークで体調を崩したこともあって、健康への造詣が深い。
人生のテーマは「大人も子どもも、身体が健康で人との繋がりを感じられる社会にしたい」。
愛称は"だあき"先生
詳しい自己紹介

しおん氏と仕事

だあき:まずは、自己紹介をお願いします!

しおん氏:元生徒のしおんです。今は、大きな病院で栄養士として日夜働いています。

だあき:具体的にどんな仕事なんですか?

しおん氏:1食60〜80人分の食事を朝昼晩作っています。

だあき:そんなに!結構な人数なんですね。

しおん氏:シフトは2交代なのですが、1つが始発で出発して5時半くらいから働くか、もう1つが前日に職場の仮眠室にいって4時から働くか……とにかく朝がめちゃくちゃ早いです(笑)
そこから朝食を作って、それを運んで…と仕事が始まります。

だあき:え、そんなに朝早いんですね!元々朝は強かったんですか?

しおん氏:そんなわけありません。不登校時代の生活は後で話そうと思うのですが、本当に昼夜逆転していました。今は、慣れと「好きなこと」だからやれている感じですね。

だあき:なるほど……。やはり「好きなこと」だからやれているってことですよね。
ビーンズで自己分析して、今の職場に入社したわけですけど……


「好きなこと」を仕事としてやっていく中で、実際に自分の夢に近づいている感じはありますか?

しおん氏:ありますねー。私の理念というか、ミッションは「人を健康にさせたい」です。
それが、まさに職場の中で、できている感じです。

過去の生活と食事

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不登校の時代の生活と食事

だあき:それでは、しおん氏の「食生活も乱れてて体力もなかった」という過去から、どういう変化があったか聞いていきたいと思います!

しおん氏:これ、最初から話す感じですか?

だあき:お願いします!

しおん氏:まぁ、詳しい話は、別の記事で読んでもらうとして。
その当時は、ゲーマーだったので、不登校の鉄板、昼夜逆転でした。
生活のルーティンもくそもなくてゲームと寝るばかり。
ゲームに集中するときは20時間くらいぶっ続けで、寝るときは14時間睡眠とかしてましたね~。
寝てるか、ゲームするか、ご飯食べるか……というある意味シンプルな生活でした。
当然、体内時計も狂ってましたが、それをなおそうっていう発想にもならなかったですね。

食べ物は、朝昼は食べずに、夜一食だけ。
飲み物は、眠気覚ましのお茶しか飲まない。あとたまにグミを食べてました。

ほんと、あの頃は、親が作ってくれてた夜の一食の栄養素だけで生き延びてたと思います(笑)

学習支援塾ビーンズ BM企画室長/HR企画室所属 山田明季 元生徒 栄養士 しおん

食事のメインがパン

だあき:学校に復学してからの食事はどうでしたか?

しおん氏:朝は食べず、毎朝ぎりぎりに起きて風呂だけ入って学校に出発する感じでした。
高校の時は、通学路でコンビニに寄って菓子パン2つと野菜ジュースを買ってお昼ご飯にしてました。夜は家で普通に食べてましたね。

だあき:なんで菓子パンだったんですか?

しおん氏:なんででしょうね(笑) 物理的に軽いし弁当持っていくの荷物かさばるのが嫌だったんだと思います。持っていく自分もめんどくさくないし、親に弁当を作らせる手間もかけない。あと安い。当時は「俺って合理的」とか思っていたんじゃないかな。

後でしゃべると思うんですけど、とにかく栄養不足ですよね。特にタンパク質が決定的に不足するという。

だあき:ちなみにパンの種類ってなんでした?(笑)

しおん氏:コーンマヨやツナマヨ、焼きそばパンみたいな、王道の惣菜パンを食べてました。
あとは申し訳程度の野菜ジュースですね……(笑) 野菜は元々好きだったので。

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当時の体調

だあき:今、振り返ると当時の体調面はどうでしたか?

しおん氏:もう今とは、天と地の差です。

不登校の時もそうでしたが、復学してからも、基本朝はパワーが湧かず起きるだけで精一杯

学校についても、パワーが全く出なくて頭が回らない。だから授業中はほとんど寝てました

お昼食べたら、「ちょっと勉強するか~」って感じで、そのまま委員会とか部活とかするんですけど、それでバテちゃう。で、その疲れも取れないから、常にだるいという感じでした。

高校生当時は、栄養について何も知らなかったので、「運動してないし、しゃーないかーー」と謎にあきらめてましたね。

今、プロの立場から思うことは「運動不足もあるけど、まず栄養不足や。それ」ってことですね。

調理師学校時期の食事

だあき:で、そこから調理師学校へ通って、調理師と栄養士の資格をとると……。食生活は変わりましたか?

しおん氏:激変しました。常に食材に気を遣い、食材を味わい、かつ食材ごとの栄養素を暗記しなければいけないので、常に「食品成分表」を持ち歩いていました。

「食品成分表」とは法律を学ぶ方の「六法全書」みたいなもので、栄養士を目指すなら、常に持ち歩かないといけないんです。

「むむ。この野菜は意外とこの栄養素が豊富なのか……」とか、調べながら、かつ食べてました。

まぁ、1年目は調理師免許をとるのに無限に「作っては食べ」を繰り返していたので、ドーンと太りましたね。まあしゃあないかと思いました。

就活前・ダイエット時期の食事

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だあき:そこから就活へ向けてダイエットされるんですよね。

しおん氏:そうっすね。調理師・栄養士が不健康そうな身体をしていたら、どんなに正しいこと言っても説得力ないなと。

まず栄養について語るなら、自分が健康そうな身体をしていることが大切だなと思いました。

この時のダイエットの方針は

タンパク質を増やそう。脂質を減らそう。」でした。

栄養素ってタンパク質と糖質が1gあたり4キロカロリー、脂質は9キロカロリーなので
脂質を減らすことが、一番ダイエットに効率がよいんですよ。

後、最近流行りの糖質制限ダイエットも私には合いませんでした。

糖を極端に抜くと、頭の回転が悪くなるので。糖は抜きたくないなと。

と、なると脂質を制限してダイエットするのが一番よいなと考えました。
なお、脂質を制限しようと生活すると、自然と糖も制限できるんですよね。

揚げ物を例にとると…
若者が大好きな「唐揚げ」は鶏肉に片栗粉、小麦粉まぶして揚げてるんですけど、小麦粉はもちろん「でんぷん」です……消化されて糖分になります。
なので、揚げ物を控えると、自動的に糖も控えられて効率いいんです。

揚げ物以外でも、ケーキとかでも言えますね。
ケーキは「生クリーム、バター、小麦、砂糖」の固まりです。
「生クリーム、バター」といった脂質を避けようと、ケーキを我慢することで、
「小麦、砂糖」といった糖分摂取も自然と減らすことができる。

もちろん糖分は脳や体を動かすのに必要ですが、それは、白ご飯で別途とればいいのです。

逆にタンパク質は意識的に多くとっていました

学校も、レストランでのバイトも、とにかく立ち仕事、体力勝負です。
立ち仕事の疲れをとって、不登校時代になまっていた身体を再生させるためにもタンパク質は重要でした。

当時は、1日150gを目標に蒸し鶏、ステーキ、焼き魚……こういった料理で、タンパク質をしっかりとることをこころがけてました。
あと、野菜は元々好きなので、食べてましたね。

まとめると……

タンパク質は意識的に多め
・でんぷん質(=糖分)は控えめ(でも抜かない)。
・脂質は控えめ

この方針で食事をとっていました。

だあき:その結果どんな変化がありましたか?

しおん氏:まず、筋肉がつきます。姿勢もよくなりました。
あと朝ちゃんと起きれるようになりましたね!昼に猛烈に眠くなるのもなくなりました…
慢性的な疲れもなくなりましたね。

エナドリを飲む理由

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だあき:慢性的な疲れという話でいうと、ビーンズの生徒たちに限らず、エナジードリンク(略してエナドリ)を飲む方って、多いなーと感じていて。
とはいえ、エナドリで元気になるって難しいなと思っているんです。

しおん氏:エナドリの話ですねー。僕はほぼ飲んでなかったのですけど、個人的な意見として、日頃の疲労・疲れた感じをエナジードリンクを飲んでごまかしてる若い人は多いなと感じます。

だあき:「ごまかし」ですよね……。一方、ここぞというときに「もうひと踏ん張り」させたい時、エナドリに頼ってしまいたくなる気持ちも分かるなーと。

しおん氏:僕も「もうひと踏ん張り」したいときは当然あります。

特に仕事では「もうひと踏ん張り」が大切ですよね。
僕はそういう時、コーヒーや紅茶のカフェインでなんとかしてます(笑)
特に、紅茶が大好きなんで!

だあき:コーヒー・紅茶もカフェイン含まれてますしね。

しおん氏:カフェインも諸刃の剣ってやつで。1日1~2杯のコーヒーくらいの節度を守って摂取する分にはよいのですが、過度なものは中毒、害になっちゃいますね。
特に、エナジードリンクはカフェインがたくさん含まれてて。
カフェインって中毒性も強いので、どうしても飲み続けちゃいますよね。

エナドリの代わりに飲んでいるもの

だあき:しおんさんが「もうひと踏ん張り」したいとき、コーヒーや紅茶以外で飲むものは何ですか?

しおん氏:コーヒーや紅茶以外だと、緑茶や、レモン系の清涼飲料水でクエン酸がとれるものを飲んでいますね。レモンに入っているクエン酸自体が疲労回復にも効くし、疲れにくくもしてくれるので。

だから、シュワッとリフレッシュしたいときは、「コーラの代わりにレモンスカッシュ!」ですね(笑)

食事と健康、皆へ伝えたいこと。

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病院で働く中で、感じる「食事」について

だあき:病院で働く中で、「食事」についてどう感じることがありますか?

しおん氏:無理やり一言でいえば、「好き嫌いはよくない」ってことですね!

もちろん、食事だけで病気になる・ならない……なんてことはないし、それは乱暴な意見なんですが。一方、かなり偏食な患者様も一定数いらっしゃいます。それが患者様の治癒力を下げている要因になっていることも多いんじゃないな……と、現場で感じるときはあります。

だあき:え、入院中の食事って偏食になりようがないと思っていたのですが……

しおん氏:もちろん病院によってなんですけど、嫌いなものを出さないようにできたりするんですよ。例えば「魚はダメで、肉だけ〜」など。元々、患者様の食物アレルギーに配慮して、出せない食材の代わりに何を出そうか、といった工夫は柔軟に対応するので。

10代のみんなへ「タンパク質」をとって太陽を浴びよう

だあき:もし、食生活が乱れている10代をみたらどんなアドバイスしますか?

しおん氏:「納豆ご飯と、サラダチキンを食べよう!」っていいますね。
一般論として、現代人はタンパク質と食物繊維が足りてない
納豆もサラダチキンもタンパク質が豊富です。しかも食材として高くない。
納豆ご飯を推してるのは、白米って意外と食物繊維が多いからです。
かつての自分もそうだったように、タンパク質は意識的に摂取しないと不足するので。

かつての自分を含め、10代の世代は、タンパク質が足りていない人が多い気がしています。
自分は筋トレしてないし、タンパク質はいらないよな~」って思っている人もいるかもしれませんが、それ大きな勘違いで……別に一日ゴロゴロしてても、生きていくために、ご飯は食べるじゃないですか。
で、皮膚も、髪も、爪も、人間のなにもかも全てタンパク質が基本で出来ていて、皮膚も、髪も、爪も、新陳代謝していくので……つまり一日ゴロゴロもしてても、タンパク質は使うわけですよ。で、人間の場合、タンパク質はどうしても外から摂取するしかないので。

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心がしんどい、手抜きで食べたい!ってときは

だあき:「タンパク質と食物繊維」が足りない……そうですよねぇ。一方、本当に身体や心がキツイ時は、「もう、何もかもめんどう~」ってときあるじゃないですか。そんな人におすすめの食事の方針があれば教えてほしいです。

しおん氏:納豆ご飯もしんどかったら、冷ややっこや豆腐バーだけでも…!大豆製品はいいですよ~
植物性タンパク質で元気になれますし。栄養素もバランスよくタンパク質が手っ取り早くとれるので(笑)

皆さんに伝えたいのは、「日本のいただきますの文化、和食は最強」ってことです。
どんな栄養素の観点からみても素晴らしいので、ご飯、味噌汁、納豆……ここらへんは信用して食べてもらってよいと思います。

だあき:タンパク質・食物繊維以外だと、ミネラルやビタミンもあると思うのですけど、それはどうですか?

しおん氏:野菜も大事ですね!

だあき:でも、悩める10代からすると「野菜って何たべればいいの?」って感じだと思って。サラダチキンよりも敷居が高い気がするんですよね。

しおん氏:わかりました。個人的に「お金もない、時間もない、でもコンディション上げたい」そんなときのベスト3の野菜をお伝えします。

とにかく、しんどくて何も考えられないときは、いつも食べている食事に加えて、以下の1~3位の野菜のどれかを食べるだけ頑張ってください。

1位:ブロッコリー
ダントツ1位です。理由は一日に欲しい栄養素が大体詰まっているから。
そして、レンチンして冷凍してもOKという使い勝手。
しかも、高価でもない。でもお金と時間がなくて、心がしんどいときは、とりあえずブロッコリーを買いましょう。

2位:ほうれんそう
葉酸たくさん・ビタミンC豊富。そしてどこでも手に入る気安さ。炒めて食べよう。
なお、「ほうれんそうと言えば鉄分」と世間で言われているほどには、鉄分はありません。
鉄分は「アサリ」でとりましょう!

3位:トマト
どんな料理にもあう万能選手。リコピンたっぷり。
切ってドレッシングかけるだけで食べれる!

番外編:ゴーヤ
ブロッコリーに足りない栄養素をゴーヤがカバーしてくれます。
好きキライ別れる野菜だと思いますが、食べられる人は挑戦してみてください。
卵と一緒に炒めて食べれば、タンパク質もとれます。

悩める10代の皆へ「朝の日光」を浴びよう

だあき:食事以外で、「心がしんどい時」に心がけることは何かありますか?

しおん氏:食事以外だと、「朝の日光を浴びること」が大切だなと思っています。

かつての自分のように昼夜逆転している人で、本人もその状態がしんどい人は、体内時計をリセットさせるために朝の日光にあたってほしいのです。

合言葉は「寝ててもいいのでカーテンあけましょ」です。

不登校自体は、もう珍しくもありません。ただ、不登校になった後、体力が落ちたり、不健康になったり、そこから心までしんどくなったりしてはもったいないなと思うんです。

だあき:「もったいない」って、新しいですね……!

しおん氏:もったいないと思います。
私の場合、不登校期間中はアニメ見て、ゲームをやりこんでいたわけですが……
不健康だとゲームのパフォーマンスに影響しますし。ゲームを極めるには体力がいりますからね。大作アニメを見続けるのも、やっぱり健康が大切です。ストーリーを追うのも、シーズン通しで見続けるのも、やっぱり体力が必要ですからね(笑)

体力の面でいうと、僕の場合はゲームが好きだったので、運動系のゲームで有酸素運動をやって、最低限の持久力はつけたなと思っています。最低限の持久力さえつければ、後はトレーニングすれば体力はつけられます。
ゲームで最低限の持久力をつけた後、専門学校での授業やレストランのバイトでの立ち仕事で体力がつきました。

また、その経験から「社会人になるまでに体力つけないとまずい!」と心の底から肚落ちして、トレーニングもやりました。

結論です。かつての自分と同じく、今、学校に通っていない皆さんには、「ハイジ」みたいな生活を目指してほしいと思います。

学校は行っていないけど、朝起きて、家で遊んで、身体にいいモノ食べて、時々ビーンズに通う」……そんな生活になればマジで健康になれます(笑)

不登校になっても健康でいることはできます。
不登校を勧めるわけではありませんが、不登校の時期だからこそできることもあると思います。
なにをやるにも健康、そして体力は必要です。
この記事を読んだ方が「じゃぁ、タンパク質とるか」と思ってもらえれば幸いです。

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