認定NPO法人全世代主催「第14回全世代フォーラム」に、代表の塚﨑と塾長の長澤が登壇しました

2026年10月3日(土)に開催された「第14回全世代フォーラム」(主催:認定NPO法人全世代)に、学習支援塾ビーンズ代表の塚﨑康弘が登壇し、パネルディスカッション『見える困難も、言葉にならない困難も。子ども・若者と、まわりの大人たち ―「ままならなさ」を抱えたまま、他者とともに生きるための感情の力とは』の進行を務めました。


もくじ
フォーラムの概要
今回の総合テーマは「他者とともに生きるための感情の力」です。
会場には10代から80代までの幅広い世代が集まり、オンラインでも多くの方にご参加いただきました。
教育、子ども・若者支援、多文化共生、和平調停、医療・ケアと、さまざまな分野で活動する登壇者とともに、感情が人と人との関係にどんな役割を果たしているのかを考える一日となりました。
当日は、パネルでご一緒したおおたとしまささん、総括をいただいた遠藤利彦先生、全世代代表理事の尾身茂先生をはじめ、これまでビーンズと深く関わってくださっている方々も多く登壇されました。


パネルディスカッションの内容
塚﨑が進行を務めたこのパネルディスカッションには、次のお三方にご登壇いただきました。
- 李炯植さん(認定NPO法人Learning for All 代表理事)
- おおたとしまささん(教育ジャーナリスト)
- 中村英正さん(こども家庭庁 成育局長)

おおたとしまささんは、『不登校でも学べる 学校に行きたくないと言えたとき』(集英社新書、2022年)や『学校に染まるな! バカとルールの無限増殖』で、ビーンズの取り組みを取り上げてくださった方です。2026年10月16日には、新著『「余白」と「贈与」で子は育つ』(集英社新書)が発売されました。今回のパネルで話題になった「余白」とも重なるテーマになっています。
目に見える困難だけでなく、環境や経験の違いから生まれる、言葉にならない不安や「ままならなさ」にも目を向けながら、子ども・若者の育ちを支える環境について話し合いました。
議論の軸の一つになったのは、時間・空間・仲間の「三間(さんま)」の必要性です。
子どもが自由に過ごし、多様な人と出会える機会や、安心して身を寄せられる居場所を、社会の「余白」としてどう確保していくか。
安心できる場所があることが、子どもたちが新しい経験や挑戦へ踏み出す支えになる、という視点も示されました。
年の離れた人との「ナナメの関係」や、家庭・学校・地域が果たす役割にも話題が広がりました。
さらに、会場やオンラインからの質問を受けて、子どもを支える大人自身の緊張や余裕のなさにも議論が及びました。
子どもがのびのびと過ごせる社会の「余白」をつくるには、まわりの大人にも余裕が必要です。
子どもと大人の両方にゆとりのある社会をどうつくっていくかを探る時間になりました。

中学生・高校生にこそ、「三間」と「ナナメの関係」を
この議論は、ビーンズが日々向き合っている中学生・高校生の姿と、深く重なるものでした。
プレーパークや森のようちえんのように、異年齢の仲間や地域の大人と出会え、遊ぶ場が、各地に広がっています。
一方で、中学生・高校生になると、そうした場からは年齢的に少しずつ離れていきます。
思春期を迎え、人とつながること自体に照れや恥ずかしさを感じたり、しんどさや不安が強くなったりするのも、この時期です。
特に学校に通いづらくなった子どもたちにとって、仲間と過ごす時間や場所は、気づかないうちに少なくなりがちです。
ビーンズはこれまでも、仲間と一緒に企画をつくり、発表するゼミ形式の授業「キッカケ塾」などを通じて、チームで活動する楽しさ、つまり「青春経験」を大切にしてきました。
「青春経験」の重要性については、塾長の長澤が『学校に染まるな! バカとルールの無限増殖』の書評でも綴っています。
どんな状況にある中学生・高校生にも、安心して過ごせる時間と場所、そして一緒に笑い、ときにぶつかり合える仲間がいること。
今回のパネルは、ビーンズがこれから届けていきたいものを、あらためて確かめる機会にもなりました。

遠藤利彦先生のコメント
東京大学大学院の遠藤利彦教授からは、両パネルへのコメントと総括をいただきました。
遠藤先生は、ビーンズで開いた「全世代に感情力を育む会」でもご講演いただいています。
そのときのお話は、ワカサポラボの記事「遠藤利彦先生が語る「若者のモラトリアム期間の長期化」」でご紹介しています。
向かい合って話すだけでなく、同じものを一緒に見て、感じたことを語り合う「並び見る」関わりが、互いの理解を育む手がかりになる、というお話もありました。

ダイアログセッション:日常の実践につなげる
ダイアログセッションでは、塚﨑と長澤が、全世代のメンバーとともに、この日の議論を日々の実感に引き寄せて振り返りました。
全世代と連携して企業向けの感情力研修を行っている長澤は、若い世代を支えたいと考えている管理職の方も、疲れ切って行動する余裕を失っていることがある、と紹介しました。
そのうえで、身近な実践として挙げたのが、「今日もありがとうね」と伝えることです。大きな課題をめぐる議論が、隣にいる人との小さなやりとりへとつながっていきました。

声明文の取りまとめ
フォーラムの最後には、会場とオンラインの声を重ねながら声明文を取りまとめました。
他者との違いを恐れずに理解しようとし続けること、そしてそれを可能にする「余白」を互いに持つことの大切さが盛り込まれています。
声明文の全文は、こちらのプレスリリースからご覧いただけます。
全世代とビーンズのこれまで
ビーンズと全世代のつながりは、早稲田大学で開催された第12回全世代フォーラム「THE MINKAI 2024」(主催:認定NPO法人全世代、共催:早稲田大学公共政策研究所)の実行委員会に参加したことから始まりました。
全世代とビーンズのこれまで
全世代主催のフォーラムへの参加は、今回で3回目です。
- 第12回全世代フォーラム「THE MINKAI 2024」:実行委員会に参加し、長澤が登壇
- 第13回全世代フォーラム(2026年1月):長澤が、ビーンズと全世代が協働で進める「AI時代における感情力普及啓発事業」の成果を発表
- 第14回全世代フォーラム(今回):塚﨑がパネルディスカッションの進行を務め、塚﨑と長澤がダイアログセッションに登壇
代表・塚﨑より
パネルの冒頭で、かつてビーンズで出会った中学生たちの話をしました。仲間と企画をつくるなかで何度も言い合いになった子どもたちが、いま大学生になって「たわいもない企画だった」と笑います。
でも、ぶつかりながらお互いの距離を探っていたあの時間こそが、かけがえのないものだったと思っています。
感情の力は、測られる「能力」ではなく、そうした数値化されない経験のなかで育っていくもの。登壇者の皆さんのお話から、その確信を新たにしました。
司会として受け取ったことは、別途noteにまとめる予定です。

関連リンク
- 第14回全世代フォーラム 概要レポート(認定NPO法人全世代)
- 第14回全世代フォーラム 声明文(PR TIMES)
- 学習支援塾ビーンズ、認定NPO法人 全世代と"「若者のこころ」領域に関する連携事業"基本合意書を締結
- 学習支援塾ビーンズにて「全世代に感情力を育む会」を実施しました
- 「悩める10代」へのサポート方法「ビーンズメソッド」が集英社新書に取り上げられました!
- 「ガラスの十代のトリセツ」ビーンズメソッドがメディアで紹介されました
- 『学校に染まるな! バカとルールの無限増殖』の書評-「教育の向かうべき方向性」と「青春」
- 東大院 教育学 遠藤利彦先生が語る”現代社会「若者のモラトリアム期間の長期化」について”(ワカサポラボ)
- 尾身茂先生とのクロストークから見えた、令和の若者たちが向き合う課題と「感情力」(ワカサポラボ)
フォーラムを主催された認定NPO法人全世代の皆さま、ご登壇・ご参加くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。
ビーンズはこれからも、子ども・若者と、そのまわりの大人がともに育ち合える場づくりを続けていきます。






