「学校の勉強に意味を感じない…」不登校になった中学生が自分で論文を完成させて勉強する意味を学んで高校へ進学!

本記事では、2016年度に高校受験に合格した中学生Yくん(仮名イニシャル)の体験記を紹介いたします。

Yくんの『学び治し』

入塾時に抱えていた悩み

Yくんは、極度の勉強嫌いで、中学生になってから不登校になっていました。

ただ、彼の場合は勉強嫌いとはいっても、あくまで「学校で教わる教科書やテストの問題を解くだけの勉強が嫌い」なだけであって、学問自体に対する興味・関心・知識は、むしろすごいものでした。彼の好きな分野に関する知識量はとても豊富で、大学の研究者レベルに至っている部分も数多く見受けられました。

しかし、だからこそ、彼は苦しんでいました。義務教育の中学校では、カリキュラムに従った試験範囲以外の知識をいくら持っていても、それは親からも先生からも評価されにくいからです。また、彼の好きな分野のことを話し合えるような同世代の学生も当然、いません。(大学生以上の講師で、やっと対応できるような知識量ですから、これは仕方のないことだとは思います。)

だれも自分のことを認めてくれず、それどころか学校の勉強に順応できない自分のことを責めるばかり・・・彼が悩むのも無理はないことでした。

そんな孤独感に落ち込んでいたところから、Yくんの『学び治し』は始まりました。

学習支援塾ビーンズが提供した授業

Yくんは、豊富な知識量もあって、勉強への興味・関心などは最初から高い状態でした。そのため、講師たちとも信頼関係を築くのは早く、心のケアもかなりスムーズに進みました。

しかし、とても芯が強い分、いわゆる学校のテストや受験のための科目勉強をいざ始めようとすると、そこにだけは、どうしてもアレルギーのような反応で、強い難色を示しました。

「なぜ、こんな(つまらない)勉強をするのか分からない・・・」

その理由を教えるため、ビーンズでは、彼の「好きなことは徹底的に追及する性格」を考慮して、まず最初に、一つの論文を書いてもらうように指導をしていきました。

「好きなものをインプットしているだけでは趣味で終わってしまう。だから、周囲に認めてもらうためにはアウトプットをしてカタチにしないと分かってもらえない」

そのように提案してみると、Yくんはそのことに意欲を示して納得し、自分の好きな分野から一テーマを見つけて、論文作りをスタートしていきました。

この時、最初は自主的にどんどん進められていたのですが、途中、何度もくじけそうになることがありました。なぜなら、論文を作るためには、以下のようにやるべきことがたくさんあるからです。

▼Yくんが論文作成のために頑張ったこと
・取材をする
・たくさんの資料を調べる
・論文の書き方を学ぶ
・全体の論文構成を考える
・大量の文章を執筆する
・伝えたいことを補足する図やイラストを考える
・図やイラストを作ったり、探したりする
・推敲、添削を繰り返し、何度も書き直す など

資料を調べるところだけであれば、自分が好きなことなのでカンタンにできますが、取材をしたり、その後に「論文というカタチ」に仕上げるためには、論文の書き方を知らないといけないし、読者のコトを想定した国語力も求められますし、文章は何度も何度も書き直しの必要があり、まさに「学校のような机に向き合う、つまらない勉強」が必要となってきます。

しかし、Yくんは、つまずきながらも、これらの勉強を最後までしっかりやり遂げて、一冊の論文をちゃんとカタチに仕上げました。そして、完成した論文は、あるコンクールに表彰され、学校からも表彰されました。論文というカタチに仕上げることで、今まで誰にも見向きもされなかった自分の好きな分野のことで、周囲から評価されて、彼の中で確かな実績となったのです。

「自分の好きなことをカタチにして実現するためには、どうしても机に向き合う勉強をしないといけない場面がある」

一連の論文づくりから、Yくんは実体験をもって、「勉強の意味」を学んでくれました。それからは、勉強に対する心構えが変わり、自分が納得をした科目について、しっかり勉強をしてくれるようになりました。

進路を決めるまでの流れ

Yくんは進路を考える際、自分のやりたいことがハッキリしているので、その条件はすぐに決まりました。

▼Yくんが高校進学に定めた条件
・面白い知識を持った生徒(仲間)がいること
・自分の研究(好きな分野の勉強)を続けられること
・いわゆる普通の受験勉強だけをさせられるような学校でないこと

しかし、上記の条件にあてはまる高校は厳密にはありませんでした。大学であれば、そういう条件を満たす所はたくさんありますが、高校のほとんどは「大学に行くための勉強をするところ」ですので、とても難しかったのです。また、大学付属の高校や、難関高校などに行けば、そういう条件を満たす環境もあるにはあったのですが、その場合は、彼がそこに合格するための成績を満たすこと・テストに合格するための勉強量を確保することが、スケジュール的にも難しかったのです。

そんな中で見つけたところが、新興の高校でした。そこは他の普通高校に比べて、下記のような点で、Yくんのニーズに合致していました。

▼新興の高校の特徴
・さまざまな活動、研究発表を含めた授業が提供されている
・自分のペースで通学できる
・分野を問わない一流の講師陣がそろっている
・試験が面接と作文中心なのでYくん向き

正直なところを話しますと、Yくんは100%納得したわけではありません。しかし、自分自身で、たくさんの高校を調べたからこそ、どこかで妥協せざるを得ないことは分かっていて、進学先をその高校にと、最終的には決断することができました。

『学び治し』の勉強・受験をしていく中で大変だったポイント

Yくんは、自分が納得しないと、その勉強をすることがどうしてもできませんでした。また、論文執筆の締切もあったり、自分の研究(好きな分野の勉強)をする時間があるため、進学用の勉強時間を確保することが難しい状況にありました。

しかし、Yくんは自分の好きなこと・嫌いなことがハッキリしている分、面接や作文の飲み込みはとても早く、そういう「自主性を発揮して表現すること」に長けていましたので、最終的に、スムーズに高校進学ができて良かったです。

『学び治し』の勉強・受験をしていく中で成長したポイント

彼が一番成長したポイントは、やはり論文を自分のチカラでちゃんと最後まで仕上げた、ということです。いくら好きな分野だったからといって、取材をし、記事を執筆し、構成を考えて、一冊の論文にまとめたのは並大抵の努力ではできません。自分の好きな分野で論文というアウトプットを作ってもらうことで、頭二つ抜けてもらったことは、彼にとって、大きな成長になったと感じます。

もう一つのめざましい変化は、彼が行動力と柔軟性を持つようになったことです。ビーンズに入塾するまで、Yくんは「外人とは一生話さなければ英語なんて学ぶ必要がない」と考えていました。しかし、授業の一環で、お寺などで観光に来ている外人さんに質問したり、お寺の説明を英語でしてもらったりすることで、英語の楽しさを分かってもらうと、英語の勉強スタートできるようにもなっていったのです。

自分が納得したこと・自分が決めたことは、ちゃんと努力する。これは、彼の「確かな主体性」が育った瞬間だと思います。

塾からのメッセージ

好きなことを好きだけで終わらせず、きちんとした形にして、世に問いかける経験をしたYくん。その過程では、好きなことをやるために、せざるをえないことを黙々とやる必要があり、彼は、そのことに耐える力を身につけることができました。

高校生になって、より広いフィールドで研究していくことになる、彼のこれからはとても楽しみです。

▼学習支援塾ビーンズの『学び治しの授業』について、詳しくはコチラ
https://study-support-beans.com/wp-ssbeans/classwork/

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