【保護者セミナー風景紹介】「失敗しても泣きつける関係」が再挑戦のガソリンになる

今回はこちらの動画からの抜粋です
本記事では、こちらの動画から抜粋した内容をお届けします!
動画の中では、記事だけではなかなか伝えきれない「お子さまとのかかわり方のコツ」についても詳しくお話ししています。
テキストで読むのとはまた違った、ビーンズ塾長 長澤の熱量も伝わる内容になっています。ぜひ記事とあわせてご覧ください!
「学校に行けない……」
その事実に一番傷つき、焦っているのはお子さまご本人かもしれません。
そして、そんなわが子を前に「なんとかしなきゃ」と...
誰よりも自分を追い込んでしまうのが保護者さまです。
先日のセミナーでは、そんな不安の中にいる保護者さまに向けて、ビーンズが大切にしている
「思春期支援の考え方」
をたっぷりとお伝えしました。

今日は、親子関係の基本として『失敗したら泣きつける関係づくり』
についてお話しします。
少し耳の痛い話もあるかもしれません。
でも、最後には皆さんの心がふっと軽くなるような、そんな時間にしたいと思っています。
もくじ
「正論」が凶器になるとき。家庭が担うべき「一次避難所」の役割
セミナーの中で、最も多くの保護者さまがペンを走らせ、また深く頷かれていた場面がありました。
それが「正論の扱い方」についてお話ししたときです。
正論
- 「朝は決まった時間に起きるべき」
- 「学生なら、まずは学校に行くのが当たり前」
- 「将来苦労しないために、今頑張るべき」
これらは、社会一般で見れば間違いなく「正しいこと」です。
保護者さまがこれらをお子さまに伝えるのは...
お子さまの将来を誰よりも真剣に、大切に想っているからに他なりません。
保護者さまとしての切実な愛情ゆえの言葉ですよね。
しかし、講師の長澤は、静かに、力強くこう語りかけました。

思春期の子が、親から正論を言われて
『わかったよ、お父さんお母さん。明日から私、頑張る!』
となるでしょうか?
なりません(笑)……!
私自身もそうでしたし、これをご覧になっている皆さまも、かつてはそうだったのではないでしょうか。
結局、親が正しいことを言ったところで...
残念ながら行動は変わらない。
それどころか、親子関係が悪化するリスクしかありません。
どうせ行動が変わらないのであれば今は、言わない方がいいんです。
心が折れかかり、エネルギーが枯渇しているお子さまにとって正論は...
「自分ができていないこと」の冷酷な突きつけでしかありません。
逃げ場のない正論をぶつけられるたび
お子さまは、
「正論を伝えること」よりも、今この瞬間に優先すべきことがある。
そこで私たちが提案したのが、ビーンズのメソッドの核であり、支援の全体像を示す
「4階構造(不登校・引きこもり解決の階段)」という地図です。
まずは「1階」の絶対安心を整える
ビーンズでは、不登校や行き渋りのお子さまの自立へのステップを、
4つの階層で整理した「4階構造」という独自の地図で解説しています。

そのすべての土台、最も重要な基盤となるのが「1階」である家庭です。
セミナーでは、この1階としての家庭の役割を、あえて「一次避難所」と定義しました。
一次避難所
- 外の世界でどんなに失敗しても、あられもない姿をさらしてボロボロになっても、ここに戻れば絶対に突き放されない。
- 最後には泣きつける親との関係がある。
家庭を「教育する場」や「正論を教える場」としてではなく...
まずは徹底的に「命を守り、エネルギーを蓄えるための避難所」として機能させること。
これが、支援のスタート地点です。
しかし、ここで多くの保護者さまが抱く、切実な不安があります。
「家をそんなに居心地よくしてしまったら、ずっと引きこもり続けてしまうのではないか?」
という懸念です。
講師の長澤は、そんな会場の空気を汲み取るように、笑顔でこう断言しました。

『家が居心地よすぎて外に出なくなるのでは?』
という心配をされる方は多いですが...
実はその心配はほぼありません。
人間というのは不思議なもので、下の階(安心感)がしっかり構築されてエネルギーが満たされると...
自然と上の階(他者との繋がりや挑戦)へ行こうとする本能を持っているんです。
ずっと布団に引きこもっていた子が、ある日ふと
『お母さん、僕、塾に行ってみようと思うんだ』
『ちょっと外出したい』
と、小さなシグナルを出し始める瞬間が必ず来ます。
それが、2階の『伴走者』や3階の『青春経験』へと移行するタイミングなんです。
大人が外の世界で果敢にチャレンジできるのは、何かあった時に逃げ帰れる場所があるという確信があるからです。
子どもたちも同じです。
「失敗しても、ここに戻ってくれば大丈夫」
その絶対的な安心感こそが、彼らが再び社会へと一歩を踏み出すための、「最強のガソリン」になるのです。
「耳の痛い話」は外部に任せていい:親子関係を守るための「役割分担」
「親が正論を言わなかったら、この子はずっとダメなままなんじゃないか」
「しつけや指導を放棄しているようで、親として無責任な気がする……」
セミナーの質疑応答でも、そんな切実な葛藤の声が寄せられました。
お子さまの将来を想うからこそ、保護者さまは「自分が言わなきゃ」と重圧を背負ってしまいます。
長澤はここで、思春期の子どもを持つ保護者さまの心を軽くする「役割分担の戦略」を提案しました。

正論は親以外の大人…つまり「外部の大人」が子どもに伝えるべきだと考えています。
思春期の子どもというのは、親の言うことはどんなに正しくても聞けませんが、外部の大人の言うことなら驚くほど素直に聞けることが多いんです。
家では反抗的でも、家の外では『はい、わかりました』と素直に頷く。
それは決して親を軽視しているわけではなく、それが『思春期』という時期の健全な心理なんです。
ですから、保護者さまが嫌われ役を引き受けて正論を突きつける必要はありません。
その役回りは、2階部分の『伴走してくれる大人』にまるごと任せてしまいましょう!
信頼できる「2階の住人」を戦略的に配置する
ここで言う「伴走してくれる大人」とは、塾の先生や家庭教師、あるいは信頼できる親戚や少し年上の先輩など...
「親以外の、少し距離のある大人」のことです。
たとえ同じアドバイスであっても、親が言えば「小言」になり、
外部の大人が言えば「プロの助言」や「憧れの先輩からのヒント」に変わります。

外部の伴走者なら、タイミングを見極めて子どもに正論を伝えることができます。
親が子どもにとっての「指導者」という役割を一旦手放し、外部のプロや信頼できる大人をチームに引き入れること。
それは「逃げ」ではなく、親子関係・家庭という、子どもにとっての最後の砦を守るための、非常に賢い戦略なのです。
まとめ:100点を目指さない、親子の試行錯誤を応援したい
セミナーの最後、講師の長澤から語られたのは、毎日を懸命に生き、
時に自分を責めてしまいがちな保護者さまへの、心からのエールでした。
「もっと早く気づいていれば」
「あの時のあの言葉が余計だったのかも」
そんな過去への後悔で胸がいっぱいになっている保護者さまたちに対し、長澤は
「まずは、保護者さまたちが、ご自分を許すこと…」
「子どもも自分も100点ではなくてよい…むしろ100点は意識的に目指さないと思えるようになることから始めてみてください」
と、語りかけました。

不登校支援というのは、短距離走ではなく
長距離走・長期戦の
マラソン
です。
親だって人間ですから、我慢できずに正論を言ってしまう日もあります。
でも、それでいいんです。
過去に言ってしまったことを後悔するのは、今日から一切ナシにしましょう!
大事なのは、今日から正論をほんの『1割だけカット』してみること。
それだけで十分です。
お子さまを救うために、まずは保護者さま自身が逃げたり休んだりして、ご機嫌でいられることを最優先してください。
親が泰然と構えていられることが、結果的にお子さまの最大の安心に繋がるのですから。
「夏に台風が来る」ように、思春期には嵐が来る
思春期には、暴言や引きこもりといった、親の心が折れそうになる「インシデント(事件)」がつきものです。
しかし長澤は、それを「夏になれば台風が来るのと同じこと」だと言います。
「インシデントに対して100点満点の対応ができる親なんて、この世に一人もいません。
嵐が来たら、一緒にびしょ濡れになるのではなく、保護者さま自身がまず安全な場所に避難してもいいんです」
私たちは「一緒に試行錯誤するチーム」です
不登校支援は、保護者さまが一人で背負うべき重荷ではありません。
「やってみて、やばそうだったら、即撤退!」
そんな軽やかな試行錯誤を繰り返しながら、その子にとっての「ベストフィット」を一緒に探していく。
それがビーンズのスタイルです。
保護者のみなさまへ
- もし、一人で抱え込むのがしんどくなったら、いつでもビーンズを頼ってください。
- 私たちは、お子さまにとっても、そして保護者さまにとっても、
「共に悩み、共に歩む最強のチーム」でありたいと考えています。
一歩進んで二歩下がるような毎日でも、その試行錯誤のプロセスすべてがお子さまの未来を創る土壌になります。
今日からは少しだけ肩の荷を下ろして、お子さまと一緒に「美味しいもの」を食べることから始めてみませんか?
【保護者セミナー】記事一覧
思春期支援の考え方について紹介している、こちらの記事もご覧ください。
ご家庭での子どもの接し方のヒントに……
また、ビーンズの授業や子どもへの接し方の方針をお知りになりたい方は以下の記事もご覧ください。
ご家庭でのお子さまへの接し方へのヒントがあるかもしれません。
親の見守り力
本記事の前提となる「親の見守り力」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ビーンズのサポート方針
こちらの記事では「ビーンズの授業方針」を詳しく解説しています。
本記事も含め、どの記事に書いてある方針やアドバイスも『ビーンズメソッド』という”悩める10代”へのサポート方法に基づいています。
「ビーンズメソッドってなに?」という方は、まずコチラの動画をご覧ください。
「情熱大陸」「カンブリア宮殿」などの各種メディアで著名な花まる学習会代表 高濱正伸先生、教育ジャーナリストおおたとしまささん
このお二方とビーンズ塾長の長澤が、”悩める10代”の現状、そしてビーンズメソッドの考え方について講演したときの様子です。(ダイジェスト版)
また、おおたさんには、「ガラスの十代のトリセツ/ビーンズメソッドに学ぶ」と題し、ビーンズメソッドの基本的な考え方についてお話しいただいています。
そして、ビーンズも取材いただいた『不登校でも学べるー学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書)。
さらに、講談社FRaUさんでは、ビーンズメソッドのエッセンスを端的にまとめていただきました。こちらもぜひご覧ください。

『10代の心をフリーズさせるもの…不登校専門塾が教える「大人がやってはいけない」こと』
『生きる重荷を軽くしたい…不登校専門塾が提案する“子どもを幸せにするための法則”』






