入塾待ち100人の不登校支援専門塾が解説「我が子が不登校になったら見守るだけでいいのか」問題

「学習支援塾ビーンズ」塾長の長澤です。
長澤 啓
長澤 啓 NAGASAWA KEI 塾長/副代表 東京大学 経済学部経営学科卒。大学生時代からの現場経験を活かして「悩める10代」のサポート方法を「ビーンズメソッド」として体系化する。…
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ぜひ本記事と合わせてご覧ください!
先日、「不登校」「進路にビクビクしていて未来に踏み出せない……」といった課題を抱えている10代のお子さまをお持ちの保護者の皆さまに講演を行いました。
その内容を文字起こしいたしましたので、ぜひご覧ください。
もくじ
導入
子育てにおいて「見守り」が大事だと言われていますが、
①「見守り」って具体的にどういうことなのか
②どういうことを大切にしないといけないのか
という2点について、お話しさせてください。
まず最初に、今日のお話の結論をお伝えしますね。
「なんだかんだで大丈夫ですから、どっしり構えていきましょう」
これに尽きるかな、と思っています。
これから少し複雑なことや、ちょっぴり不安になってしまいそうなこともお話しします。
ですが、「最後は大丈夫なんだ」ということを頭の真ん中に置いて、リラックスして聞いていただければ嬉しいです。
今日の話を聞いていただきたい理由
理由は2つあります。
理由
- 理由①:実践することで、子どもとの長期的な信頼関係を築けるから
- 理由②:子どもが安心して社会に飛び出して生きられるようになるから
大変なことも一部お伝えしてしまいますが、今回の話を聞いていただくことで、ポジティブな未来にぐっと近づけるはずです。
前提として理解していただきたいこと
今日お伝えすることは、実はとても難しいことです。
はっきり言って、私たちプロでも現場で迷うことが多い内容です。
ですから、「最初から100点満点でやらなきゃ!」と気負わないでくださいね。
「できる範囲で、ちょっとずつチャレンジしてみようかな」くらいのスタンスで大丈夫ですよ。
「見守り」が大事と知っていても……
不登校のサポートにおいて、多くの専門家が「見守るのが大事」と言いますよね。
実際、ビーンズに相談に来られる保護者さまも、あちこちの窓口で「お母さん、見守りましょう」と言われてきた方が多いです。
「見守りが大事っぽい」ということは、皆さんも既にご存知かもしれません。
しかし、問題はここからです。
良かれと思って「見守り」を実践しているつもりでも、あるメカニズムが働いて、逆にお子さまの状況を悪化させてしまう事例をよく目にするんです。
以下の内容はこちらの【限定公開動画】でも詳しく解説しています。
ビーンズとしても、見守りはとても大事だと考えています。
そのスタンスをはっきりさせるために、私たちが大切にしている「4階構造」という考え方を少しだけご紹介します。

これは、お子さまが「挑戦や努力」ができるようになるためには、その前に整えておくべき条件がある、という階段のような考え方です。
中でも一番の土台となる1階部分が、「絶対安心の場である家庭」です。
この土台をしっかり作るために「見守り」が必要なのですが、実はこの言葉が少し誤解されて伝わっている気がするんです。
「絶対安心の場」とは、正しくはどういう意味なのか。それをしっかりお伝えするために、これから本題に入っていきますね。
本題
「偽の見守り」とは何か
少し刺激的な言葉で申し訳ないのですが、見守っているようでいて、実はそうではない態度……それを私たちは「偽の見守り」と呼んでいます。
これをやってしまうと、お子さまの状況がさらに悪くなってしまうことがあるんです。
具体的には、「ご機嫌うかがい」と「放置」の2つがあります。
「ご機嫌うかがい」
例えば、子どもと衝突した後に「言いすぎちゃった……」と後悔して、動揺しながら「ごめんね……」と過度に謝ってしまう。
「放置」
あるいは、機嫌を直してもらうために物を買い与えてしまうパターンです。
「一切介入しないのが正解なんだ」と考えて、スマホやゲームを無制限にさせたり、生活習慣がぐちゃぐちゃでも放っておいたりすることです。
さらに、外部の専門家に頼ることや情報収集までやめてしまうのは、とても危険です。
「偽の見守り」によって起こること
なぜこれらが良くないのか。
大きな理由は、子どもが親に「無理難題」を押し付けるリスクが高まるからです。
実際に現場で見てきた例を挙げますね。
無理難題の例
- 20〜30万円するような高額なブランドバッグやPCを脅迫まわりにおねだりする
- 親を「召使い」のように使い、送り迎えやゴミ捨てまで何でもやらせる
- 親が思い通りにならないと「お前のせいでこうなったんだ!」と泣き叫んで責め続ける
親御さんも「自分のせいで不登校になったのかも」という罪悪感があると、つい言いなりになってしまいますよね。
でも、これでは「絶対安心の場」が崩れてしまいます。
「見守り」とはそもそも何か
本当の意味での「見守り」、そしてお子さまが親に心から求めていること。 それは「ブレずに自分を愛してほしい」ということです。
ここで言う「ブレる」とは、親の「動揺・焦り・恐怖」のことです。
お子さまにとって親は、自分がどんなに荒れてもどっしりそこにいて包み込んでくれる「心のベース基地(母なる大地)」であってほしいんです。
「私はブレまくりです……」と思われるかもしれません。でも、それでいいんですよ。続きを聞いてくださいね。
親がブレると、お子さまの心もブレます。 家の大きな柱がぐらついていたら、安心して寝られませんよね?
お子さまは親がブレていないかを確かめるために、あえて親を動揺させようと無理難題をふっかけてくることがあります。
「この柱、本当に大丈夫かな?」と押してみたら、余計にグラグラしてさらに不安になる……。
そんな悪循環が起きているんです。
今の社会は、親を不安にさせるニュースや情報であふれています。だからブレてしまうのは当然なんです。お釈迦様ではないのですから。
大切なのは、「本当にブレないこと」ではなく、「ブレていないように見せる(演じる)」ことです。
痩せ我慢でも、付け焼刃でも構いません。「見せようとする」だけで、お子さまの安心感は変わります。
見守りの心構えについて…
親がやるべき具体的なコツ・テクニック
親が実践するべき、3つの「ブレない」
具体的に何を「見せれば」いいのか、3つのポイントを説明します。
これは「理想」ですので、少しずつ取り組んでみてくださいね。
①ルール・方針がブレない
スマホは22時までと決めたら、守る。変えるときは感情ではなく、
家族会議などの「手続き」を通して変えることが大事です。
②親の生活・趣味がブレない
「あなたのせいで趣味も仕事もあきらめた」という姿は、お子さまをさらに不安定にさせます。
「お父さんお母さんは、自分の人生を変わらず楽しんでいるよ」という姿を見せることで、
お子さまは「自分があんなに動揺しても、
親は大丈夫なんだ」と安心できるんです。
③親の雰囲気・表情がブレない
お子さまの前で、焦りや恐怖を顔に出さないように意識してみましょう。
「教育臭さ」を消して突っぱねる
お子さまの無理難題を断る時は、「教育のため」「あなたのため」という理由(教育臭さ)を封印しましょう。
代わりに「親にもどうしようもない制約」を理由にします。
例えば高額な物のおねだりには、「家の予算上、これ以上は無理なんだ」という一点張りでいいんです。
「ない袖は振れない」という現実に、教育的な説教は不要です。
スマホ制限も「社会に出られなくなるから」ではなく「あなたの健康が心配だから」という理由だけで押し通します。
これらを始めると「初期反動」といって、お子さまが激しく荒れることがあります。これは自然な反応です。ここで親がブレてルールを曲げてしまうと、長期的な不安に繋がります。
初期反動は、嵐が過ぎるのを待つように耐えましょう。
(※身の危険がある場合は、その場では従い、すぐに専門機関へ繋いでくださいね)
「どっしり沈黙 →からの→ ゆっくり行動」
今回、最もお伝えしたいテクニックです。
それが…「どっしり沈黙 →からの→ ゆっくり行動」 です。
お子さまが荒れている時、つい「即反応」して救い出したくなります。
が、ぐっとこらえてください。焦って素人が動いても、ろくなことになりません。
まずは、沈黙しましょう。
目の前で子どもが壁を叩いていても、ひどい暴言を吐かれても、顔色を変えずに黙って見ていてください。
放置ではなく、隣でどっしり構えるイメージです。
心臓がバクバクしてきたら、意識して「ゆーーーっくり」動き、喋りましょう。
お子さまの言葉に言い返す前に、最低3秒、できれば5秒数えてください。
※イメージは大仏様です。

お子さまがカオスであればあるほど、こちらはテンションを下げて、ゆっくり、どっしりと。
これだけでお子さまは「あ、親は動揺していない。大丈夫なんだ」と安心のきっかけを掴めます。
さいごに
どうしようもない場合はプロに頼る
子育ては、親子だけで完結しなくていいんです。特にお子さまの状況が悪化して、ご家庭だけで抱えきれないと感じたときは、迷わずプロ(不登校支援の専門家や医療機関)を頼ってくださいね。
第三者が介入することで、お子さまの中に「親以外の大人への自制心」が芽生え、状況が好転することもよくあります。
外の力を借りることは、決して「親としての敗北」ではありません。
お子さまと保護者さま、双方の笑顔を取り戻すための前向きな選択肢なんです。
まとめ
少し怖いお話もしてしまいましたが、最後にこれだけは覚えておいてください。
「なんだかんだで、大丈夫」です。
保護者さま、どうか一人で抱え込まないでくださいね。
お子さまの前で「大仏様」のようにどっしり構えるためには、
まず保護者さま自身が自分の心をケアし、余裕を持つことが何より大切です。
「今日はもう、子どものことを考えるのはおしまい!」
そんなふうに自分を許して、好きな温かい飲み物を飲んだり、ゆっくりお風呂に浸かったりする時間を、意識して作ってみてください。
明日から、できる範囲で大丈夫です。
「どっしり沈黙、ゆっくり行動」を、お守りのように心に留めておいていただければ幸いです。
私たちはいつも、一生懸命なお父さま、お母さまの味方です。いつでも、ここでお待ちしています。






