受験のストレス/進路への不安から衝動的な行動に出た子どもに対応する保護者のコツ

お子さまの受験(試験日)が近づくにつれて、ナーバスになることはよくあることです。
初めて受験をするお子さまにとっては、「受験をする」ということだけでもプレッシャーであり、合否という「失敗するかもしれない結果」を突きつけられるため、かなり神経質になるものです。
そのため、ビーンズでは、保護者さまに「ご家庭ではお子さまをゆっくりさせてあげてください」とお伝えさせていただいてます。
どうして家でゆっくりさせたほうが良いか、以下に詳しく説明させていただきます。
もくじ
そもそも受験はストレスが必ず生じるもの

大前提として、受験では、どんな子でもストレスを抱えます。
その上で、さらに自分の実力よりもアタマ二つ上以上の大学(学校)へ進学しようとする場合などは、勉強量もハードになるため、より多くのストレスを抱えることになります。
また、本格的なスタートが秋~11月になってしまうなど、過密なスケジュールになるケースでは、勉強時間そのものが少なく、受験生にとってはかなり苦しい時期になります。
中には、ストレスが原因で、
・自律神経をおかしくする
・10円ハゲができる
・クッションを投げたり壁を殴ったりする
・キッチンで暴れて皿を割る
etc…
といった、症状が出ることも珍しいことではありません。
保護者の皆さまには、
だと知っておいていただきたいです。
ストレスの症状は「その子の特性やキャラクター」の問題も影響するかもしれませんが、
基本的には「日本の教育・大学受験というシステム全体」がストレスフルなものであり、
受験に挑戦する子どもたちはいずれもストレスを抱えるということです。
さらに、不登校や勉強が嫌い・苦手で自分自身への自信、すなわち「自尊心」が低くなっているお子さまであれば、なおさら多くのストレスを抱えることになります。
受験前にお子さまの「自尊心」をしっかり育む
ただでさえストレスを感じる、受験。
そんなハードな関門へ挑むためには、事前にお子さまの「自尊心」をしっかりと育んでおくことが大事です。
自尊心を上げておくと、たとえばカベにぶつかった時であっても、「失敗したって、構うもんか」と、マイナス思考ではなく、プラス思考の気持ちを持てるようになり、受験に臨んでいく際の大事な下準備となります。
ご家庭でやっていただきたいこと

ビーンズの結論としては「ご家庭ではお子さまがのんびりできたり、愚痴を自由に言える場であってほしい」と思っています。
理由として、受験期のお子さまはいろいろなプレッシャーに圧迫されているからです。
受験生の環境においては、「あなたは頑張らないとダメ!」と思わせる仕掛けばかりなのです。
学校や塾からのプレッシャー
- 自分の勉強の進みと遅れが明確に分かる
- 「勉強やらなきゃ」と思わされるほど、周りのみんなが頑張っている
模試からのプレッシャー
- 自分の実力がさらけ出される
- 進学の可能性が数字で示される(行きたい学校があって努力をしても、ずっとCやE判定が続けば気持ちが萎えていく)
このように、偏差値・スコア判定という残酷な成果主義の世界で生きています。
だれもかれもが、手放しで褒めたり、認めてくれるわけではありません。
ですので、せめて、ご家庭だけでは、彼らの人間性を見てあげたり頑張りを褒めてあげて、十分にリラックスできる環境を用意してあげて欲しいと思います。
ストレスや不安が表れた時の具体的な対応
受験生はストレスを抱えて、つい衝動的な行動をしてしまったり、色んな覚悟を持って、時には突飛な行動をしたりもします。
これらのストレスや不安が、どのように表れても、保護者さまは「受験生とはそういうもん(たまに変なコトするものだ)」と割り切って、常に暖かい目で見てあげることが大事です。
子どもの衝動的な行動が出たとき
受験生はストレスで少しおかしくなるのが普通だと捉えましょう。
ビーンズで今まであった例でいえば……
英単語が大嫌いな男子生徒が、受験のために覚悟を示すために全身白装束で塾にやってきて英単語を勉強したり、
結果がダメだった模試結果を弔うための葬式をやったり…

上記は後から振り返れば笑い話にもなりますが、
たまにストレスが爆発すると(激しい家庭内暴力っていうことじゃなくても)以下のようなことはやってくるものなのです。
受験生のストレスが爆発すると…
- 保護者に軽くパンチする/蹴る
- 壁を殴る
- 物を壊す
- 皿をたくさん割る
そういうことをやってきます。
こういう時、親として子どもにどう接すればいいか。基本的な心構えは…
どっしり沈黙からの
ゆっくり行動
という一語に尽きます。
子どもの衝動的な行動を前に、子どもにビクビクしたり「ご機嫌うかがい」することもなく…
理想は「やれやれ、仕方ないな……」というような醒めた感覚で、彼らの行動を観察します。
ややあって、子どもが落ち着きはじめてから
- ゆっくり言葉をかける
- ゆっくり行動する
ということをできる範囲で実践しましょう。
どっしり沈黙からのゆっくり行動の例
- 子どもが荒れたり、ギクッとするような発言をしても、即座に反応せずに数秒黙る
- その際、見せかけ・やせ我慢でもいいのでなるべく動揺した雰囲気を出さない
とはいえです。
子どもが皿割りなど危ないコトをしている/家族に危害が加えられそうになるのなら、どこかで正論は伝えなければなりません。
その際も「どっしり沈黙からのゆっくり行動」を意識してください。
そして、子どもの気持ちが落ち着いた頃を見計らってから「ストレス解消ならクッションを殴りなさい」などと伝えるようにしましょう。
進路不安(「今年は受験を辞めたい・浪人したい」)を言い出したとき
受験期に「受験を来年に伸ばせないかな…」や「やっぱり〇〇やりたい」と、突然に進路転換するような話を言い出すことは受験生あるあるです。
これは、勉強のハードさや模試の結果に心がストレスに晒されている時期だからこそ、苦手科目から逃げたい気持ちや、本当にそうしたほうが良いと思うようになった気持ち(ただし自信はない)から発せられるものです。
このような進路転換の発言があった場合、保護者さまには以下の3点をお願いします。
保護者の皆さまへのお願い
- 保護者が焦らないこと
恐怖や不安、将来からの逆算で子どもをせかそうとしない姿勢が基本です。 - 子どもの話を否定せず、ただただ聞く時間をもつ
幼く無茶な考えであっても、子どもの話を否定せず、結論は急がず聞くことに専念しましょう
⇒頭ごなしに叱って良いことは何もありません - 前向きに捉えること
仮に逃げの気持ちであったとしても、子どもが恥を忍んで自分の弱みについて、親である自分に相談してくれていると前向きに捉えることが大事です。
そもそも親へ信頼していないと、子どもはそういったことを相談しません。
もし、十分に話した結果、本気で浪人を目指す意気込みを感じたなら、意気込みを継続させるためのスケジュールや塾選びなどをサポートしましょう。
愚痴で言っているだけと判断したなら、十分にマイナスの気持ちを吐き出させてあげて、勉強に集中できるようにさせてあげてください。
まとめ
受験は相当なストレスがつきまとうものです。
ご家庭は、お子さまにとって偏差値やスコアから解放され、心身を休める港であるべきです。
彼らがゆっくりできるように、たとえ突飛な行動をしたとしても、暖かい目で見てあげてください。




