「学校に行きたくない…」不登校に悩む保護者さまへのアドバイス

子どもが「学校に行きたくない」と言い出したり、朝になっても起きれずに昼夜逆転……。そうして、だんだん不登校が続と、保護者さまも悩んでしまうかと思います。本記事では、そんな時、どのように我が子をサポートしていくべきか、アドバイスさせて頂きます。

まずは我が子の状況を冷静に分析しましょう

頭ごなしに「学校へ行け」とは言わないようにしましょう

子どもが学校へ行くことをグズっている時、つい「早く行きなさい!」と言いたくなる気持ちは分かります。

もちろん、普通に元気な子が、朝に起きるのが面倒だったり、「めんどくさい~」など冗談交じりに言っているだけであれば、「早く行きなさい!」と言っても大丈夫です。

しかし、子どもが不登校になっている時は「なにかしらの明確な原因」があって「学校へ行きたくても行けない(心や身体が抵抗する)」という状態です。頭ごなしに叱っても、さらにプレッシャーを与えてしまい、逆効果にもなりかねません。

まずは我が子の状態がどっちなのか(ただサボりたいだけなのか、本気で悩んでいる様子なのか)を見極めることが大事です。本当に悩みを抱えていて、どうしても学校へ行けない状態の時は、頭ごなしに「行け!」と叱らずに、ちょっと様子を見るようにしましょう。

学校に行かない子どもの状況をあらためて整理しましょう

不登校が長引きそう、または長引いている時は、保護者さまが率先して、今の状況を整理しておくことが大事です。

保護者さまが整理しておくべきこと

▼まずは不登校になったことで困ることを書き出していく
・今現在困ることは何?
・受験時に困ることは何?
・学校卒業時に困ることは何?
・将来困ることは何?

▼不登校による子どもの不利益を書き出していく。
例)中学生の不登校であれば、
・出席日数が得られない
・定期テスト受けられない
・成績が悪くなる
・高校受験で困る
・将来的には、社会性が身につかないかも
などの心配が挙げられる。

こうして不登校になったことで発生するデメリットを明らかにしていくと、解決法・対策が段階的に計画できるようになります。

いきなり「完全復学」ではなくて「段階的に状況改善」ができる

・出席日数が問題なら
⇒保健室登校や校長室登校からスタートすることもできる

・学力が問題なら
⇒学校以外の塾や家庭教師などでサポートしておくことができる

・定期テストが問題なら
⇒学校(先生)によっては個別で受けられるよう交渉してみる

・社会性が問題なら
⇒習い事を始めさせたり、またはやっているものがあればきちんと継続させるなど

一番の問題点がわかれば、そのための準備を進めることができますので、まずはしっかり状況分析からスタートして欲しいと思います。

原因の追究は段階的に進めていく

学校へ行きたくなった子に、「どうして学校に行かないの?」と聞きたくなる気持ちは分かりますが、悩みがカンタンなものであれば、子どもは普通に学校へ行くはずです。これはつまり、学校へ行けなくなってしまう子の悩みは少しデリケートで、なかなか難解である可能性が高い、ということです。

そのため、すぐに追及したり、頭ごなしに学校生活を強制させるプレッシャーをかけてしまうと、子どもはさらに追い詰められてしまうかもしれませんし、さらに状況が悪化してしまう危険性もあります。

そうならないよう、保護者さまは、まずは不登校の原因を聞き出す前に「我が子の状況整理、できる部分からの状況改善」に向けて動くことをオススメします。

保護者さまが自分自身の気持ちを整理しておきましょう

保護者さまの欲求が子どものプレッシャーになっている可能性

子どもは、なにも考えいないように見えて、じつはすごく色んなことを考えていますし、空気を読む力(とくに家族内の空気を読む力)にも長けています。

ですので、保護者さまが、「普通に復学して、普通の進路を歩んでもらわないと、うちの子はもうダメかもしれない」といったことを内心で思っていると、たとえ言葉にしていなくても、子どもたちも同じように「学校へ行けない自分はもうダメなんだ……」と認識してしまい、さらに状況を悪くしてしまうケースがありますので、気をつけて下さい。

不登校によって「子どもが困ること」と「保護者さまが困ること」を分別して考える

子どもが不登校になった時、保護者さまの多くが、「自分の不安を子どもに押しつける」ということをしがちです。

子どもが不登校になる

親は「子どもが普通の進路に行かないと不幸になる」と思い、それを子どもに言い聞かせ、なんとか学校に戻して普通の生活を送らせようとする

でも、現実には、「普通の進路以外にも色んな選択肢がある」

じつは、親は「子どもが普通の進路に行かないと、自分が不安になる」という感情を持っている。(うちの子が不登校だなんて認めたくない、などの様々な気持ちも含まれる)

親は「復学と普通の進路」を強要し続けて、しかし、子どもはそれに耐えられず、状況改善しないまま、時間だけが過ぎていく

こういう状況になっている時、ビーンズからお伝えさせて頂くことは、

「最終目的=その子が社会で生きていける力を得ること」

「(学校に行ってようが行ってまいが)今、この時間において、子どもが自分の将来のために成長の機会を得るにはどうすれば良いか考えましょう」

という二点です。

不登校によって、子どもが困ることと、保護者さま自身の困ることは、いったん切り離して考えるようにしましょう。

また、それでも「普通の進路でないと将来がなくなってしまう」と考えて、どうしても心配になってしまう保護者さまは、子どもの状況整理と併せて、これからの社会情勢についての情報も集めておくことをオススメします。

これからの社会情勢について情報を集めましょう

不登校や進路の話題、また、今後の大学受験、就活、社会情勢など、色んな情報を集めることは、保護者さま自身も冷静になれますし、とてもオススメです。

色んな社会情勢を知っておきましょう

▼不登校生徒の数を統計的に知っておく
・「うちの子だけが……」ではなくて、じつは年々増えています。
・平成28年度の東京都では、約31万の中学生のうち、約1万2千人は不登校です。
 ⇒参考:文部科学省 平成28年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(速報値)
・今もなお、不登校生徒の割合は増えていってます。

▼不登校生徒の原因を知っておく
・じつは「いじめが原因の不登校」はとても少ない
・不登校の原因はじつに複雑
 ⇒参考:文部科学省 不登校の現状に関する認識
 ⇒「学校生活」と「家庭生活」を原因とすることが多い
 ⇒もしかしたら家が原因の可能性もある
 ⇒不登校は色んな原因が絡み合っていることも多く、カンタンには解決しない

▼今後の大学受験を知っておく
・2020年から大学受験は大きく変わる
 ⇒今までの暗記傾向から一変。思考力を中心とした論文傾向になっていく。
 ⇒学校の宿題をやっておけばOKという問題ではなくなる
 ⇒普通に学校へ行ってる学生でも「文章・論文が苦手」はとても多い(学校に行けば必ず身につくわけではない。)
 ⇒参考:2020年度 大学受験 新入試体制で必要となる新しい勉強のポイントとは

▼就活のトレンドは昔とは大きく変わっている
・学歴には寛容になっている
・経歴などよりも能力やポテンシャル重視になっている
・新卒にこだわらず、中途採用メインの会社が増えている(大手も中小も同様。)
・新卒採用を辞めていく考えの会社も増えている
 ⇒参考:ヤフー、新卒一括採用を廃止へ~30歳以下を対象とした通年採用をスタート
・今後は、新卒一括採用自体が廃止の方向へ動いている
 ⇒参考:新卒一括採用、転機に 経団連が就活ルール廃止発表

▼大学卒業=就職確定ではない
・普通に中高へ行ってた学生でも、大学で不登校になったり、就職でつまずく学生は多い
・就活はいかに素早く社会に興味関心を持ち、事前に準備していけるかが勝負のカギ
・従順に学校生活を送る学生ほど就活でつまずきやすい(課外活動、社会環境への経験が少ないので苦戦する)
・学校生活において「寄り道」ができる生徒のほうが就活をスムーズに進めることも多い(色んな応用力があるし、精神的にタフになっているため諦めずに行動できる)

まとめ

不登校は必ずしも悲観することではない

「皆が学校に行っているから、行かないと皆から遅れてしまう」という考えは一見、もっともですが、しかし、最終的なゴールである「就活・就職」から逆算していくと、必ずしも学校にこだわることが一つの答えではありません。

なぜなら、就活の場面では、受験のように問題が解ければ受かるわけではなく、その人自身がどういう考えを持っていて、どのようなことをしたいのか、また、どういうことをしてきたのかなど、自主性や実績の部分を評価されるからです。この点では、逆に「あまり何も考えず普通に学校へ行き続けて学校の勉強だけを普通に頑張ってきた人」ほど、後になって悩まされることも少なくありません。

不登校という経験は確かに「皆から出遅れている」というイメージも伴いがちですが、しかし、「自分の人生をきちんと考える」という面では、むしろ周囲の皆よりも「早いスタート」ができます。

そして本当に大事なことは、不登校になろうがなるまいが、その後、何をやっていくか、また、どういうことができるようになるか、失敗した状況から、どのように努力をして克服していったかです。

不登校になったからといって、悲観したり、「学校に戻りなさい!」など叱り続けることは、あまり賢い選択ではありません。それよりも冷静に状況を整理して、これからの子どもを取り巻く環境について情報を集めて、その子自身の人生設計を一緒に前向きに考えていくようにしましょう。

昔は不登校だったけど今は社会人として活躍している、という大人はたくさんいます。不登校=人生の終わりではありませんので、保護者さまが先に諦めないようにしましょう!

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