ビーンズのソーシャルトーク体験! 金融マン・メディアウーマンに学ぶ、自分のやりたいことを信じて進路を歩む大切さの話!
先日、進路に悩む生徒たちに、これからの進路を考えてもらうきっかけになるよう、金融マン・メディアウーマンの方をお招きして、それぞれの進路・キャリアについて、話をして頂きました。
特別講師には、現役金融マンとして活躍される、杉崎豪紀さん(以下、タケさん)と、現役新聞記者として活躍される杉崎華世さん(以下、ハナさん)にお越し頂きました。
タケさんとハナさんのお二人はご夫婦で、奥さんのハナさんは産休中(妊娠中)という体調の大変な状況にも関わらず、快くビーンズでの特別授業を引き受けてくれました。(本当にありがとうございます!)
もくじ
授業の目的
今回のソーシャルトーク体験の目的は、生徒たちに「自分らしい進路の見つけ方」を考えてもらうことでした。
学年が上がって、進学をすると、進路を考える時期はあっという間にやってきます。そんな時、まずは社会で活躍するセンパイたちに会って、どんな風に将来のことを考えて自分のキャリアを形成していったのか話を聞くことで、今後の自分の進路を考えるきっかけづくりをしてもらえれば、という取り組みです。
また、金融マンのタケさんからは、M&Aや株価に関するプロ視点の情報も教えてもらえて、生徒たちにとっては「政治・経済」の興味・関心づけにもなる、貴重な授業となりました。
授業の内容
授業では、生徒たちがセンパイ・インタビューで質問をしていき、その中でタケさんとハナさんから、自分自身のさまざまな体験談を話して頂きました。
そして、話し合いの中で、タケさんとハナさんが最初に伝えたことは、「社会も会社も常に変動するもの」ということでした。
企業の価値は常に変動する
「大手企業だから絶対に安心だろう」
そんな風に考えている生徒は少なくありませんが、現実には、大手企業だから安心かといえば、決してそんなことはありません。
タケさんは、株価のチャートで企業の価値が上下しているデータを示しながら、「将来にわたって絶対に安心という企業もないし、逆に今は小さい会社でも将来は大きくなっているかもしれません。」と正しく事実を教えます。
たとえば昔は大手企業として知られた有名な株式会社も、ニュースを見ていれば上場廃止だったり二部降格になっているところもあり、必ずしも安泰でないことはすぐに分かります。また、昔はただのベンチャーとして色眼鏡に見られていた楽天やソフトバンクといった会社も、今では誰もが知っている大手企業にまで成長しています。
何が起きるか分からないのが現実であり、社会なのです。
ただ、タケさんはこうも続けました。
「常に変動するとはいっても、将来のことが全く分からないってことではありません。ニュースとか見ていればある程度予測はできるのです。大切なことは、常に情報を集めるようにして、きちんと自分で予測をたてて考えることです。」
進路で大事なことは自分のやりたいことをやること
社会は常に変動する。
そういった慌ただしい環境の中、自分の進路をどのように選べば良いかといえば、「自分の好きなことを見つけて、それに向かって全力でやる事が大切だ」と、タケさんとハナさんは自身の体験を語りながら教えてくれました。
タケさんの学生時代からの進路ストーリー
学生時代、タケさんはサッカーが大好きでした。
なので、受験で進学校に受かっても、サッカーをやれる時間が減るからと、迷うことなく進路にしなかったそうです。(せっかく受かった進学校なので、親は当然反対したそうです。)
そうして自分が進路に選んだのは、サッカーの強豪校でした。プロを目指すべく、サッカーに打ち込むことにしたのです。
この時、タケさんのすごいところが、きちんと自分で締切を決めていて、高校二年の冬までに結果を出すと、自分自身と約束していたことです。
「高校二年までは全力で頑張る。それでダメだったら勉強しよう」
そのように思って、サッカーに打ち込んだ結果・・・残念なことに、高校二年でサッカーのプロにはなれなさそうだと、タケさんは自覚されたそうです。その後は、自分自身と交わした約束でしたので、サッカーをきっぱり諦めて、大学進学を目指すようにしたそうです。
この時、大学進学を目指したのは、ただみんなが行くからということではなく、サッカーをやめた後、あまりに社会・世界のことを知らない自分に気がついて、まずは色んな知識・仕組みから知っていかないといけない、と考えた結果だったそうです。また、高校時代、サッカーに打ち込んでいる間、タケさんの昔からの友達はとてもしっかりしていて、「お前はずっとボール蹴ってるつもりか!もっと社会や世界に目を向けろ!」と、親身にもなってくれていたこともきっかけのようです。
そんな風に気持ちを切り替えると、タケさんは今度は大学に進むべく、全力で一生懸命、勉強に取り組みました。
一見、遠回りにも見えるかもしれないけど、サッカーをするために進学校を辞めたことも、サッカーを辞めて大学進学して世界を知ろうとしたことも、すべて自分の好きなことを突き詰めた結果なので、どれも必要なことだったと、タケさんは振り返ります。
そうして、タケさんの進路の話が終わると、次はハナさんが自分の話を続けてくれました。
ハナさんの学生時代からの進路ストーリー
学生時代、ハナさんは、医者になりたくて浪人になるまで猛勉強していたのですが、それでも医学部に行けず、自分の進路にとても悩んでいました。
そんな時、たまたま相談した大人の方に、「君は社会に関心があるようだね。社会問題を追う新聞記者があっていると思うから早稲田の政経に行ってみなさい」と助言を受けて、自分自身も自然と納得できたので、そこから気持ちを切り替えて、進路を変えたそうです。
早稲田に入学してからは、英語劇の活動を四年間したり、記者のインターンにもチャレンジして、積極的に活動をしていました。しかし、いざ就活にのぞむと、希望していた新聞社は最終面接で落ちてしまいました。
あと少しだったのに・・・と、落ち込んでいるとき、友人から「ハナは将来マスコミに転職できそうだし、今は最近話題の楽天でも受けてみたら?」とアドバイスを受けて、「社会で働くことがどういうことか知るためにも、まずは一般企業に勤めてみるのも手段か」と自分自身で納得すると、ハナさんは、当時、ITベンチャーのさきがけとして何かと注目を浴び始めていた楽天を受けて、見事に入社しました。
ハナさんは、それから2年勤めたのち、楽天を退職して、もともとの希望だった新聞社へ再度チャレンジをします。しかし、新聞各社を受けて最終面接まで進むと、楽天というIT企業への理解がどこからも得られず、「楽天・・・? よくわからないけど、畑違いな人だね」という評価を受けて、ひたすら落とされ続けて、2年間もの就職浪人という、とても大変な経験をされました。(今は大手企業として有名な楽天も、当時の世間ではその程度の知名度だったのです。)
そんな風にハナさんが自身の進路に再び悩んでいた頃、ふと友人と話していると、「ハナは行動力があるからテレビ局とかも向いてそうだよ」とアドバイスを受けたことが妙に心に響いて、自分自身でも「そうかも!」と受け入れることができて、それから方向転換して応募してみると、わりとあっさりとテレビ局に合格できたそうです。
テレビ局で働き始めてからは地方勤務になり、朝4時から漁の取材に行ったり、その後に事件や議会の取材、人との付き合いなどあっという間に深夜を迎える多忙な日々が続いたそうです。一日4~5時間しか眠れない日もたくさん続いたそうですが、取材を通さないと知ることができなかった世界に触れることができたり、新たにたくさんの人たちと出会ったりすることもあり、そういった経験が大好きな性格もあって、すべて充実した時間として過ごすことができたそうです。
それでも・・・
ハナさんはやっぱり新聞記者への憧れを捨てきれず、テレビ局を3年勤務した後、再び転職活動にチャレンジしました。そして、ついに最終面接も通過して、念願の新聞記者になられたそうです。(今は産休中ですが、経歴4年目の新聞記者として在籍中とのこと。)
この時、ハナさんが一番驚いたことは、あれだけ難関だった最終面接において、自分自身の経歴への評価がまるで変っていたことだったと言います。
最初の時は、「楽天出身?何してるかわからない会社だよね?」というように怪しまれていた経歴が、次の採用面接では、「あの(有名な)楽天で働いた上、テレビ記者として色んな経験をしてるなんて、素晴らしい経歴だね」と、多くの人から誉められるようになっていたのです。
そんな実体験を振り返って、ハナさんは最後にこう語ってくれました。
「皆に知ってほしいのは、社会の価値観は10年も経つと変わるということです。たとえ失敗に思えることも、時が経てば、貴重な経験として評価されることもある。だからこそ、若い時には、すぐに見限るようなことをせず、自分の好きな道を信じて、突き進んで欲しいと思います。」
授業の学び
生徒たちの様子・感想
生徒たちが一番響いていたことは、やはり大手企業が絶対ではない、ということでした。誰もが知っている楽天という大企業が、10年ほど前には全然評価されていなかったことに、とてもびっくりしていました。
そして、生徒たちが最も感銘を受けていたことは、「スポーツも、進学も、受験も、転職も、すべて自分が幸せになるための手段であり、一つ失敗しても、切り替えて次の手段を考えて、全力で取り組めばいい」というタケさん、ハナさんの強い生き方だったと思います。
塾長・塚﨑から一言
子どもたちは、自分の進路を決めないといけない岐路に、常に立たされています。そして、不登校や勉強嫌いの子どもほど、自分の進路については早くから考えて、しっかり準備していかないといけません。
なぜかといえば、不登校や勉強嫌いの子どもは必然的に勉強の遅れが生じますので、どうしても成績面の心配があります。そして、なんとか復学したり、勉強の遅れを取り戻すことができても、いざ3年になると、それまで進路のことなんて考える時間もなかったのに、いきなり「自分の進路を1週間で決めろ!」など無茶ぶりをされて、再び動揺してしまうからです。
周囲との遅れの不安はもちろんのこと、学校には、社会のことを正しく教えてくれる仕組みもありません。そうなると、自分のやりたいことを見つけていない生徒ほど、どんどんジリ貧のようになっていき、受験が億劫なものに感じてしまい、負のスパイラルを続けてしまいがちです。
子どもたちは社会の知識を得る時間だったり、自分のキャリアについて考える時間が圧倒的に少ないです。ビーンズでは、悩む子どもたちがそういった困った状況にならないよう、早いうちから、社会の現状について知ってもらい、進路について考える時間を大切にするように指導しています。
ビーンズでは、これからも各界の一線でご活躍する方をお招きして、子どもたちが自分の進路を楽しく考えるキッカケをしっかり提供していきたいと思っています!
感謝の言葉
最後になりますが、ご多忙な中、予定時間を大幅に超えて子どもたちにお話ししてくれたタケさん、ハナさん本当にありがとうござました!